スーパーに並ぶ格安ワインを吟味して分かったこと
先日久しぶりにワインを購入しました。
これはサッカーのクリスティアーノロナウド選手が毎日1杯飲んでいるという情報を確認して、勝手に影響を受けたことが理由です。
そして近所のスーパーとワイン専門店を除いて思ったこと、分かったことを書いていきます、
格安ワインの多くは濃縮還元のもの
720mlで500円を切る格安のワインがスーパーではたくさん販売されていました。
その上「ポリフェノールたっぷり」「酸化防止剤を含んでいません」など、メリットがたくさん書かれています。
日本の大手飲料メーカーさんの出している商品も多いので、少し注目してラベルを読んでみました。
そこで感じたのは、格安ワインの多くは濃縮還元されたものである、ということです。
この濃縮還元は、一度加工の段階で、水分を飛ばして粉末状などにして濃縮したものに後で水を加えて元の濃度の戻すという方法です。
濃縮還元のメリット
濃縮還元を行うことで得られるメリットは以下のようになります。
濃縮還元のメリット1:運送料の削減による安価での販売
何といっても体積、重さが大幅に少なくなるので、運搬が楽で、一気に大量のものを運ぶこともできるようになります。
これによって運送にかかる費用が抑えられることから、格安のワインを作ることができるわけです。
実際には海外から輸入する時には濃縮された状態で輸入して、日本で水分を加えて商品化することで、途中の費用は大幅に少なくすることができます。
濃縮還元のメリット2:加熱による衛生状況の確保
また、濃縮加工時には主に加熱の処理が行われています。
この処理についてはデメリットもあるので、次の項でも触れますが、メリットとしては、一度加熱することで、バクテリアなどを死滅させることができます。
そして水分を取り除くので、ほとんどの菌がこの段階で死滅します。
このため、購入して口を開けるまではかなり衛生的な状態が保たれていると言えます。
その影響からかワインの質を変えてしまうような菌も存在しないので、酸化防止剤などが添加されない商品が作りやすいという背景もあります。
濃縮還元によるデメリット
濃縮還元がメリットだけであればすべてのワインが濃縮還元にしていまさす。
そうなっていない背景にはデメリットの存在があります。
濃縮還元のデメリット1:栄養素が壊れる
これは野菜ジュースや果物ジュースでも話題になる内容ですが、ビタミンなどは濃縮加工の段階で加熱されることから壊れてしまいます。
ワインを飲むときにブドウのビタミンを摂取できる、という期待をしている人は少ないとは思いますが。
ちなみに抗酸化物質のポリフェノールと長寿遺伝子を活性化させると言われているレスレバトロールについては加熱しても安定しているという報告が出ていますが。
濃縮という水分が全くない状態にした時にも安定しているのかは分からない部分もありますので、こういった健康効果を期待するのであれば、濃縮還元ではない商品を飲んだ方が良いでしょう。
濃縮還元のデメリット2:ワインを熟成させられない
ワインは年月が経つほどおいしくなると言われますが、濃縮還元したものにはワインを熟成させるための菌が死滅してしまっているため、コクも出なければ味の深みも増すことはありません。
安いものですから、すぐに飲んでしまうとは思いますが念のために。
濃縮還元のデメリット3:原材料の産地が分かりにくくなる
加工したのが日本であれば日本産と記載することができてしまいます。
もちろん良いブドウを使用している場合には、あえて「どこのブドウを使用しています」と書いた方が売れるでしょうが、そうでない場合は敢えて書くことはしないでしょう。
そこまでこだわる場合には、やはりそれなりの商品を購入する必要があります。
格安ワインと濃縮還元のまとめ
安いワインを買う際には、上記のような特徴があることを踏まえながら商品を選んだり、そのデメリットが許容できなければ、ワンランク高いものを検討する必要があります。
実は500円以下では難しいものの、1000円以下であれば濃縮還元ではない商品が一気に増えます。
ワインは飲むだけでなく、選ぶことも楽しみのひとつなので、お気に入りを探す時の選択理由の一つとして今回の内容を踏まえていただければと思います。
僕は980円で濃縮還元ではなくて、ブドウはJAS規格の物を使用し、酸化防止剤が入っていない商品を見つけたので、それを試しに買って、毎日小さいグラスに軽く一杯飲んでいます。
味はそこそこ、でも毎日飲む習慣がないからちょっと罪悪感があったりします・・・