ベジタリアン(菜食主義)にも様々な種類
ベジタリアンというと日本では肉を食べない人、あるいは野菜だけを食べる人など、ざっくりとした捉え方をしている人が多いと思います。
何かしら嗜好的・宗教的な部分で行っていたり、健康に関してすごくストイックな人が実践するのだろうというイメージ。
というか、これらは僕が学生の頃に持っていたイメージです。
日本ではベジタリアン自体が少ないので、知らなくて問題ありませんが、外国では日本に比べるとポピュラーなので、知識として持っていると役に立ったりします。
今回はこのベジタリアンについて書いていきます。
ベジタリアンとは
ウィキペディアによると以下のようになっています。
菜食主義(さいしょくしゅぎ、英: Vegetarianism)とは、健康、倫理、宗教等の理由から、動物性食品の一部又は全部を避ける食生活を行うことであり、実践する人を一般的にベジタリアン又はヴィーガン等と呼ぶ。菜食主義の分類は細かい。
これだけを見た場合には
・健康にストイック
・嗜好的、主教的な制限
僕の思っていたイメージとそこまで離れていないように感じます。
ただ、根本的に異なるのは「動物性の食品を避ける」という部分と、ベジタリアンと言っても動物性の食品を食べる人もいるという点です。
さらに気になるのはヴィーガンという言葉と菜食主義の分類は細かいというところです。
一体どのように分かれているのでしょうか?
ベジタリアンの分類
国際ベジタリアン連合という組織により、以下のように分類されています。
ベジタリアンの分類1:オボ・ラクトベジタリアン
肉や魚は食べないが、動物性食品である乳製品や卵は食べる。
ベジタリアンの分類2:ラクトベジタリアン
肉、魚、卵を食べない。 乳製品は食べる。
ベジタリアンの分類3:オボベジタリアン
肉、魚、乳製品は食べない。 卵は食べる。
ベジタリアンの分類4:ヴィーガン
肉、魚、乳製品、卵と全ての動物性食品を食べない。
このため、ピュア・ベジタリアンなどと呼ばれることもあります。
この他に国や地域によっても、様々なベジタリアンの考え方があります。
ちなみにラテン語でオボは卵のこと、ラクトは乳製品のことです。
最近のアイスの中にはラクトアイスという名称の物もあるので、比較的分かりやすいと言えます。
ベジタリアンとして認められていないもの
この国際ベジタリアン連合がベジタリアンとして認めていないものもたくさんあります。
これらはスードベジタリアン(疑似ベジタリアン)となかなかに厳しい表現で括られています。
ベジタリアンとされないもの1:ポロ・ベジタリアン
赤身の肉を避ける、他の動物性食品については食べている。
赤身の定義に曖昧な部分があり、統一されていない。
ベジタリアンとされないもの2:ペキスタリアン
肉類は食べないが魚介類は食べる、その他の動物性食品も食べる。
ベジタリアンとされないもの3:セミ・ベジタリアン
普通の人と比べると少量の肉類の摂取を行う。
ベジタリアンとされないもの4:マクロビオティック
基本的に動物性食品を食べないが、マクロビオティックにも様々な考え方や流派(?)があることから別の物として括られている
主なまとめ方として、国際ベジタリアン連合では
・肉と魚を食べなければベジタリアンとして認める
・肉か魚のどちらか一方でも食べる場合にはベジタリアンと認めない
というルールに基づいています。
ベジタリアン生活を始める理由
・宗教的に肉食など禁止されている
・健康的と考えて行う(あるいはアレルギー)
・動物愛護などの倫理観から
こういった価値観(アイデンティティー)から始めるケースが多いようです。
ベジタリアンという価値観が日本で市民権を得るまでに至っていない気がするのは、日本が宗教的な考え方に固執していない(仏教徒もクリスマスを祝うなど)点や、動物愛護についてもアメリカなどに比べると強烈に行っているわけではないという点などがあると思いますが、今後はより国際色が豊かになるので、マクロビオティックのように流行するかもしれません。
ベジタリアンについてのおまけ知識
・ベジタリアンという考え方を生み出したのはピタゴラス
・日本では精進料理が動物性食品を使用しない料理となっている
・エシカル・ヴィーガンという食べ物だけでなく、衣類や持ち物まで、レザーなどの革製品を避けるなど、身の回りから動物性の物すべてを徹底して取り除いている人もいる
ベジタリアンの注意点
ベジタリアンの食生活を行って体調を崩すこともあります。
これは
①どんな食生活にも合う・合わないがあるため
②食べられないものが存在して食べるものが偏ってしまう結果
③たんぱく質源が限られるため、必須アミノ酸で摂取できていないものが出てくる
などがあります。
こういった場合には少しオーガニックの肉類を試してみるなど、食生活に幅を出すことで健康的には補うことができます。
現にこういった方法で健康状態が改善したケースは多いので、自分の考え方とのバランスを取りながら柔軟に行っていただければと思います。
様々なベジタリアンについて まとめ
ベジタリアンと言っても、始める理由から、どのように取り組むのかに至るまで、多種多様なものがあることが分かります。
日本人的にはベジタリアンなのに卵がOKなの?
など、しっかりと枠組みにはめたくなりますが、思考的にも多様な方が行うものなので、この柔軟性というか多様性こそがベジタリアンのあるべき姿とも言えると思います。