運動前3時間に食事を済ませればパフォーマンスが安定する

スポンサーリンク

運動前3時間に食事を済ませておく理由

ここでも何回か運動前の食事については運動の3時間前の摂取を勧めてきました。

今回はこの理由について少し掘り下げていきます。

運動前の食事内容

前提として

消化の良いものを食べる

これが何よりも大切になります。

これは消化器官内に食べ物が消化されずに残っていることで、運動中に様々なデメリットが発生することに関係します。

消化の良い食事とは

・炭水化物(糖質)

・脂質は含まない(少量)

・食物繊維を含まない 

これらの特徴を持つ食品になります。

炭水化物(糖質)

3大栄養素と言われるエネルギーとなるものは、炭水化物・たんぱく質・脂質がありますが、炭水化物以外の2つについては消化しにくく、胃腸にとどまる時間が長いことから運動直前の食事には不向きです。

脂質は含まない(少量)

脂質は上記の通り消化しにくく、目立たない形で様々な食品に含まれているので注意が必要です。

食物繊維

食物繊維はお腹に良いという印象がありますが、定義は「人間の消化機能では消化できないもの」です。

このため、運動前に食べることは消化器官に負担を与えることになるので、運動前の食事では少な目にすることが必要です。

消化器官に食べ物が残ることでのデメリット

・身体が重くなる

当然体の中にまだ食べ物が消化しきれず残っているので、体が重くなります。

特に油っこいものを運動前に食べてしまうとお腹の重さを痛感させられます。

このあたりは経験として体験したことのある方も多いのではないでしょうか?

・集中力が下がる

食べ物が消化器官に残っていると、消化器官に血液を集中して消化を行うことから、脳へ十分な血液が届かずに集中力が低下します。

食後は少しボーっとしたり、眠くなったりする、あの感じです。

自分では集中しているつもりでも十分な集中力は発揮されないと考えた方が良いです。

習慣として身につける

身体が動きにくく、頭もさえない状況でプレーするという事の困難さは案外プレーしていると分からないものです。

運動前に揚げ物など食べると痛感しますが・・・

でも、運動前3時間で消化の良いものを食べる習慣を身につけると、たまにこの習慣を守れなかった際に、パフォーマンスの低下を痛感します。

習慣化されないとそもそものパフォーマンスにムラがあるため、悪影響についてもあまり感じにくいのですが、きちんとしたパフォーマンをを維持する方法を身につけると、乱れた時に、そのマイナスを非常に痛感させられます。

「今まで問題なかったから」という方も損をしていただけかもしれません。

意識して取り組んでみていただければと思います。

ちなみに、こういった部分は大人になるほど痛感させられます。

子供の頃は消化吸収の能力が高いので、少し無理をしても影響は少なかったとしても、ある年齢からは消化機能が下がるので、ちょっとした食習慣の乱れが次の日まで尾を引いたりします。

年齢以外には消化機能の個人差もあります。

胃腸の調子を悪くしがちな人ほど効果が実感できると思いますので、お試しください。

消化の良い食事

炭水化物が基本となります。

そばやうどんは日本の生んだ運動前に適した消化されやすい食事と言えます。

そしてごはん、これも消化しやすいです。

パンはバターやマーガリンを含んでいるので、脂質が入る分、消化しにくい傾向があります。

菓子パンはこれに生クリームやチョコレートという脂質が加わるので、避ける方が賢明です。

パスタはそれ単品では消化しやすい食品です。

モウリーニョがチェルシーの監督をしていた時代には、ホームの場合は試合の3時間前にクラブハウスにみんなで集まって、消化しやすいソースを利用したパスタを食べて試合に臨むという取り組みをしていました。

これは全員でコミュニケーションを取ることと、それぞれが誤った内容の食事を摂らないようにという配慮を両立した取り組みとして理に適ったものです。

パスタの問題点はソースの選択を誤ると脂質をたくさん摂取してしまうことです。

クリームソースは厳禁

トマトソースも乳製品は入れない方が良いです

オリーブオイルもあまり使用するとお腹に残ります

こういった点に注意しながら取り入れる必要があります。

その他の注意点

乳製品も乳脂肪を含むので、運動直前は避ける方が良いです。

コーヒー牛乳やカフェオレ、洋菓子類、チーズやバター、ヨーグルトなど、意外に気が付かないところに含まれているので注意が必要です。

良く噛んで食べる

いくら吸収の良い食品を選んでも、あまり噛まないで飲み込んでしまうと、大きな塊が消化器官に入るため、消化器官に負担をかけ、消化に必要な時間も長くなってしまいます。

良く噛んで食材を細かくすること、そして良く噛むと、唾液中のアミラーゼが、炭水化物のでんぷんを分解し始めてくれます。

消化は口に入ったところから始まっていることを頭に入れて、しっかりと噛む習慣をつけましょう。

運動直前に栄養補給が必要な場合

そうはいっても、運動前の3時間に食事のできる環境はそれほどないと思います。

運動まで3時間を切った場合の食事ではどんな注意点が必要でしょう?

基本は消化の良いものです。

あまり長時間何も食べない状態はNGです。

市販のゼリー飲料などもうまく使いましょう。

練習まであと1時間という場合を例にして

おにぎりを1~2個食べて

後はポカリスウェットと10秒チャージ系のゼリー飲料

このくらいはエネルギーを確保しておきたいところです。

練習時間が半日などの長時間に及ぶ場合は、少し最初のパフォーマンスが落ちても、もう少し食べておかないと、練習中にガス欠を起こすこともあります。

試合前などは緊張もあるので、意外と飴玉なんかもおすすめです。

緊張は喉の渇きを招いて、余分に水分を摂取してしまうことでのお腹の重さからパフォーマンスが落ちることがありますが、飴玉を舐めていれば唾液が出るので喉の渇きを感じにくく、少しリラックスすることができます。

ほぼ糖分なので、たくさん食べなければ消化も容易なので、利用しやすいです。

まとめ

僕も昔はそうでしたが、何となく体が重くても努力と根性で走り続ける、体が重いのは言い訳という考えでやっていました。

でも、それらが予防できるものであるならば、予防するに越したことはありません。

良い練習が良い選手を育てるように、試合だけでなく、練習でもこういった心構えは大切です。

最近はスポーツの強豪校や有名クラブでは、この運動前後の食事について質や時間を配慮したリズムを作ることができる環境を作っているところも見られるようになってきました。

今後もこういった運動と食事の分野はさらに突きつめられる分野だと思いますので、アンテナを張りながら取り組んでいきたいと思います。