糖質と脂質を含む食品はなぜ美味しい?
糖質制限・脂質制限をはじめとして、最近は糖質を控えめにしよう、あるいは以前からあるgあたりのカロリーが最も高い脂質を控えようという風潮があります。
その一方で、
糖質と脂質を含んだ食品は美味しくて仕方がない、それゆえに控えることが難しいという面があります。
どうしてこんなに糖質や脂質を含んだ食品は美味しく感じるのでしょうか?
今回はこの理由とそれらを含む食品について書いていきます。
生きるために摂取するべきだった糖質と脂質
昔は食べるものに困る、栄養失調や飢えが最大の敵という時代がありました。
ちなみにそれからまだ100年も経っていません。
そういった時代には人の体は生きていくためにエネルギーの効率的な摂取をする必要がありました。
油は1gあたりで9㎉が摂取でき、3大栄養素の中でもっとも効率的です。
更に脂質の重要な役割にホルモンの材料になることなどもあります。
そして糖質はもっとも素早く(効率よく)エネルギーになり、血糖値も高めることができます。
飽食の時代と言われる現代とは異なり、昔はカロリーも糖質も足りないことが問題でした。
そのために人は本能的にこれらを求め、糖質と脂質を含む食品については美味しいと感じるようになりました。
美味しいのは体がそれを求めているから、本能的に美味しいものは優先的に摂取しようと思いますからね。
このように以前は糖質と脂質は特に優先して食べるべき食品だったという背景があります。
糖質は幸せ物質を分泌する
糖質を摂取すると某健康番組でも良く出てくるセロトニンという幸せ物質が分泌されます。
このため、糖質を摂取した時に幸福感を得ることができる=また食べたくなるという部分もあります。
これも以前は有用であった糖質を優先的に摂取して欲しいという体の欲求から、それが満たされたという幸福感につながっていたことが背景となります。
最近はこの幸福感からくる再度摂取したくなる部分について、糖質には依存性があるという言い方をされることも出てきました。
時代が違えば、考え方も違うという一例でもあるかと思います。
糖質・脂質に関する課題
糖質と脂質を同時に摂取することで
脂質の特徴であるカロリーの多さがエネルギー過剰につながり
糖質は肥満ホルモンであるインスリンを分泌する
この合わせ技で余剰分のカロリーがどんどん体脂肪に変換されていきます。
これが現代では肥満、それに伴う生活習慣病へとつながってしまいます。
一方これが食べ物に困っていた時代であれば、食べられる時に効率よく体脂肪として貯金を作っておくことができるので、生命維持としてとても優れた働きでした。
糖質・脂質は時代の流れと共に
余分な貯金をしなくても生きていけるようになった。
過剰な貯金が今度は異なる健康被害につながるようになってしまった。
という部分で、蓄えるために必要だった食欲がコントロールしなければいけないものに変わってしまったという意味では人の体は今後、糖質や脂質を「美味しくない」という進化をするかもしれないですね。
そうなると再び食べ物に困る時代になった時に困ってしまうのですが(笑)
もしかすると拒食症なども、そういった環境の変化に由来している部分があるかもしれません。(メンタルな部分が大きいと言われていますが)
糖質と脂質を多く含むもの
クリームソースのパスタ、ピザ、パン類、スナック菓子、洋菓子などなど
脂質は単純な油でたくさんの量を摂取するのは揚げ物くらいですが、生クリームやバターという形で、様々な食品に含まれています。
スナック菓子はそもそも炭水化物を上げているものが多く、ケーキは生クリーム自体が砂糖生クリームでできているうえに、スポンジも粉もの、中身は果物という糖質・・・
嗜好品はやはり美味しさ重視になるので、組み合わせ的に太りやすいもので作られている場合がほとんどです。
美味しいものは太るというのが本当だということが分かります。
昔は太った方が命を守り易かったから美味しい、という部分だったのですが。
糖質・脂質と美味しさのまとめ
糖質や脂質は生命を維持する上で非常に重要です。
ただ、その美味しさが、食べ物が十分以上に手に入る現代では過剰な摂取につながって健康にマイナスの影響がでるため、何となく敵視されてしまう・・・というのが現代における僕たちの抱える問題です。
本能的に求める部分に対して、正しい知識を持つことで適正な範囲の摂取にコントロールすることで、肉体的だけでなく、精神的にも健康的な生活を送れたらと思います。