低糖質はてんかんに効果を上げる
糖質を控えることの有用性が言われるようになって久しいですが、てんかんにも効果的だという話をご存知でしょうか?
※基本的に今回の内容は医師の診断を元に実施するものなので、ご家庭で判断をせずに、必ず専門医の診断を受けた上で実施して下さい。
そのため具体的な糖質量の目安などは記載していません。
てんかん発作について
てんかんは発作が起こるとけいれんなどを起こします。
意識は残っていたり無くなったり。
人によって発作の症状も様々になる事からなかなか一括りにはできませんが、
酷くなると長時間に渡り強いけいれんや硬直という状態になることもあります。
脳が異常に興奮する状態と表現されることが多いてんかんですが、実際に大きい発作の場面を見ると「脳の神経伝達の部分でスパークが起きている」という印象です。
てんかんの方へ有効な食事
てんかんの方への食事として糖質を含まない食事の有効性があります。
厚生労働省からも理解されていて病院でてんかん食として提供すれば加算が取れるものとして認められています。 (糖尿病食などと同じような扱いです)
ケトン食や修正アトキンス食と言われます。
体がケトーシスと言われる、糖質ではなく、脂肪を原料としたケトン体をエネルギー源とする状態を作る事で効果を上げると考えられています。
その為、糖質を制限するだけではなく、高脂質にすることがポイントになります。
これらの食事とてんかんの関連性が分かった背景には、
実際に大きい発作を起こして食事を摂取できない状態になった人が、
その後に状態が良くなる傾向を発見したことに始まります。
最初は絶食が効果を上げていると認識されていましたが、その後の研究により、糖質を摂取しないことが改善につながっていることが分かりました。
基本的にはてんかん発作がそれなりの頻度で見られる方は、定期的に通院をしていて、服薬していることが多いので、これらの方法との併用になることが多いと思います。
てんかん食の注意点
これは低糖質食やケトジェニックダイエットでも共通の課題になるのですが、
基本的に穀物や果物は糖質が高い事から制限がかかるため、
ビタミンやミネラル類が欠乏しやすいことがあります。
適宜サプリメントの使用などが勧められています。
そして副作用という訳ではありませんが、開始直後に低血糖などの症状を起こしやすい事も注意が必要です。
低血糖状態になると倦怠感やめまいといった状態に陥る為、少しずつ糖質を減らす方法なども検討しても良い内容となります。
低糖質食とてんかんの関連性
このてんかんい対する低糖質の食事の有用性は、実は紀元前にヒポクラテスがすでに発見していて、少しずつ進歩を遂げて現代に至ります。
てんかんの概念と食事との関連性がはるか昔から発見されているなんて非常に大きな驚きです。
まとめ
てんかん食についてはまだまだ行っている病院が少ないので、興味のあるからは事前にてんかん食の扱いがあるかを確認してから病院に連絡してみて下さい。
自己判断での実施は発作のリスク向上を招く原因にもつながりますので、くれぐれも実際にてんかん発作のある方は医師と相談して、正しいやり方での実施をして下さい。