立ち眩みにはじまる貧血防止策【鉄分の摂り方】

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貧血

アスリートにも貧血が多い

運動をしている人というのは印象として健康であると思いがちです。

 

これは大きな間違いで、

  • 運動で体に負担をかけている、消耗している
  • 必要な栄養も体を動かすことで増えていく

実は体にムチを打っている状態とも言えます。

 

健康だけを目的とするのであれば、運動はそこそこで良いのです。

 

ただ、もっと楽しみたい、上手くなりたい、速くなりたいなどの目的を達成しようとするとそちらが健康的であることよりも優先されるので、負担をかけた分の体のケアが大切になります。

 

特に気が付かないうちの貧血は多く、立ち眩みや、血液検査を受けてみたら医者から指摘されるという形で判明することが多いです。

 

鉄分が足りなくなると起こる貧血

では、鉄分が不足することで起こる貧血はどんなものでしょうか?

 

有名なのは学校の朝礼などで長時間立っていることが難しくなり、しゃがみこんだり、保健室へ運ばれたりというケースです。

 

ボーっとなってしまい、意識が薄く(周囲が暗く)なって、立っていることを維持できなくなります。

 

立つという状態を維持するだけでも困難になるので、とても負荷の大きい運動を行う状況ではありません。

 

ですが、そんな体にムチを打って運動を続けている人が実は多いのも事実です。

 

特に陸上長距離を行っている人には多くなっていて、かなりの割合で貧血が見られます(特に女性に多い)、箱根駅伝を走るレベルのランナーでも貧血を抱えている選手は多いです。

 

鉄分は体中に酸素を運ぶ大事な栄養です

 

このため、運動をすると体中に酸素を多く供給しなければいけない状況になるため、必要量が増えていきますし、消費量もまた増えていきます。

 

この状況で良いパフォーマンスを発揮できるわけもなく、将来的な健康の面でも貧血の状態を改善することは必須になります。

 

貧血防止の方法

では、そんな貧血を防ぐ、改善するためにはどんな食べ物を食べると良いのでしょうか?

食品を挙げながら説明していきます。

 

貧血対策 ①鉄分を多く含む食品を食べる

ごく当たり前の内容からになりますが、鉄分を多く含む食品を食べましょうというはなしになります。

 

鉄分は肉類や魚介類に含まれるヘム鉄と海藻や野菜に含まれる非ヘム鉄があります。

 

良く吸収されるのはヘム鉄の方になりますが、肉や魚をたくさん食べることも大変なので、この辺りはバランスよく食べる感覚で良いと思います。

 

あさりやひじき辺りは様々な料理に使いやすく鉄分も多いのでおススメです。

 

レバーは鉄分が多いのですが、苦手な人も多いので多用しにくいところがあります。

 

貧血対策 ②ビタミンCと一緒に摂取する

鉄分はビタミンCと一緒に摂取することで体内での吸収が高まります。

 

同じ鉄分を摂取しても体内への取り込みが十分にされないと勿体ないので、ビタミンCとの組み合わせは意識しましょう。

 

おススメの食材はこの後に挙げる理由も合わせて柑橘類です。

 

食後のデザートとして毎食果物を摂取するアスリートが多いのは、こういった部分を考慮していることもあります。

 

貧血対策 ③クエン酸やリンゴ酸と一緒に摂取する 

クエン酸やリンゴ酸はキレート作用という働きでミネラルを吸収しやすくしてくれます。

 

鉄分もその吸収されやすくなるミネラルの一つになるので、こういった有機酸と一緒に摂取する事は重要です。

 

クエン酸やリンゴ酸なども、ビタミンC同様に柑橘類に含まれています。

 

こちらはその他の果物にも幅広く含まれているので、神経質に柑橘類にこだわらなくても大丈夫です。

 

鉄分を摂取する朝食の一例

実際に肉などを朝からしっかりと食べるなんて、寝起きでは難しいと思います。

 

そんな時に手軽なのは、シリアルに牛乳を加えて摂取し、飲み物はオレンジジュース

 

牛乳とオレンジジュースではお腹がタプタプになる場合には果物のオレンジを食べる。

 

シリアルはそれなりに鉄分を含んでいる商品が多いので、パンやおにぎりを食べるよりはよほど鉄分の摂取ができます。

 

そこに吸収を高める柑橘類を取り込めば、朝食としては十分な摂取量になります。

 

鉄分の大敵

鉄分の吸収を妨げるものもあります。

細かく挙げるとたくさんになり、意識し過ぎると献立を立てることも難しくなってしまうので、ここでは簡単に意識できる2つを挙げていきます。

 

鉄分の吸収を妨げる要因 ①カテキン

ダイエットなどに有効と言われるカテキンは鉄の吸収を妨げてしまいます。

 

このため、食事の際の飲み物は緑茶を避け、飲みたい場合には食事と食事の中間になる時間に飲みましょう。

 

お茶以外にもカテキンが含まれる食品もありますが、摂取量としてはそこまで気にする必要のない量です。

 

鉄分の吸収を沙またがる要因 ②リン酸

リン酸は主にスナック菓子やインスタント食品に含まれています。

 

アスリートがスナック菓子やインスタント食品を避ける傾向があるのは、カロリーオーバーになりやすい点と、こういった栄養吸収の妨げになるという点からです。

 

緑茶もスナック菓子やインスタント食品も避けることが簡単なので、まずはこういったものを鉄分吸収のタイミングでは摂取しないという事から意識すると良いと思います。

 

サプリメントは基本使用しない

鉄分についてはサプリメントを気軽に勧めないようにしています。

その理由としては、過剰摂取によるトラブルが起こるからです。

 

ミネラルは微量栄養素と言われ、少ない量でも働きます。

そこに大量の鉄をサプリメントなどで摂取してしまうことで、鉄中毒と言われる症状や、メンタル面でのトラブルが多く報告されています。

 

本当に薬が必要になる場合とは、医師の診断を受け、そこで必要だと判断された場合であり、その時にはきちんと鉄材が処方されます。

 

個人的に鉄剤や鉄分のサプリメントは自己判断で摂取することにやや抵抗を持っています。

どうしてもという場合にはマルチビタミン・ミネラルのように広く浅く摂取できるもので十分です。

 

この場合で怖いのはマルチミネラルを飲みながら鉄分のサプリメントも取るなど、重複しての摂取です。

気を付けましょう。

 

鉄剤注射はこちらの都合で行わない

一時期、陸上長距離の指導者が医師に頼んで選手に鉄剤注射を打っていたというニュースが飛び交いました。

恐らく過去にそれでコンディションが上がった選手や、記録が伸びた選手がいたのでしょう。

 

ですが、それはたまたま上手くいったほんの一例だけで、多くの選手がこの副作用的な鉄中毒に苦しんだことを告白しています。

 

この一件以来、本人や指導者の要望による鉄剤注射は行わないというガイドラインができましたが、もし自分の身にこういった状況が現れた場合には身の置き方を考える方が良いでしょう。

 

競技は大事ですが、人生を棒に振ってまで行うものではないと思います。

 

まとめ

最後は少し堅苦しい話になってしまいましたが、今回の内容で伝えたかったこととして

 

  • 運動している人こそ貧血になりやすい
  • 鉄分の摂取に何を食べるか(食べないか)
  • 鉄分についてはあまりサプリメントなどを推奨しない

こういったところを書いていきました。

 

運動しているのに貧血なんて体が弱い、と昔は言われることもありましたが、そうではなくて、がんばるからこそ貧血になることもあるし、それは食事などで改善できるということを覚えて頂ければと思います。