NHK食の起源 油を見ての感想
NHKで月に1度のペースで放送されている食の起源も3回目となり、油を題材にしたこれお興味深い内容のものが放送されました。
忘れないうちにメモも兼ねて書いていきたいと思います。
主な内容
・オメガ3とオメガ6の脂肪は1:2のバランスでの摂取が理想的
・オメガ6の過剰な摂取は健康リスクを伴う
・現代の食事はオメガ6を含むものが非常に多く1:10くらいになりがち
・自然界の動物たちはオメガ3とオメガ6のバランスが自然と1:2になることが多い
・人類も昔は自然とこのバランスを取れていたと考えられる
・牛肉はその牛が何を食べていたかで油のバランスが異なる
・エジプトのミイラに動脈硬化の形跡がある
細かいところは他にもたくさんありますが、大きく切り取るとこんなところが印象に残りました。
油には種類がある
この番組では、油を2種類に限定して話を進めていました。
その油はオメガ3とオメガ6です。
本当はオメガ9など他にも種類があるし、説明したくなるところですが。それをしてしまうと冗長になること、余計な情報で混乱させてしまうということもあるのか、あえて絞って話を展開させていきました。
この辺りは食の起源という人類史と食のつながりにクローズアップすることに重点が置かれていることを感じます。
オメガ3は体に良い油、オメガ6は過剰な摂取は控えるべき油という位置づけにしたことも分かりやすい説明でした。
オメガ3はオリーブオイルや亜麻仁油、えごま油、魚の脂に多く含まれます。
オメガ6がサラダ油、肉の脂身に多く含まれます。
特に外食やお惣菜の調理に使われるのは安価なサラダ油であるため、意識しないと現代ではオメガ6の摂取量が増える一方です。
現代人がオメガ3とオメガ6の摂取バランスを1:2にするには、オメガ6の摂取量を減らすこと、オメガ3の摂取量を増やすことの両方を行う必要があります。
オメガ3と言えども量を増やし過ぎると、摂取カロリーの増加の問題もありますし、なかなか難しい課題とも言えます。
番組内では中トロを2~4貫程度食べればOKとありました。
人類のルーツとオメガ3の関係
そもそも人類は海で生活し、その後陸上に上がりました。
海の中にいる時には体内でオメガ3を合成できる体をしていました。
ところが、海中にはオメガ3を含んだ食べ物が豊富にあるため、いつの頃からか体内で合成する機能が衰えたということです。
そして海から出た人類は、オメガ3を合成できない体になっていたので、食事から摂取する必要背が生まれました。
塩の回でもありましたが、海の中ってなんでも揃っているんだな、と感心します。
牛肉と脂の関係
番組内で牛肉(ステーキ)の脂部分を焼いて食べ比べをしている場面がありました。
どちらも見るからに美味しそうという肉を食べての感想が
一方が口中に脂が広がる、もう一方が、それよりもさらさらしているということ
この違いは牛の餌によるもので
脂っこいと感じた方は現代で主流となっている穀物を食べて育った牛
さらさらしていると感じた方は牧草を食べて育った牛
牧草を食べて育った牛の脂の比率はオメガ3とおオメガ6がほぼ1:2であり、穀類で育った牛は穀類の種子にオメガ6が多いことからオメガ6の値がかなり大きいものになっていました。
私たちが何を食べているのかも重要ですが、その前段階として牛などが何を食べて育ったのかも重要というのは面白いところです。
ただ、牧草で牛を育てるのは現在の方法から変えること自体に大変な手間や時間がかかること、餌代などが高くなることもあり、簡単ではないということでした。
ここから見えてくるのは、本来食べるべき牧草を食べていれば牛の体内の脂のバランスは自然と1:2という理想的な比率になるところでしょう。
ミイラから動脈硬化が見つかる
現代の贅沢病と考えられている動脈硬化がエジプトのミイラから発見されました。
ミイラになる程の地位の人間は美食家だったらしく、今でいうフォアグラなどを食べていた記録があるなど、健康的ではない食生活を送っていたと考えられています。
一方で寒い地域の民族の中にはアザラシなどの脂が多い動物をメインの食材としてかなり多くの脂を摂取しているにも関わらず健康的な体を維持できたことも分かってきています。
これは油を効率的にエネルギーとして利用できる体質であったことに関係しています。
生きるための環境への適応ですね。
まとめ
油については、美味しさを強調できるものでもあるため、美食と切っても切れない部分です。
健康に意識をしつつ、上手に油と付き合っていくことが大切だと考えさせられます。