食品表示は不利と思える情報も開示することが求められる
スーパーなどの商品では安いものが選ばれる傾向になりますが、体に悪いという印象があれば安くても手に取ってもらうことが困難になるので、販売場不利になりそうな情報は法的に公開する義務が無ければ敢えて伝えないという流れがかつてはありました。
スーパーのOKストアでは理由があって安く販売している商品についてはその安さの理由を敢えて表示して販売するという手法を取りました。
それまでは販売する側が避けていた「安い理由」について前面的に押し出すこの方法は、非常に好評で、今のOKストアの隆盛を支える一つの柱となっています。
安い理由がはっきりしていると
「安いけれど安心して購入できる」
「このお店は自分たちに不利な情報でも開示してくれる」
このようにむしろ売り上げを伸ばすことができるようになりました。
社会情勢からも、価格と同様に信頼を勝ち取ることの重要性は高まるばかりという事ができます。
ヤマザキパンの取り組みは吉と出るか
僕がこの手の話題で現在注目しているのは
ヤマザキパンが「臭素酸カリウム」の使用再開をあえてHP上で公表した件
https://www.yamazakipan.co.jp/oshirase/0225.html(ヤマザキHP)
この臭素酸カリウムはパンの食感を良くします。
ただし、発がん物質
これはYahoo!ニュースを始め色々なところで記事が公開されています。
食品添加物としての使用基準は、食べる際に食品に残留していないことで、今回ヤマザキパン側は、この基準を満たしての使用なので安全で、商品の品質を高めることができるという点を前面に押し出しています。
それにしても、この臭素酸カリウムは使用していることを記載する義務などもないので、公表は圧倒的に販売する上で不利になるにも関わらず、敢えて公表したのは興味深いです。
そこにはもちろん信頼を得るという目的もあると思います。
ただ、ヤマザキパンは今までも食品添加物関連のあれこれで消費者に避けられたりするという歴史も経験しているので、これを避けたいという背景もあるのではないでしょうか。
実際に僕の知り合いでも「ヤマザキパンを食べない」という話をしている人もいますし、「ヤマザキパンはカビが生えない、添加物をたくさん使用しているからだ」のように真偽のはっきりしない情報に売り上げを左右されたこともあります。
添加物の使用とその安全性について告知しようという手段に転じたのだと思います。
個人的にはこういった取り組みには賛成です。
もちろんこの情報を公表することで購入しない人もいるので企業としてはマイナスも被るのでしょうが、消費者からすれば、内容物を正直に記載してもらうことで買うか否かを選択できる情報が増えるので、利益しかないと思います。
巷で見かける記事では、この臭素酸カリウムの使用再開自体を非難する内容も多いですが、それであれば、購入しなければ良いだけです。
もしかしたら公表せずに使用している企業もあるでしょうから、それに比べれば真摯な対応であり、信頼を積み重ねるという点で、現代にマッチしていると思います。
まとめ
今回のヤマザキパンのように
・内容物を正直に記載
・その目的
・安全性の証明
こういった説明がきちんとされることは非常に大切だと思います。
個人的にはこの行動は非難されるべきではないと思います。
当然、臭素酸カリウムの使用に反対の人はいるでしょうが、だからと言ってこの動きを叩き過ぎると企業は隠蔽体質に逆戻りしてしまいます。
個人で購入をジャッジするための判断材料が増えたことを良い方向に捉えていければと思います。
その上で、他のメーカーのパンにするなどは多いに有りです。