スポーツの動作を筋トレに取り入れることが効果的かは分からない

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スポーツのフォーム

スポーツ動作を筋トレに取り入れること

一昔前までは筋トレでつけた筋肉はスポーツの動作と直接的に関連しないので効果がないという説が多くありました。

近年は筋トレを導入している選手の競技力が向上していて、特に各種目のトップレベルの選手は競技の特徴にもよりますが、ほとんど筋トレを取り入れている人ばかりで、筋トレでつけた筋肉は役に立たないという話自体が今では時代遅れという雰囲気となっています。

そんな中で昔からあるのが

だったら、そのスポーツの動作に強い負荷をかければ良いのではないか

というものです。

これには合理的と言える面と、辞めた方が良いと言える点の両方があります。

今回はこのスポーツ動作に強い負荷をかけることの主にデメリットの面から書いていきます。

スポーツの動作に負荷をかけるとフォームが崩れる恐れ

例えば、野球などの投球フォームにワイヤーと重りなどを使用するマシンを使用して大きい負荷をかけるとすると

速い球を投げる、正確に投げることよりも、重たい負荷をどうクリアするかという点が目的になってしまうので、体の使い方が変わってしまいます。

普段は肩をメインに背中などを少しずつ使っている場合でも

重いものを動かすためには大きい筋肉である背中をたくさん動員した方が効率が良く、より重たい重量に挑戦できるので、自然とフォームがそちらに合理化されていきます。

こうなると重りを使用しない時のフォームが崩れてしまう可能性があります。

せっかくパワーがついても、それを効果的に使用できないことが考えられます。

フォームが崩れないとしても効果的かは微妙

また、重りを動かす時と実際に投げるフォームが異なる場合には、せっかく投球動作に負荷をかけようしていたのに、その目標が達成されていないので、おとなしく肩のトレーニングと背中のトレーニングについては基本的な筋トレのフォームで行う方が効果を得やすくなります。

ケガのリスクが上がる場合も

肩のように小さな筋肉を大きな負荷で動かすことは、疲労の蓄積などの影響で、怪我をしやすくなります。

特にシーズン中や大会時期は競技の性質上良く使用する小さい筋肉には大きな負荷のトレーニングは神経質に行うか、負荷を小さくして行う慎重さが必要になります。

僕が学生の頃にはピッチャーがダンベルを持って投球フォームを繰り返していましたが、今ではダンベルを使ったとしても軽めの物で行うようになってきているし、チューブのように負荷の大きすぎないものを使用するなど工夫されています。

野球のピッチャーは肩ですが

ジャンプ系の種目だとふくらはぎ辺りは故障しやすい部位となっています。

筋トレは基本種目が重要

ウエイトトレーニングの基本種目は年々様々な人が経験的に積み上げ、また科学的にも実証されたものなどが残ってきています。

そのため、変にその種目特有の動きを取り入れるよりも、基本の動作を行い、合理的に筋力アップを行い、各スポーツに対応するためのスキルを日々の練習の中で身につけるという方が安全性も高いです。

効果は限定的

確かに筋トレで競技力を高めることができますが、それがあまりにも劇的であれば、一昔前の使えない筋肉論は出なかったので、そこまで劇的な効果は出ないと思った方が良いです。

特にトップアスリートの場合にはその種目の練習を行っている中で十分に筋肉が酷使され、筋肉もある程度ついていてるので、ゼロからの積み上げのような劇的差はありません。

でも、自分が伸び悩んでいると感じられる時などは、少しの違いをきっかけにブレイクスルーということもありますし、効果自体はあるので僕は個人的に補強の意味でもアスリートの筋トレは必要だと思っています。

逆効果の場合はもちろんある

ドイツでも活躍したサッカーの香川選手がイングランドのマンチェスターユナイテッドに移籍した後、スランプに陥って、その後もトップフォームを取りも出せないということがありました。

これは当たりの強いイングランドサッカーに適応するために、過酷はフィジカルトレーニングやウエイトトレーニングを行ったことが原因と考えられています。

確かに当たりが強いリーグで貧弱なフィジカルはハンデですが、香川選手の場合には

①トレーニングの結果、長所であった股関節の柔軟性が失われた

②フィジカルがそれなりに上がっても、世界トップクラスのフィジカル相手では焼け石に水

ちょっと言葉にしてしまうと辛辣ですが

トレーニングによって、フォームを崩して、更に相手の長所と同じ部分を伸ばしたところで、ウエイトトレーニングの質も量も相手の方が上なのでその差もなかなか埋まらず・・・

自分の長所を薄めて短所を伸ばしたものの、それでは相手の劣化版になってしまったという印象はぬぐえません。

もっと世界的な選手になることを期待していましたが。

ここは少し残念なところです。

このように、ウエイトトレーニング闇雲に行うのではなく、でかく強くなるのか、速くなるのかを含めて考えることで、パフォーマンスの向上につなげやすくなります。

筋トレをスポーツ動作で行うこと まとめ

スポーツ動作に強い負荷を与えると

・フォームを崩す

・ケガのリスクが上がる

・負荷が重いことで、通常のフォームを保てないので、あまり効果的でない

こういったデメリットがあります。

フォームを維持しながら怪我を予防するという目的でスポーツ動作を行うのであれば

・いつも使う道具よりも少し重い程度の重さ

・動作はいつも通りを丁寧に

この2点を守ることが大切だと思います。

メディシンボールなど、そういったトレーニングに使用できる道具もだいぶ充実していますので、動画などでトレーニング方法を探してみるのも面白いと思います。

ただ、全身を使用するトレーニングであれば、タイヤを引きずったりと大きな負荷もかけられるので、(走るフォームは崩れるのであくまでパワーアップ目的になりますが)効果を上げることもできるでしょう。

目的を最初に考えて、それを獲得するための方法として適したものを探していくことが重要です。