子どもの頃からの運動 スペインバスク地方での育成

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子どもの頃の運動

子どもの頃の運動習慣が後に生かされない

日本では部活動の一段落する高校生年代までは運動習慣を持つ人が多い一方で、それ以降は運動をしなくなってしまうことが多いことが特徴的です。

せっかく若い年代に運動習慣を持っていても、それが将来的に生かさせにくいことなど、今後の課題として、スポーツ関係者だけでなく、国や地方というレベルで考えていく必要があると感じます。

子どもの育成 スペインのある地方の取り組み

子供の運動には専門性を持たせるべきかという件については、昔から議論がされています。

賛否のある問題ではありますが、今回はスペインのサッカーチームの話題から少し感じる部分がありましたので、その問題を考える一つのモデルケースとして取り上げていきます。

バスク地方にある歴史あるチームの育成

スペインのサッカー1部リーグ(リーガエスパニョーラ)において、今まで一度も2部に降格したことの無いチームと言えば、サッカーに詳しくない人でも名前くらいは聞いたことのあるバルセロナとレアル・マドリードがあります。

そして、他にもう1チーム降格したことのないアスレティックビルバオ(以下ビルバオ)が今回の話の主役となります。

このビルバオの特徴として以下の2点があります。

バスク純血主義と独自ルール

バスク純血主義とは、バスク地方出身者(最近はルーツがあればOK)または育成年代をバスク地方のチームで過ごしたプレーヤーのみで構成されたチームというアイデンティティです。

バスク地方の人口は茨城県と同じくらいと言われていますから、茨城県にゆかりのある選手だけでJリーグを戦い続けている、しかもJ1から降格したことがないと考えるとどれだけ凄い事か分かります。

これは人種差別的な概念ではなくて、サポーターが地元出身者の多いチームほど応援したくなったり、そこでプレーする選手も忠誠心を持つことができるなどの面が強調されています。

さらにバスク州には特別なルールがあります。

それは「12歳まで特定のスポーツに専念してはいけない」というルールです。

これによってサッカーチームなどスポーツのクラブは12歳以下のチームを設けられない事になっています。

つまりは12歳以下の子供は様々な種目や、スポーツ以外の事に触れることになります。

育成の実勢

これだけの独自ルールなどを持ちながら、スペイン2強と言われるバルセロナとレアル・マドリード以外に成し遂げていない、降格せずにトップリーグに残るという偉業を達成でき、スペイン代表選手を輩出しているのはどうしてでしょうか?

サッカーに専念できることが12歳以上であることをバスクの指導者はハンデとも感じていない、むしろ様々な体の使い方を覚えられる面でメリットとして捉えている部分すらあります。

昔読んだスペインの育成年代指導者の本にバスクの指導者がインタビューに答えているものがあったのですが、そこで日本人のインタビュアーが、「実は日本が手本にするべき育成とは、バスクにあるのではないか」と聞いたところ

「違う、世界中が手本にするべきだ」と自信満々に答えていた事がとても印象的でした。

子どもの運動について考えなければいけない事

今回はサッカーチームの話ですが、この話は他の様々なことに応用されると思います。

12歳までに種目を固定しないことは、様々な種目や学業・芸術に触れる時間と機会を作り出します。

本人にとって向いているものを見つける機会に優れているとも言えます。

そこで本人の特性に合ったマッチングができれば、12歳までの間に身につけたものを生かしながら、個人に会った種目に専念することができるため、競技の人気だけで競技人口が決まってしまうことがなく(多少は影響はあるものの)、すべての競技などにおいてプラスに作用されると思います。

個人個人の視点から見ても、自分に合ったものを見つけて、そこまでの間に経験した様々なものを生かせるという面では将来的にも可能性を広げてくれることになります。

「小さい頃からサッカー漬けで、でもプロにはなれなかった・・自分には他に何もない」という状況も防ぐこともできます。

得意なことでなくても、好きな事を見つける事にも役立ちます、

将来的な視点の広がりはやはり貴重です。

スポーツはダメだけど、絵を書くことが得意だからと、そちらに進路を向けるなど。

小さい頃の様々な経験は貴重なものだと誰もが思っているにも関わらず、案外選択肢を周りが狭めてしまっていることがあります。

州としてルールがある事で、みんなに広く間口が開かれていて、チャレンジできるということが、人としての豊かさにもつながっています。

注釈

もちろん、バスク州と同じルールにするだけでは同じ結果は得られません。

サッカーでは優秀な選手を見逃さないようにするためのチーム同士の横の連携や、良い選手をレベルの高いチームへ進ませることができる仕組み、上のチームで伸び悩んだ選手を下のチームでやり直しさせて、再度の成長促す可能性を探る方法など、細かい取り組みの結果としてのトップチームへつながっています。

子どもの頃からの運動について まとめ

日本でも小さい頃から種目を限定して詰め込んだり、週6日、7日の練習をさせる事に対しては成長の阻害や人生の幅を狭めるのではないかという観点から、少しずつ否定の声が出始めています。

子供の持つ可能性を最大限にするためにはどんな方法があるのか、それぞれの種目や現場ではどのような育成の為の仕組みがあるべきか、今よりももっともっと議論が活発になって、色々な道が開けているようになったら良いな、と個人的に思います。