栄養士になろう、栄養士として働こうとする方への就職・進路情報

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栄養士

栄養士の進路情報

何かやりたいことがあって、栄養士の学校へ通う(大学・専門)場合は、そこに向かうには最短でどんなルートがあるのかを調べる必要があります。

下手をすると専門学校には求人が来ない職種であったり(自分で探す方法もありますが)、採用に学歴が関連することもあるので、知らないうちに門が閉ざされたりするためです。

こういった情報はあまり出回っていないので、諸先輩方に聞くか、その企業に問い合わせるのが確実になります。

学生にはやってみること自体にハードル高いかもしれませんが・・・

とりあえず栄養士という場合には、どんな就職口があって、そこにいくとどうなるのかを知っておかないと、無駄に転職を繰り返すなんてことにもなりかねないので、事前にどんな就職口があるのかを知っておくのは栄養士の業界でなくても重要です。

大学か、専門学校かで職業選択の幅が変わる

正直大学の方が様々な方向に選択の幅が広がります。

特に商品開発や研究部門は大学に求人を出すことが多く、大学卒であることが条件であったりします。

そして、大学院で更に専門性を高めると、スポーツ分野に特化した栄養士など、自分の武器を更に身につけることができます。

名乗れる肩書きは多いに越したことは無いというのが、最近は実感できます。

僕は大した肩書がないので「今からあの仕事やりたいと思っても無理かなー」ということがあります。

栄養士の主な就職先

栄養士の主な就職先1:委託給食会社

僕も最初は委託給食会社で管理栄養士の資格を取るまで働かせてもらいました。

栄養士とはいえ厨房業務がメインになる事が多いので、調理の腕は良くなります。

今でも切りものに関しては自信があるのは、この時の経験がものを言っています。

厨房への指示についても、実際にやってみせることができるというのは大きなメリットです。

やって見せた時に上手か下手かは、かなり相手への印象が変わるので、技術大切!

委託給食へ就職するメリットは

・全国規模で展開している企業が多いので、様々な挑戦ができる

・偉くなれば厨房を離れる事も可能

・献立作成、発注、調理と、とにかく全部の行程を経験することができる。

こういったところでしょうか

僕の唯一の心残りは

アルゼンチンの富豪の家で毎日食事を作る人を探しているから行ってみないか?

というお誘いを断ってしまったことです。

今が独身で同じお誘いがあれば間違いなく行ってると言い切れます。

アルゼンチンで熱狂的なサッカーファンの方らしく、サッカーの分かる人間ということで、僕が候補の一人になったようですが、社会人2年目の時には急に来た現実味のない話に戸惑ってしまい受けることができませんでした。

それっきり同じような話は社内レベルでもでないそうなので、本当にもったいない事をしたと思います。

人生変わっていただろうな。

一方のデメリットですが、就職先を決める時期に同級生の話に出ていたのが

・異動がある

・休日がカレンダーと異なる(土日休みでない)ことが多い

・職場によって勤務時間が違ったりシフトになったりする

・そもそも栄養士なんだから調理はしたくない

こういったところです。

デメリットとして扱ったものにも、実はそれほど単純ではなく、裏にはメリットがあることも少なくありません。

以下にその点を少し書いていきます。

・異動がある

これをデメリットと考えるのは、一つの会社に落ち着いて働くという終身雇用の時代の名残りだと思います。

転職しなくて仕事環境を変えられるって、実は素晴らしいと思いませんか?

もちろんスキルアップのために違う現場で働く、慣れ(飽き)から刺激が欲しいという前向きな理由もありますが。

この職場は自分に合わない!

人間関係など難しい時代になりましたからね。

そんな時にも転職せずに環境を変えられるというのもメリットです。

僕も今の環境が5年続いていて、仕事のベースは作れたので、次の人に引き継いで、そろそろ新しい所に異動したいと思っています。

※その後異動できました!

ある回数異動すると、社内が顔見知りだらけになるので、仕事がしやすくなったりします。

・休日と勤務時間に関して何が良いかは人による

この辺は就職活動時に自分に合ったところをしっかりと選ぶことが大切です。

僕は土曜出勤がたまにあって、それが午前中で終わる程度ならばOKという線引きです。

スポーツの予定と小学生の子供がいることが主な理由ですね。

・栄養士だから調理はしたくない

これはよく分かります。

僕も最初は調理苦手だったので。

そもそも栄養士がこんなにも調理を求められえる職場だらけとは知らなかった・・(笑)

まだまだ栄養士と調理師の区別が非常に曖昧な業界とも言えます。

正直調理はどうしても嫌だというのであれば、大学・大学院を卒業して、調理のない所を選択するのが良いと思います。

そっちの方が調理に関わらない職種選択の幅が広いです。

ただし、最近はフードコーディネーターなど、ちょっとこじゃれた肩書きの人も大勢いますが、調理できないといけないので、ある程度やっておくことは悪い事ではないと思いますが。

栄養士の勤務先とそれぞれの業務

栄養士の職場1:社員食堂

これは案外土日休みのところがあります。

食数によって大変さはだいぶ違います。

栄養面で気にすることが少ない反面、栄養士としては満たされないかもしれないですね。

お客さんと話す機会がそこそこあるので、個人的には楽しい記憶があります。

栄養士の職場2:病院

栄養指導が堅苦しいのが思い出(笑)

患者にとって厳しいんですよね。

ちなみに栄養指導や、たまに行う病棟のラウンド以外では、提供したものを食べている場面を目にする機会が少ないので、個人的には食べている人の顔が見えないというのはやや物足りなくて、これで僕は相手の顔を見て仕事するのが好きなんだという事を気づかせてもらいました。

朝昼夕の他にも消化器系の場合は間食があったり、シフトも様々で、病院と一言でまとめても、仕事の進め方から何から、それぞれの病院によって大分違います。

栄養士らしい仕事もできる反面、その為には管理栄養士が必須だったり、調理しなくて良いという立場にはなかなかなれなかったりという大変さもあります。

直営の現場で大学病院だと共済年金なので、将来の年金が多くもらえます。

僕はそれを励みにがんばりました。

栄養士の職場3:福祉

老人施設、障害者施設など

僕が現在働いている環境です。

食数と食事形態を何種類実施しているか、栄養ケアマネジメントを行っているかで、仕事の大変さは大分異なります。

うちもそうなのですが、この手の施設は(管理)栄養士が一人で仕事をしている事が多いのが特徴です。

厨房は自前の調理員と栄養士が一緒に調理に当たるか、または委託給食会社にお任せ。

栄養士が複数いないので、愚痴が言いづらかったり、仕事の進め方で困った時に相談できる相手がほとんどいないなどのデメリットが生まれる場合があります。

多職種との連携が必要なので、コミュニケーションが苦手な栄養士はあんまり向いていないかもしれないです。

食事をする人達との距離感が近いのが特徴で、僕はそこが気に入って、長い事この業界で働いています。

1人仕事なので、自分で仕事を処理さえできれば、休みなどの調整が容易であることも特徴です。

栄養士の職場4:研究施設

これももちろんどんな研究をしているかで仕事の大変さは異なります。

内容によってはなかなか帰れなかったり、24時間誰かが詰めていないといけないこともあります。

そしてずーっと同じ内容を研究している訳でもない場合には、内容にとってモチベーションが変わったりすることもあります。

大学卒の方が就職は有利な傾向があります。

栄養士の職場5:スポーツ栄養

これは狭き門という感じですね。

プロスポーツ選手でさえ、いまだに独学で食事をしている人が多いのが実情で、栄養士を置こうと考えてくれるチームがあったとしても、その辺のできるかどうか分からない栄養士を雇うことはないので、肩書きや実績と共に、なんらかのコネクションがないと難しいところです。

どうしても!

という方は、大学や大学院でスポーツ関連も同時に受講しつつ、栄養士という肩書に囚われずに、若いうちから様々なスポーツ系のセミナーやらイベントに参加して、関係者とつながることが大事です。

あとはその学校にいるスポーツ分野の先生や教授を頼る。

こういった、通常の就職活動とプラスした動きをしないと難しいと思います。

最初はボランティアで信頼を得て、という方法もありますが、それだといつまでたっても無給で働かされる・・・なんて可能性もあるので、注意が必要です。

栄養士の職場6:食品(商品)開発

食品開発などは、大手食品会社への就職になることが多いこともあって、専門学校だとそもそも件数、求人数自体が少ないです。

会社によってだいぶやり方が異なり、個人である程度勧めてからコンペっぽく作品を出し合うところもあれば、最初からチームで動く形を採用しているところもあります。

常に新しいものを作るという創造性あふれる仕事がしたいのであればおススメですが、ある程度ルーティンの仕事を望む場合は、大変さに負けてしまう可能性があると思います。

自分の作品が世に出回るという楽しさが最大のウリですね。

栄養士の職場7:その他

最近ちらほらと見かけるのが

独立して、ネットを中心に活動してクライアントを得て、栄養相談・集団でのセミナーを行う型ですね。

これは栄養士の将来像としてはかなり有力だと思います。

栄養指導したい! 調理は嫌!という人にも向いているし。

あるいは調理に自信があるからお料理教室を自主開催する。

などと、自分の得意をウリにすることができるのが最大のメリットです。

ただし、中途半端な知識量ではいけないので、日々勉強を継続できる人が向いていると思います。

僕もやってみたいけれど、クライアントの予定に合わせるという事が今の生活にフィットしないので、子供が大きくなったら考えます。

もちろん売れっ子になれば、こちらの都合に合わせてもらうなんてこともできるのでしょうけれど。

他にもスカイプなど、ネット自体で会員制のサロンやセミナーをしたり。

メールでの栄養相談を受け付けたり。

健康志向が高まり続けている昨今では、栄養士のビジネスチャンスもたくさんあると思います。

良いアイデアが浮かんだ人はこっそり教えて下さい。

栄養士の進路と就職 最期に

職種についてもどこまで広げるか・どこまでまとめて良いのか難しいので、僕の中でのザックリとしたものになっています。

栄養士と一言に言っても、僕が小さい頃の「必要な栄養素を摂取することを伝える栄養士」と、現在の「過不足まで考えての食事摂取を説明できる栄養士」ではだいぶ必要な知識やスキルも異なってきています。

そのため、学校で教わる内容だけでは社会で通用しない、あるいは不足している場合も多く見られるので、今後は栄養士がそれぞれのスキルに応じて、仕事など選ぶようになるかもしれません。

というよりも学校で得られる知識は「必要な栄養素を摂取することを伝える栄養士」のためのカリキュラムがまだまだ残っているので、今の日本の健康ニーズには合わなくなってきています。

自己努力なしには、クライアントの期待には答えられないと考えた方が良いです。

僕もまだまだ勉強しないといけないですね。