シフト勤務の健康リスク
シフトでの勤務は毎日起きる時間が変わるなど、生活に与える影響が多きことから、様々な病気のリスクと考えられています。
この記事では、シフト勤務が健康に与えるリスクを中心に書いていきます。
シフト勤務の人は健康上の留意が必要
交代制で働くシフト勤務、僕は早勤(番)と日勤・遅勤(番)くらいしかある仕事をしたことがありませんが、それでも毎日のリズムが作れずに苦労した記憶があります。
さらに夜勤や宿直もある仕事だと、様々な影響が体に出てきます。
その影響について簡単にまとめていきます。
シフトのリスク1:糖尿病になりやすい
イギリスでは時間固定で働く人と、シフト勤務で働く人の糖尿病のなりやすさについての研究報告として。
9%程度通常お勤務の人よりも糖尿病になりやすいとしていて、更に毎日異なる時間で働くSシフト勤務では42%も高いリスクがあると報告しています。
一方でケンブリッジ大学の研究では、この糖尿病の原因が夜勤などの影響によるものの、食欲増進が理由であり、夜勤と直接結びつける可能性について、食べ過ぎが原因という取り方もできるのではないかというようなニュアンスも書かれています。
実際僕の働いていた職場でも、支援に当たる職員は夜勤がありました。
若い人が多いにもかからず、半分以上の人が「シフト勤務を始める前より太った」状態になっています。
女性はパッと見て分かるほどの方はいませんが、男性はパッと見て分かる人もそれなりにいます。
この理由は実に明確で、夜勤に入る職員にも夕食と朝食は提供されるのですが、太った人は更に自分で夜食を買って出勤してきた人になっています。
この夜食がおにぎり1個くらいの人は太りませんが、大体の人がラーメンやら菓子パンを買いつつ、甘い飲み物とお菓子まで買ってきます・・・
夜の勤務は突発的なアクシデントなどがなければ、そんなに仕事量が多くならない仕事が多いと思います(その変わり何かあった時は非常に大変ですが)、うちも夜勤中にパソコンで記録や書類を作る方が多いのですが、そのお供にお菓子を食べてしまうようです。
しかも、一般的に朝食は寝起きでそんなに多く食べられないものですが、夜勤者は寝ていないので、朝からたくさん食べられます。
最初の頃は良く、「朝食の量が少ない」と職員からクレームが来ましたが、施設としては利用される方のために食事を作っていて、職員の為に作っているわけではないので、残念ながらこの希望は却下させてもらいました。
というか、これ以上食べて太る気なのか・・・
起きている時間が長くなってしまう分、食べる量が増えてしまうという点は大きいようです。
しかも、若い職員は夜勤が終わってからみんなでラーメン食べに行ったり。
バイタリティに溢れています。
シフト勤務のリスク2:体内時計が狂うことでのリスク
人間の体内時計は25時間を1日扱いするようになっています。
これに対し1日は24時間であり、日光を浴びる、強い光を浴びる事で誤差の調整を行います。
夜勤中も部屋の電気は明るいまま、帰る頃には日が高く昇っている。
これでは体内時計も上手く調整できません。
夜勤に固定されている場合は、ある程度適応することができるのですが、日によって勤務時間が変わると、とてもではないですが人間の体は適応できません。
シフト勤務のリスク3:様々な疾病のリスク向上
最初に書いた糖尿病外にも様々な病気の原因としてシフト勤務が含まれます。
脳卒中など冠動脈疾患やガンといった、予後の悪くなりがちな病気のリスクも数倍に跳ね上がります。
認知症にも関連があると疑われてもいます。
ヨーロッパでは、ガンのリスクの中にはっきりと不定期なシフト勤務を入れ込んでいる国もありますし、IARC(国際がん研究機関)でもシフトで仕事に就いていることをリスクが高いものとしています。
鬱なども体内時計が狂うことも関連して発祥・調子を崩すことが示唆されています。
こういった方は夜を徹してテレビやゲームおパソコンをして、日が昇ってから眠るといった昼夜逆転を起こしていることも多く、何らかの関連があるということです。
シフト勤務のリスク4:睡眠不足や睡眠の質の低下も
体内時計の乱れは睡眠の乱れにもつながるので、睡眠不足のような症状もメンタルの崩れに影響します。
そして早い時間の出勤の際にには
「寝坊できない」「速く寝ないと」という緊張感も手伝って睡眠の質が下がりがちです。
シフト勤務でのリスク軽減・予防法
食事のタイミングをしっかり守る
基本的に人間の生活で夕食から朝食までは最も間隔が長くなります。
そのため、夜勤中に食べ物を我慢することで、朝食時に体が「これは朝ごはんだぞ」と理解して体内時計の調整に一役買ってくれます。
無差別に食べ続けてしまうと、食事では生活のリズムを調整できなくなるので、体内時計の回復に時間がかかってしまいます。
少しずつシフトをずらしていく
勤務開始時間の少しずつ変わる程度にします。
10時から勤務の次の日は12時くらい、という様に少しずつ変えていく方が、いきなり18時からの勤務などに変えるよりも体への負担は小さいと考えられています。
とは言っても、シフト作る人の力量にはなってしまうのですが。
シフト勤務と健康についてのまとめ
こういった不規則なシフト勤務の人に支えられて社会は成り立っている訳ですが、健康的な面ではプラスになる要素は残念ながらありません。
特に年齢を重ねるごとに回復も遅れ、悪影響も出やすいので、できれば若いうちに無理をして、少し偉くなったら落ち着いたシフトで働きたいものです。
僕はシフト勤務は苦手でしたが、合う人は、毎日楽しそうに勤務しているので、メンタル面ではプラスの要素もあるかもしれないですね。
せめて楽しく働きたいものです。