健康的な食事とは腹七分目くらいに色々な食材を食べる事
健康志向の高まりと共に、体に良いと言われる食品やサプリメントを積極的に摂取する方も増えてきました、
一方で、健康ではいたいけれど、何を食べたら良いのか分からないという人も多く
僕が自己紹介で栄養士だと名乗ると、大体「何を食べれば健康になりますか?」「何を食べたら痩せますか?」という質問を定番的に受ける事になります。
こういった時は相手もそこまで本気で聞いているわけではないのでしょうが、一言で説明することもできないので、苦笑いでやり過ごしていました。
そんなある日、やはりこういった質問をやり過ごすこと自体に疑問を感じるようになってきて、こういった「健康的な食事に興味が無いわけではないけれど、あんまり難しいことを言われても困る」という方に簡単で分かりやすく、実行も容易な言葉が無いかと考えた結果として、今回のタイトルのように「腹七分目で色々な食材を食べる」という一言にまとめることにしました。
腹七分目の意図
腹八分目という言葉は食べすぎないようにという際に良く用いられます。
では、なぜ敢えて七分目と言うのか?
これは印象の問題ですが、腹八分目というと、ある程度満足な量を食べて、苦しくなる程食べないという感じに捉えられることが多くあります。(経験上の印象)
満腹から気持ち減らしたくらいが腹八分目のイメージとする方が多い。
一方、腹七分目というと、少し物足りないけど我慢するというニュアンスに取ってくれる傾向があります。
こちらの意図する食事量と相手の想像する食事量が一致するのが、このバランスなので敢えて「腹七分目」という表現をしています。
栄養士にとっての腹八分目=一般的な腹七分目 こんなイメージです。
八分目と言うと設定が甘いせいか、いずれ無かったことになってしまうことが多かったです・・・
後、腹八分目というと、どこかで耳にした人も多いので「またそれか」など、聞き流されることも多いですが、「腹七分目」と言う栄養士はあまりいないようで印象に残ってくれるようです。
色々な食材を食べることの意図
近年、これを食べていれば大丈夫という完全栄養食の開発も進んでいます。
ただ、食事というのは健康だけでなく、美味しさや楽しみの部分を満たすものでもあるため、食べすぎや偏食が原因で不健康な人ほどこういったものに頼ることは無いと思います。
では、何をどれだけ食べれば良いのか?
これをきっちり説明するのは大変で、理解する側も大変です。
そのため、「腹七分目の範囲で、色々なものを食べる」というざっくりとした説明にしています。
これは大まかに「最近野菜をあまり食べていないから野菜を食べよう」と分類で考えても良いですし、「最近ニラを食べていないからニラを食べようかな」と、個別の食品で考えてもらっても良いです。
食材にはそれぞれ栄養がありますし、それぞれ含む量などが異なります。
食べるものが偏ると、その食材に含まれる栄養については充足したり過剰になったりし、その食材に十分に含まれない栄養については不足気味になっていきます。
こういったそれぞれの食材の強みと弱みを簡単に解決する方法が、たくさんの食材に手を出すことです。
こうすることでそれぞれの強みを生かしつつ、弱みをカバーすることができるので、栄養のバランスは自然と取りやすくなります。
僕が栄養士になって、勉強すればするほど、「色々なものを食べるべき」という言葉にすれば曖昧な表現にたどり着くようになりました。
昔は「あなたにはこれが足りないから、この食べ物を食べるべきだ!(ドヤ顔)」とか思い描いてしましたが、そんなことは無くて、すべてはバランスの問題でしかないと気が付いたので、最も曖昧な言葉が核心をついているものだという気づきに至りました。
適当なことを言う栄養士こそが実はこういった心理を語っているのです。
これは自己弁護の言葉でもありますが(笑)
まとめ
健康については、健康ブームにあやかって商売しようとする企業や店舗も多く、科学的な根拠の乏しい健康食品などを都合の良い情報とデータを出して売ろうとするジャンルにもなってしまっています。
健康は本来的には自然なもので、こういった不自然なものに頼らずとも得られるはずです。
難しく考えすぎずに、スーパーなどで最近食べていない食材をかごに入れて食べるようにしていきましょう。