血糖と三大栄養素の関係性
先日糖質制限についての研修会があったので、そこから得た情報を元に少し書いていきます。
血糖についての認識 昔と今の違い
アメリカの糖尿病学科では
糖質・たんぱく質・脂質の三大栄養素について
昔(1997年時点)は
糖質は100%血糖へ変わる
たんぱく質は50%血糖に変わる
脂質は10%未満が血糖に変わる
としていました。
それが2004年に削除されて、現在では
たんぱく質と脂質については血糖に直接影響を与えないというように変わりました、
この知識をきちんと更新しているかどうかは大変重要です。
最近会った栄養士と会話が噛み合わなかったのは、古い情報から更新しないままで、勘違いしたままだったのだと、これを聞いて感じました。
血糖について簡単にまとめ
たんぱく質と脂質は食べても血糖が上がらない!
元々たんぱく質や脂質も血糖に影響するという報告はいくつもありましたが、現在ではそれらの結果や家庭について勘違いや間違いなどと結論付けられています。
日本糖尿病学会は糖質制限に否定的
糖尿病食事交換表については2013年に新しいものが出ていますが、これには
血糖値に影響を及ぼす栄養素は主に炭水化物ですが、
脂質とたんぱく質も影響を及ぼします。
脂質は食後しばらくたってから血糖値が上がる原因となります。
1回の食事でとりすぎないようにしましょう。
という記載がありますが、特にエビデンスや参考文献が示されていない状態です。
恐らく糖尿病患者が使用する前提で、安全側にするために、「食べ過ぎに気をつけましょう」くらいの感覚で書かれたのだろうと思いますが、事実とは言えないので難しいところです。
日本糖尿学会は以前より糖質制限に対し否定的なので、たんぱく質や脂質が血糖値に影響を与えないことが糖質制限の推進につながってしまうことから、濁して表現しているのではないかというのが、僕と周囲の推測です。
血糖値が上がらない事のメリット
血糖が上がらない事で糖尿病の方の血糖コントロールが容易になったり、たんぱく質と脂質は満足するくらい食べられるので、食事制限のストレスが少ない点など、糖尿病の方へのメリットが強調され、分かりやすい部分でもあります。
では、糖尿病ではない人についてはどうかというと、血糖値が上がらないと、それを下げる為のインスリンが分泌されないというメリットがあります。
インスリンの働きの中に脂肪の合成があります。
エネルギーとして利用されない分の糖質を体脂肪として貯金することがインスリンの特徴のひとつになります。
そのインスリンの分泌を抑える事は体脂肪の合成を抑えることと同義なので、脂肪を蓄えない=太らないということも特徴の一つです。
糖尿病と血糖値についての注意点
糖尿病で血糖値を上げない事はメリットですが、この時に低血糖には注意する必要があります。
このため、糖尿病の方はしっかりと医師の診断を仰いでからの実施が望ましいのですが、医師によっては糖尿病の方に糖質制限を勧めていないことがあります。
これはもちろん低血糖への警戒感からで、低血糖は意識障害や死に至る場合があるため、重度の糖尿病でない限り、危険度はむしろ低血糖の方が高い為です。
特にインスリンや服薬がある場合には、糖質制限で血糖が上がらないところでインスリンや服薬で血糖値が下がるので、低血糖のリスクは一気に高くなります。
血糖値と糖質制限のまとめ
糖質制限は血糖のコントロールが容易
インスリンを出さないことで、体脂肪の合成を行わないこともできる
一方で糖尿病の人だと、血糖が下がり過ぎることでの低血糖のリスクが高まりやすいので、医師に確認するなど、実施前に十分な確認と準備が必要です。