施設栄養士の業務【厨房機器の購入・修理】
恐らくほとんどの栄養士が新しく厨房を作るところから携わるということはなく、既存の厨房に入っていくことになると思います。
そんな中でも、
・必要な備品が無いので追加で購入する
・既存の器具が壊れるなど不具合を発生しているので修理を行う
こういった業務はイレギュラーに発生します。
こういった場合の仕事の仕方については学校で教わる事ではないので、最初は困ってしまう方も多いと思います。
今回はこういった場合の仕事の仕方などを書いていきます。
この他栄養士業務については
>>>施設栄養士の仕事【①献立作成】の冒頭部分にリンクを貼ってあります。
見積りのもらい方
最近の厨房機器業者さんは厨房機器を見て、以下の内容を確認してくれるサービスを無料で行ってくれているところがあります。
・厨房機器のメーカー、型番
・その器具の購入日
・劣化状態
僕はホシザキさんに3年ごとくらいに実施してもらっています。
これをしておくと、いざ修理が必要、購入が必要になった際に
今使っているメーカー、型番を伝えるだけで厨房機器メーカーさんはそれがどんなものか伝わるので、非常にやり取りがスムーズになります。
修理であれば「メーカー名と型番を伝え、どこがどんな風に不調か」を伝えることで相手がどう対応するのか決める事ができます。
細かい説明が不要になるのでありがたいです。
こういった事前の準備をしておくことが、いざという時に自分を助けてくれます。
買い替えの際にも、今使っているものを伝えて、それと同等品のものをお願いしたり、今よりも大きい物などをお願いしたり、相手は型番を聞けば大きさから機能まで分かるので、楽ちんです。
そうでないと、壊れてから
「メーカー名が何処に書いてあるのか分からない」
「型番は削れてしまって読み取れない」
こういったトラブルに困らされてしまうことがあります。
見積り作成時の注意事項
見積りをもらう際には、きちんと業者さんとコミュニュケーションを取ることも大事です
例えば、冷蔵庫を購入するのであれば、取り付けまでにかかる作業の費用も入れてもらう必要がありますし、今使用している物を破棄するのにかかる費用もあります。
勿論こういった点をあちらから提案してくれることもありますが、基本的にはこちらから伝えられるようにしたいところです。
忘れがちな点として
・運送費用がかかるなら含めてもらう
・税抜か税込かの指定
この2点は毎回指示するようにしましょう。
厨房機器の購入
ここでは厨房機器と括りましたが、食器の購入なども含みます。
どうしても厨房で使用する道具は経年劣化するので、ずっと使い続けるということはできません。
そこで、新規購入と入れ替えるための購入を行う必要があります。
僕の職場では、安価の物であれば施設長判断で購入することができます。
書類も紙に買うものと価格を記入し、押印をもらえば業者に連絡してさっと購入できます。
ところが一定以上の価格になると、業者に見積もりをもらって起案を作成して、偉い人達の合議を得てやっと購入できるという形になります。
冷蔵庫などの高額な機器を購入する際には、そもそも予算立てをしておいて次年度に購入するという計画性も必要になります。
食器も何百枚もの購入となると、高額になります。
個人的には次のように仕事を進めています。
厨房機器の購入1:次年度への予算立て
次年度に向けて購入するべき大きな機器ひとつと食器1~2種類分の見積りを業者に依頼して予算を取っておきます。
予算取りの時期は施設や会社によってことなるので予め確認しておいて、それまでに見積りを用意できるようにしておきましょう。
厨房機器の購入2:見積り作成
注意事項はすでに書いていますが、追加として、相手におススメの商品があるかも聞いてみると、面白いし勉強になります。
思いもしない新機能を持ったものが登場していたり、今使っている物よりも数段便利なものがあったり。
厨房機器は購入後何年も使用することが基本なので、安さも大事ですが、作業が効率よくなるという点と価格を天秤にかけて選びたいところです。
1つの例として
スチームコンベクションオーブンは今後AI化が進んで、食材を入れてスイッチを入れるだけで良いという時代が来そうです。
今は自分たちでスチームの具合から、調理時間まで設定していますが、そういう判断は全て器具自体がしてくれるようになりそうです。
こういった場合に新商品は高いですが、料理のブレが無くなる点を見据えて、どちらを選ぶかという判断をしていくことができます。
相見積作成時の注意点
価格がある一定以上になると相見積を2社以上から取る必要がある場合も出てきます。
相見積は同じ商品について数社からもらい、安い方から買うという方法です。
この場合、見積りをもらう際に「相見積」であることを最初に伝える方が良いです。
この理由として、最初は余力のある見積りを出して、その後最終調整で更に下げるという方法を取っている業者もあるためです。
僕がかつて相見積を取った際、採用されなかった方の業者の方から
「言ってくれればもっと下げられたのに」
と言われたことがあります。
こちらからすると、「そんなの知らないから最初からちゃんとやってよ」と心の中では思いつつ、そういう仕事の仕方をする業者もあるんだな、という学びになりました。
厨房機器の購入3:書類作成
見積りをもらって、各施設や会社ごとに必要な書類を作成します。
僕のところでは
・購入の目的
・内容の詳細
・購入物品とその価格
・購入業者
この辺りを記載しておけば大丈夫という感じです。
大体目的と内容は劣化したか、壊れてしまったのでという点を強調して、それに対して購入するのか修理するのかということを書いていきます。
物品や価格、業者については、見積書を添付した上で記載しておきます。
この書類に対して、偉い人のハンコが揃えば、めでたく購入や修理をすることができます。
納品時対応
冷蔵庫などは作業をしているところを見ておきます。
どこかにキズをつけたりした時にその作業によるものかなど問題になる場合もあるためです。
食器などの納入時には、検品を行います。
指定した商品がきちんと数量正しく入っているかを確認します。
出来れば事務担当の方などと確認できるとトラブルがあった場合にも間違いないです。
施設栄養士の業務、修理や購入まとめ
厨房で何かが壊れた、という場合
修理で良いのか買い替えるのか
こういった判断などは栄養士がする必要はありません。
買い替える際にも、器具をこちらで頭を抱える必要はありません。
厨房機器メーカーの方々はそういった部分のスペシャリストです。
風邪を引いたら医師に診断してもらうように、厨房機器のトラブルは厨房機器メーカーさんをどんどん頼っていきましょう。
最後に最大のポイント
修理の下見など、最初に来る際
出張費が発生する業者と、近くに来た時にパッと無料で寄って行ってくれる業者があります。
ここは事前に確認することで、余計な出費やトラブルを避けられるので、ことあるごとに「それは費用がかかりますか?」と聞く勇気を持つと良いと思います。
僕もこの仕事をしてから随分セコくなりました(笑)
厨房業者などスペシャリストにもっと頼りましょうと言う話は以下の記事にも書いています。
この他栄養士業務については
>>>施設栄養士の仕事【①献立作成】の冒頭部分にリンクを貼ってあります。