花粉に効果のあるとうたう健康茶の被害

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花粉症

ステロイド入り健康茶問題

春と言えば花粉シーズンです。

多くの人が花粉症に悩まされているのを狙いにして

花粉症が良くなる健康茶という売り込みでステロイドの含まれている商品が販売されていたことが国民生活センターの発表(2023年4月)で明らかになりました。

 

それは大阪にある「香塾」という会社が販売していた「ジャム・ティー・ブラック」という健康茶です。

 

花粉症に効果があることをほのめかした商品にステロイドが入っている可能性があるということで調べてみると実際にステロイドであるデキサメタゾンが含まれていることが分かりました。

薬の成分を混入させれば花粉症に効果があるのは当たり前ですね。

購入した方は薬の成分に頼らずに花粉症を改善したかった方だと思うので、詐欺行為のようなものですが。

 

デキサメタゾンは抗炎症作用があり、花粉症の症状であるくしゃみや鼻づまりを解消するということでエリザスという噴霧式の点鼻薬などに含まれていた成分です。(エリザス自体もう見かけませんが)

  

どうしてこのお茶が悪いのか

今回の問題点は薬の成分が含まれているだけではありません。

 

薬にはなんらかの副作用を起こす可能性がありますが、薬ではないと信じて飲んでいる方もいるので(今回は全員)、なんらかの不調が表れても原因が分かりにくいということがあります。

 

実際に今回のデキサメタゾンにはいくつかの副作用が考えられるのですが、それと同様に問題となるのは、このデキサメタゾンは高齢者が服用すると一般的に生理機能が低下することが分かっている事、妊婦や妊娠の可能性がある方は長期・頻回の利用はしないようにしないといけないことがあります。

 

ところが、このお茶を飲んでいる人達はあくまでお茶に含まれる薬ではない成分によって花粉症が和らぐと思っているので、回数を制限した方が良いということを知りません。

 

しかも、デキサメタゾンは急に止めると、リバウンドによる副作用が出ることもあるので、医師の診断に基づいて減らしたり、止めたりすることが望ましいものです。

このお茶を飲んでいた方は止めるだけでなく、早急な通院をするようにと呼びかけられています。

 

花粉症を和らげたい場合には通院に勝る手段がないという事を今回感じさせられました。

 

どうして混入が分かったのか?

独立行政法人である国民生活センターには医師からの事故情報受付窓口というものあり、今回はそこへの情報提供が医師からあったそうです。

 

その内容を簡単に言うと、別疾患で入院中の患者さんの血液検査結果から、何らかのステロイド剤を服薬している形跡があるが、病院ではそのような薬は出していないので、その健康茶を止めてもらったところ、数値が明らかに改善したので、この健康茶にステロイドが含まれる可能性がある、というものでした。

 

そもそもこの商品には日本語での原材料表示がありません。

販売した会社は輸入販売しただけかもしれませんが、中身を確認しないのか、知っていて意図的に知らん顔したのか分かりませんが、こういった商品には手を出さない方が良さそうです。

 

昔「お通じが良くなる」と下剤の入った飲料が売られて問題になったことがありますが、そこからかなりの年月が経過したにも関わらず、こういったやり口は残念ながらなくならないようです。