知的障害者施設では便秘対策も大切

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便秘気味の男性

障害者施設での便秘の理由など

僕は入所の知的障害者施設で栄養士として働いています。

利用している人の多くに共通する課題として

便秘(便秘気味)ということがあります。

 

食事面からのアプローチもしていますが、それだけでは改善できない理由もあり、医師や看護部門との連携なども大切になってきます。

 

便秘の理由

どうして知的障害者施設を利用している方に便秘が多くなってしまうのかというと

  • 運動不足
  • 服薬
  • 偏食

上記の3つが主なものになります。

それぞれについて簡単にまとめていきます。

 

運動不足

身体の障害がなかったとしても、運動習慣のある方はほんの少しです。

 

特に入所の施設に来る方は、通所の施設や在宅での生活に難しさがあっての入所になるので、生活習慣が整っていない、あるいは自分のリズムを崩すことができないというケースが多くなります。

このため、運動を生活の中に落とし込むことは非常に困難です。

 

更に、知的に障害の有る方は「変化が苦手」という傾向もあります。

これは一般的にも言えることで、僕も慣れ親しんだ環境が変わってしまうことは嫌です。

でも、我慢がある程度できます。

知的に障害がある方は変化自体もそうですが、変化を受け入れるという部分に難しさがあると思います。

 

そうなると、運動以外に起こる変化(社会的な変化など)への対応が優先されることが多いので、運動を生活に取り入れる余裕が本人にも対応する職員にもなかったりします。

 

特に施設内では座っている時間が長くなったりすることから体幹、お主に腹筋にあまり負荷がかかりません。

お腹周りの動きが少なくなるので腸の働きが低下してしまうという面もあります。

 

ただ、運動習慣については、障害の有無に関わらず、習慣化が難しいものでもあります。

そこを無理にやってもらう、というのも少し違うのかもしれません。

 

服薬

これが、最も多い理由であり、改善も困難なものです。

知的障害の方の多くはてんかんの薬や抗精神薬を長年に渡って服薬しています。

結果として、薬の副作用、あるいは消化器官の働きが低下してしまうなど、理由は様々ですが便秘傾向になりがちです。

 

特にこれらの薬は血中濃度を一定に保つ必要があるので、毎日服薬を何年、何十年と続けるものですから、便秘はやむなしという印象もあります。

こちらへの対応としてはこれまた服薬、便秘を改善する薬を出されることが多くなります。

飲むだけのもの、それでも何日も出ないのであれば浣腸タイプをしようするなど

便を柔らかくすれば出るのか、など便秘の改善も人それぞれです。

このため、お通じのコントロールは僕働く施設ではかなり重要な項目として、毎日多職種で、確認しています。

 

対応は人それぞれで

Aさんは3日お通じがなければ便を柔らかくして出しやすくする薬を飲んでもらう

Bさんは○日お通じが無ければBという薬を飲む、それでも2日でなければ浣腸実施

こういった感じに、出にくさに対応して医師の指示に基づいて実行されています。

 

偏食

これは今現在これにあたる人がいないためあまり困っていませんが、人によってはすごく偏食だったりするので、野菜をまったく食べない方などは便秘になりやすくなります。

あるいは米が嫌いという場合もごはんから摂取できるはずの食物繊維が取れないので、便秘気味になったりします。

とにもかくにも好き嫌いは無いに越したことはないと言えます。

 

こちらに関しては以前、食事に食物繊維を添加する方法を採用したこともあります。

ごはんを炊く時にお釜に入れるだけで食物繊維が摂取できるもの

汁ものに入れるだけで食物繊維が摂れるもの

これで改善する人も少しだけいましたが、ほとんどの方は改善まで至らなかったので、偏食は便秘の理由のひとつではあっても、他の運動不足や服薬の影響などと合わせて起こるので複合的に行う必要があるのだと思います。

 

まとめ

便秘は僕もなったことがありますが、何とも言えない不快感というかお腹だけでなく、精神的にもすっきりしない状態になるので、イライラというかメンタル的にも不安的になります。

他にもなかなか出ないうちに便が硬くなってしまい、出る時に肛門を傷つけて痔の原因になってしまうということもあります。

他の病気と比べると軽く考えがちですが、しっかりと対応して気分よく過ごしてもらえるようにしていきたいところです。

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