アレルギー情報の取り扱い方
施設利用時にアセスメントを取るのですが、そこでは関係者やご家族からの聞き取りが主な情報源になります。
ですが、僕はアレルギーに関しては口頭でのやり取りは話半分に聞くというスタイルを取っています。
これには理由があるのですが、それを簡単に書いていきます。
いつ出た物なのか
多く聞くのは
「小さい頃に〇〇を食べて発疹ができて、アレルギーだと思うのでそれ以来食べ(させ)ていません」というもの
確かにアレルギー反応だったのかもしれませんが、小さい頃のアレルギーの多くはそれなりに大きくなったり、消化管が成長することによって改善されることも結構な頻度で起こります。
そのため、こういった話が出た際には
「何歳くらいの出来事ですか?」
「その後に病院などで検査したことはありますか?」
この2点を確認します。
かなり小さい頃に起きた出来事だった際には
「今は食べられるようになっている可能性もありますよ、病院で検査を受けてみることをおすすめします」と、話します。
そもそも嫌いなだけ
ちょっと残念ですが、多いケースとして
単純にその食べ物が嫌いなだけ、というもの
アレルギーと話しておけば、嫌いなその食品を他のものに変えてもらえるのではないかという駆け引き
個人的には好き嫌いはあまり献立に反映したくない(個別に変更をあまりしたくない)タイプであり、法人としても「嗜好の対応は行っていません」というスタンスである為、そこになんとかして嫌いなものを避けたいという、苦肉の策だったりもします。
まぁ、こういった場合は少し掘り下げていくと矛盾が出てくるので、しっかりと話を聞けば防止することはそんなに難しくなかったりしますが、それを飛ばしてしまうと後々面倒なことになったりします。
この人はアレルギーではないな、と思ってもそれを断言する証拠があるわけではないので、それを断罪するようなことはしません。
対応は何を根拠に行うか
では、アレルギー対応の根拠は何にするべきでしょうか
これは最初の方にも書きましたが
病院やクリニックなどでのアレルギー検査結果になります。
それを持ってきて欲しいとだけ言うと、トラブルになることもあるので、言い方や方法論については相手の性格などとも相談ではありますが。
本来はここは法人などでルール化しておくのが理想です。
そうすれば、「うちだとそれをしないと対応(食事提供)しないルールになってるんですよ~、厳しいですよね~」とかの軽い感じでやり取りできるからです。
このルールがないと栄養士や施設が悪者にされてしまうこともあります。
(あの栄養士がうるさく言う、とか)
こういった決まりがないのであればないなりに対応をしていくだけではありますが。
実際、アレルギー検査を受けるのが面倒であったり、実はアレルギーではないと家族や本人が自覚している場合などもあり、「検査を受けてきてください」あるいは「検査したことがあれば、結果を持ってきてください」というと嫌な顔されます。
でも対応はしてくれという・・・
学校給食などでアレルギーの方は
- アレルギーの食材を抜くことはできるが代替えはできない
- 自分でお弁当持ってきてください
こういった対応になっていますが、これもここまでの内容からすると仕方ない部分だと感じていただける部分もあるかと思います。
もちろん対応が凄い大変だということもありますが。
食べられる範囲は広い方が良い
アレルギーだから食べられない
これは僕のような食物アレルギーの無い人間からすると、大したことないことのようにも思えてしまいます。
でも、これってその人の人生からその食品が奪われてしまうことを意味しています。
特に卵や小麦に代表される、何かの原材料になる場合は単品ではなく、かなり多くの食べものが食べられないという状況になります。
だからこそ、食べられないと思っていた食品が実は食べられるのだとすれば、その人のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)が高まると言え、そのための検査となれば、少し病院やクリニックに行く手間をかけて欲しいな、と思っています。