「まず自重から」をおすすめしないケース
筋トレを始める際
まずは自重トレーニングで十分
慣れたらウエイトトレーニングへ
という流れで説明をしている筋トレ情報が多くあります。
これらは一般的には問題ないケースが多いというだけで、すべてに当てはまるわけではありません。
自重トレーニングの負荷
自重トレーニングは、ウエイトという重りは使いませんが、代わりに自分の体重を利用して行うトレーニングとなっています。
体重は常に自分で支えているものなので、トレーニングの負荷が少ないように感じてしまいますが、一概にそうとは言えない部分もあります。
例えば、筋トレ初心者が自重トレーニングの代表格とも言える腕立て伏せを行った場合に、簡単に10回できるかというと、できない場合の方が多くなります
。
これには大きく2つの理由があります。
・胸の筋肉を日常生活で使う機会が少ないので、胸の筋力不足
・体重と比べ筋力が小さいので負荷が強すぎる
胸の筋力は日常生活で使う機会が少ない
まず、腕立て伏せで使用する胸の筋肉ですが、現代では日常生活でほとんど使用されることがありません。
胸の筋肉は「何かを押す」時に使いますが、そこまで重たい何かを押すということが少なくなって来ています。
扉も軽くなったり自動になったり。
逆に背中の筋肉は「引く、持ち上げる」という動作に使用し、こちらは日常生活でもそれなりに使うので、胸に比べ背筋は強いという人が多い印象です。
体重と比べ筋力が少ない
上記の理由で胸の筋肉が発達しにくい世の中になっています。
そして自重トレーニングとは最終的に
自分の体重と筋力のバランスによって負荷が変わるので
同じ体重の人でも筋力によって負荷は変わりますし
同じ筋力の人でも体重によって負荷が変わります。
このため、トレーニングを始めたばかりの人にとっては自分の体重でも負荷として強すぎることがそおれなりの頻度で発生します。
重すぎる負荷でのトレーニングはケガの原因になるので、自重トレーニングが辛すぎる場合には軽いウエイト腕立ての変わりのダンベルプレスを5kgのウエイトを使用して行う方が安全で効果的、ということになります。
つまり、初心者だから自重トレーニングというのは間違いです。
自重できちんとトレーニングできるならそれでも良くて、自重ではキツイのであれば軽いウエイトを使用したウエイトトレーニングの方がよほど負荷が小さいトレーニングを行う事ができます。
この辺りがウエイトトレーニングの万能性とも言えます。
筋力よりもバランスが重要
ここまでの内容を見て
自重トレーニングができないのは筋力が少ないからだ・・・と悲観する必要はありません。
大相撲の力士は腕だけで100kgを超える相手を持ち上げたりしますが、懸垂は1回もできないということの方が多いそうです。
すごい筋力があったとしても、体重が多ければ自重トレーニングができないという一つの例になります。
恐らくウエイとトレーニングをすれば凄い重さを上げられる力士が自重では苦戦するのです。
そう考えると自重トレーニングは無理をせず、回数よりもしっかりとしたフォームで行うということを重視して、できなくても気にしないくらいの気楽さでいるのが良いと思います。
自重でも負荷は一定ではない
自重トレーニングは体重を扱うので、負荷が一定しにくいところがあります。
例えば
- 腕立ては腕とつま先だけが地面に接地しているので、上半身にかかる負荷が大きく負荷が高い
- 懸垂は棒などにつかまり、接地していないので、背中にかかる負荷が大きい
- スクワットは地面がしっかり地面についていて、かがむので、体重ほどの負荷はかかっていない
どれだけ自身で体重を支えることになるのかで、負担は変わります。
また日常的に使用されている背筋は筋力はそこそこでも、懸垂が自分の体重のほぼすべてを利用する運動なので1回もできないことも恥じることではありません。
ただ、スクワットについては普段から使っている下半身の筋肉で負荷も腕立てや懸垂より小さいことから、最初でも数回は行いたいところです。
ただ、トレーニングは現状から状態を良くする、筋力をつけることが目的なので、今できないからとあきらめるのではなくて、続けて少しでも改善していくことが大切です。
体重だけに反動(勢いをつけて行う)と負荷が小さくなる
反動を使用すると負荷が小さくなるのはウエイトトレーニングも一緒ですが、体重だと地面から離れる際に勢いをつけると一気に負荷が抜けてしまうので注意が必要です。
回数をこなすことを意識し過ぎると、ついつい勢いがついてしまうので、しっかりとしたフォームを維持しながら続けられるのが一番大事です。(ケガにもつながります)
トレーニング機器がない場合には
自重が難しいなら軽いウエイト、とはいっても軽いダンベルを持ち合わせている人の方が少ないと思います。
そういった場合には
- 腕立てはひざ立ちで行って下半身分の体重の負荷を減らす。
- 懸垂は斜め懸垂にして、足を地面につけて行う。
- スクワットはかがむ深さを浅く(イスに座る程度に)する。
こういった形で道具を使用せずに負荷を調整していくと良いと思います。