食材費の高騰で給食は厳しい状況に
世界的なインフレなどの影響で、物の値段が上がっています。
食材も例に漏れず、どんどんと価格は上がるばかりです。
厨房や施設にもこういった問題は押し寄せてきていて、すでに無視できないところまできています。
価格上昇への対策
給食はそもそも限られた金額と時間、マンパワーなどの条件が過酷な部類に入る分野だと思っています。
そんな中での物価上昇
対策としては、まず同じようなもので安いものを探すことになります。
多いのは産地の違う商品に切り替える方法
ただ、これも一時しのぎに過ぎません。
というのも、みんな同じことを考えているので、どこかの国の冷凍ホウレンソウが安いと分かれば、みんなが飛びついてしまい、あっという間に品薄になってそちらのお値段が上がります。
このイタチごっこが大体一周して終わったのが現在で、もう安いものはなく、その中でどこが許容範囲か、という段階になっています。
大手のファミレスもメニューの値上げを始めています。
こういった合理化した仕入れや、作業を行っている厨房でも限界を迎えているのだから、日々違うメニューを提供している給食はさらに厳しくなるのは当然とも言えます。
給食値上げは壁が高い
では、ファミレスなどを見習って給食業界も価格を上げれば良いと思う方も多いのではないでしょうか?
僕もそう思います。
ただし、給食は安いものというイメージがあります。
さらに、強制というか、他に選択肢のない状況で食べている事も多いので、値上げに対してのネガティブな印象が一般的な飲食店よりもかなり大きいものとなります。
学校給食でイメージしてもらうと分かりやすく、給食費の滞納なんて問題は昔からあって、中には生活費も苦しいから払えないというケースも多いわけです。
さらに、多くの小学校ではお昼は給食に限定されていて、買っていく、お弁当を持っていくというのはアレルギーなどの場合を除いて認められていません。
そういった状況での値上げは飲食店のように「仕方ないよね」では済まないことが多く、反発もある程度出てきます。
給食が干上がると起こる問題点
では、食材費が足りなくなって来るとどんな問題が起こるのでしょうか?
まず、質が下がって量が減ります。
そして、給食以外での食事内容にもよりますが、栄養状態の悪い方が出てきます。
栄養状態の悪い人というのはどんな形で分かるのかというと
- 体重の減少
- 血液検査値の悪化
こういったところで少しずつ現れてきます。
実際、僕のいる施設では少しずつこういった傾向が出てきています。
元々痩せ傾向の人などから影響が出るので、心臓に悪いです。
今は摂取エネルギーを何とか下げないようにあれこれやったり、本部に食材費上げろコールを繰り返していますが、どうも声を上げているだけではダメそうなので、今後は周囲を巻き込んで動いていく予定です。
厨房は食材費が足りなくて献立作成に四苦八苦していますが、それよりも食べる人の健康が害されようとしている状況なのを見て見ぬふりをするというは色々と良くない(僕のストレスも凄い)ので、なんとか食材費の確保を急ごうと思います。
特に、給食の提供される施設に通っているのに栄養失調を出してしまうなんてことはないようにしたいので、僕の仕事の優先度として一番上に来ています。