エネルギー量は体重推移と合わせて見る
僕はつい最近異動がありまして
24時間365日の知的障害者入所施設に来ました(4年ぶり2回目のところ)
期間を開けて来たので、第三者的な視点をまだ持ち合わせていることもあって気になったことがあります。
それは「痩せている人が非常に多いということ」
計算してみたら全体の46%の方がBMI20以下
そのうち痩せ過ぎと評価されるBMI18以下は全体の6%
BMI20はスリムに見えることが多いので、全体的に細い人の多い施設だな、という印象になってしまっていました。
では、前任の栄養士が提供する食事について何もしていなかったのかというともちろんそんなことはなくて、きちんと栄養計算したものがあり、厨房もそれを実践していました。
さらに付け加えると、計算上でた推定エネルギー必要量に安全性を考慮してプラス200㎉された食事が出ていました。
恐らく前任の栄養士は余裕を見た設定になっているので安心で、それでも痩せてしまう人はなにかしら食事以外の原因があるのだろうと考えていたのでしょう。
ただ、僕が実際に感じたのは、食事以外の問題点がない人が多く、考えられるのは摂取エネルギーの不足だろうというものでした。
理論上痩せるはずのない分のエネルギーを摂取しているのに痩せていく
これが一人や二人であれば消化機能の問題など他の原因も疑うのですが、あまりにも数が多いことから、理由としては最もシンプルなものが該当するのだろうというのが僕が之を疑う理由です。
特別な原因ならこんなに多くの人が該当したりしないでしょうし。
理論で武装しすぎてしまうとこういった現実で起こっていることを歪曲して見てしまうことがあるので、分けて考えると良いと思います。
あくまで、様々な指標や数値は基準であって、それが絶対ではありません。
例外はどこにでも溢れています。
実際、基準を満たした内容で実施をした結果として何が起こったか。
そういった部分こそ労力を割くべき部分になります。
あとは実践あるのみも・・・
では、あとは摂取エネルギーを増やすだけ
献立上調整するだけ・・・・というわけにも行きません。
エネルギーを増やすには何かしらをプラスしないといけません。
そして昨今の食材の高騰
体重やエネルギーとにらめっこした後は食材の価格とのにらめっこをすることに・・
では食費を上げてしまえば良い
と、簡単にいかないむず痒さもあります。
物価が上がっている中で、それに乗じてこちらも上げますよ
と、すると
すでに生活に困窮する方などを追い込むことになる可能性もあるためです。
でも、食材費についてはどうにかしないといけない問題なので、本部を説得するために現在ちょこまかと色々動いているところです。
今後の見通し
痩せて不健康な人を見て見ぬふりはいつまでもできないので、最終的にはエネルギーを増やした食事提供を行うのは(僕の中では)確定です。
これを無視して何か合えば法人も困るので動かざるを得なくなるでしょう(すぐにとはいかないかも〉
そうなれば後はトライ&エラーを繰り返してブラッシュアップするだけです。
最初の数値で狙い通りの結果が出れば、それを継続するだけで良くなるかもしれませんが。
とりあえず何が問題かがはっきりすると
どう対応するかの選択がしやすくなるので、問題点と課題の把握が何より大切になります。
今回のケースでは
痩せるのは提供される食事のエネルギーが足りないから
と、問題が分かった時点で解決したも同然です。
ただ、「食費については偉い人が決めるからどうにもならない」など、こういった取り組みはあきらめる理由も見つけやすいものです。
そこで諦めてしまうと問題点の放置がされてしまうので、いずれ大きな問題になってから手を付けるということになります。
大きなキズにならないうちになんとか対処したいものです。