レモン一個分はレモン一個分ではないという話

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レモン

レモン一個分は本当は一個分じゃない

題名が矛盾していますが

良く健康的な食品や飲料の売り文句として利用される「レモン〇個分のビタミンC」について

実際にはレモン一個分のビタミンCと語るには基準が設けられていて、それを満たせばパッケージなどに表示することができます。 

 

レモン一個分の基準

最初は農林水産省がレモン一個分と表示するための基準を設けていました。

その際の基準はビタミンCが20㎎含まれていることでした。

ちなみにこの基準は2008年に撤廃されています。

 

その後は各団体(お菓子や飲料団体)がそれぞれに基準を決めて、そのガイドラインに従いつつレモン一個分のビタミンCという言葉を使用していますが、概ね以前の基準であるビタミンCが20㎎含まれるをそのまま流用しています。

 

レモン一個のビタミンCは?

では実際のレモン一個分にビタミンCはどの程度含まれているかというと

果肉なども合わせると100㎎程度はあります。

20㎎ではありません。

 

なぜ20㎎になるのか?

これは全国清涼飲料連合会のホームページに分かりやすく記載されています。

 

  1. レモン果実1個分の重量は、食品番号表(国民栄養調査を実施する際の摂取量を把握するために 目安量等を掲載したもの)において、全果1個当 たりの目安重量が120gとされている。〔別添:PDF〕
  2. レモンのビタミンC含有量は、日本食品標準成分表 五訂(文部科学省)において、レモン果汁 (全果に対する果汁分30%)100g当たり50mgとされている。
  3. 1及び2から、レモン果実1個あたりのビタミンC量を算定すると、以下のとおりとなる。 120g(レモン1個重量) × 30%(果汁分) × 50mg(V.C) / 100g(果汁) ≒ 20mg 

  全国清涼飲料連合会HPより引用

 

レモンの果肉などを含んでいない果汁だけでの換算ということですね。

つまり、レモン1個分のビタミンCと書いてある商品にはレモン一個分の果汁分のみのビタミンCが含まれているというわけです。

 

これに当てはめると、本物のレモン1個はレモン5個分のビタミンCと記載して良いので、この辺りは買う側が注意しておくと良い知識となります。

 

少し盛っているとも言えますが、ビタミンCにおいてはあまり問題視されることもありません。

これはビタミンCの1日摂取基準量が2020年度版食事摂取基準では100㎎になっていて、20㎎あればかなりの摂取量ということになるためであり、またビタミンCは日本人では欠乏状態になることもほとんどないという背景があります。

 

ぶっちゃけて言ってしまうと過剰に摂取しても汗や尿で排泄されるだけだし、そんなに重要視されていないとも言えます。

 

問題のある広告は他にある

では問題となる広告や売り文句は何があるでしょうか?

 

例えばビタミンCを1000㎎含むと記載されているもの

1日に100㎎で足りるものをそんなに摂取しても何の意味もありません。

すでに書いたように汗や尿として体外に出されてしまうだけです。

 

レタス〇〇個分の食物繊維あるいはシジミ〇〇個分のオルニチンという商品

レタスよりも食物繊維の多い食品あるいはシジミよりもオルニチンを多く含む食品は実はたくさんあります。

でも、それらと比較して小さい数字で〇個分と宣伝してもインパクトがないので、食物繊維が多そうに感じる野菜から上手くレタスを選び出し、またはシジミのみそ汁が二日酔いに良いからシジミと言えば体に良さそうというイメージを抽出して、あえて誤解をしたマーケティングを行う商品も多くあります。

 

しかも、こういった方法は誰もが知っているような大手の食品メーカーも使用しています。

スーパーで見かけたことのあるという方もたくさんいるのではないでしょうか?

 

イメージではなく実際に数値を見ないといけないけれど、一般的にはそんな専門知識を持っている人の方が少ないので、それを良くない方向で利用しているというケースは個人的にはあまり好意的にはみることができないのですが、これだけ溢れていると感覚がマヒしてしまう部分もあります。

 

誠実さを前面に出したメーカーもあるので、そういったところを選びたいものです。