食べ過ぎは運動ではフォローしきれない
食べ過ぎてしまったから後で運動をしよう、あるいは明日は体を多く動かそうなど
摂取し過ぎた分のエネルギーを運動で消費することで辻褄を合わせようというのは昔からよくある話です。
ところが、実際には食べ過ぎた分のエネルギーを運動で消費するというのはかなりの高難易度ミッションであり、多くの場合は本人の満足度とは正反対に体脂肪として貯金されてしまっているというケースが多くあります。
また、これとは別に
今日は凄く運動したから食べ過ぎても大丈夫
というフレーズも良く耳にしますが、上の例と同じく実際には摂取しているエネルギーの方が多くなっていることがほとんどです。
当てはまらないのは習慣的に長時間あるいは高強度の運動を行っている場合で、そういう運動習慣を持っている場合にはむしろ意図的に食べないと体重が落ちてしまうことがありますが、そういった方はそもそも食べ過ぎに悩んだりしていないので、今回の話の対象外となっています。
エネルギーの摂取は簡単
まず、食べる・飲むことでエネルギーを摂取することが簡単だという話から。
ポテトチップスを一袋開ける、食べきらないと湿気るので食べきってしまう。
最近のポテトチップスは一袋60g程度しかありませんが、これだけで330~340㎉を摂取してしまいます。
これはごはん茶碗1杯分のご飯と同様かそれ以上になります(お茶碗の大きさは一定ではないので)
喫茶店に入ってキャラメルフラペチーノを頼むと無脂肪乳でも270㎉程度あります。
このように簡単に食べきる、あるいは飲み切ってしまう何気ないものにもかなりのカロリーが含まれています。
大体食べ過ぎた!と自覚するのはこういった食事外の飲食や飲み会や会食などの席でのことが多い傾向があります。
運動で消費エネルギーを増やすのは難しい
まず最初に
運動で消費するエネルギーは体重などでも異なるので、あくまで目安となります。
過剰に摂取したエネルギーを運動で消費したい・・
目安として100㎉を消費するための運動の目安(体重60㎏)としては
散歩なら30分
ウォーキングなら25分
ランニングなら10分
余分に摂取した300㎉を消費しようと思うと、上記の3倍の時間がかかるわけです。
ポテトチップスを食べるのに使う時間はほんの数分から10分程度だというのに、それを消費しようと思うと、その何倍もの時間体を動かさなければいけないという辛い現実。
もちろんこれが、1回切りだったり、数か月に一度の事ならば我慢して行うことはそんなに難しくないでしょうが、人間そこまで我慢強い人ばかりでもありませんから、それなりの頻度になると継続が困難になります。
運動では痩せないという研究も出てきている
さらに、最近では運動をしてもしなくても消費カロリー自体はそんなに変わらないという進化人類学の研究結果も出始めています。
運動をしないアメリカ人と今でも狩猟を行っている民族との1日の消費エネルギーがあまり変わらなかったというものです。
ただし、これは進化の過程で体がそれぞれの生活に適応しという面があるので、単純な比較としての価値は個人的には少ないと思っていますが。
そうはいっても、運動を過信しない方が良いという一つの情報でもあります。
摂取エネルギーを減らすのがダイエットのコツ
痩せるためには非効率的で続けることが困難な運動よりも
食べたいという欲求を一時的に我慢する方が簡単で効率的です。
ただ、もちろんたまには楽しみとして間食をすることも良いと思います。
結局はバランスの話になるので、間食の回数や量を減らし、運動をするなど自分の体重を維持できるバランスを見つけ出すのが重要です。
運動自体は大事
では、運動自体に価値がないかというと、そんなことはありません。
ただ、運動でダイエットは難しいというだけです。
運動によって筋肉を維持・増加させることは健康を維持・増進することと同義です。
また、高齢化社会では高齢になった際にも筋肉を維持することで生活の質を保つことの重要性がすでに認識されています。
上手にコントロールすれば食事をすること、運動をすることはどちらもストレス発散になります。
ただ、どちらも義務感が強くなりすぎるとストレスの原因になってしまうこともあります。
この辺りもバランスを取りながら、たまには休む、自分を追い詰め過ぎないことなどを念頭において取り組んでいただければと思います。