栄養相談は相手の話をよく聞く事が大事

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相談

栄養相談は相手の話を傾聴することから

先日とある利用者のお母さんが栄養相談に訪れました。

その際に相手の話を聞くことの大切さを感じる場面があったので、その内容などを書いていきます。

 

まず最初に、栄養相談や栄養指導などという名称は様々にありますが、僕はこれらはカウンセリングのようなものと位置付けて考えています。

相談や指導というと、栄養士が正しい知識を一方的に押し売りして、言われた方は守れそうもない無理難題を持ち帰らされる形が昔は横行していたということもあり、受ける側から敬遠されてしまうということもあったからです。

 

特に今回話を聞くことになったお母さんは他の職種では言葉は悪いですが「少し難しい方」という認識をされていたようで、僕も事前に色々言われたので、きちんと説明に数字が必要なところは本人の様々な数値なども用意して備えていました。

ですが結果からいうと、そんな数字は一つも使いませんでした。

そのお母さんからは「また何かあったら相談に来ても良いでしょうか」という言葉も聞かれて、関係性としても上々のものを気付くことができたと思います。

 

※今回のケースでは病状などなかったのですが、病気が関連する場合にも基本的には求めているものなどの確認や進め方は基本的に同じだと思います。

 

相手の話を聞くメリット

では、どうして上手く進めることができたのかというと

やはり相手の話をきちんと聞いたからです。

どうしても専門的な知識があったりすると相手の話を先回りしてしまったり、途中で区切って割り込んでしまったりしがちです。

でも、人ってそれだけで気分も悪くするものです。

そして、相手に気分良く話し切ってもらうと、相手はそれだけでも一定上の満足感を持ってくれます。

更に、こちらの話をきちんと聞いてくれる人だという信頼も得られます。

 

今回は

  1. どうして相談に来たのかの確認
  2. 本人の現状と家での生活状況・食生活で気をかけている点を聞く
  3. それらを踏まえて今後どうしていきましょうか?と尋ねる

僕がやったのはこの3つだけですね。

 

このお母さんが来た理由は最初施設で提供している食事を減らせないかという相談でした。

それ自体は簡単にできるのですが、個人的には根拠などがない状況では食事内容の変更を行わないようにしているので、確認も兼ねて話を聞くという場を設けた形です。

 

食事を減らして欲しいのは体重を減らしたいからだという内容を確認した後にこちらから、「ちなみにご家庭ではどんな点に注意したり工夫していますか?」と聞いてみました。

施設にわざわざ相談に来てくれる方の多くはすでに家庭でもなんらかの努力をしていることが多いからです。

その例に漏れず、そのご家庭でも食事量は少なく、でも見た目や満足感は得られるようにという工夫をしていました。

 

僕は基本的に何かしらの努力をしていれば惜しむことなくそれを賞賛するようにしています。

それが栄養士から見て効果が十分でないと感じることもありますが、家庭で毎日できることをしているというのは凄いことです。

それは素直に言葉に出して賞賛しておくべきだと思っています。

 

家庭での食事内容などを伺うと基本的には無しは脱線していきます。

そういった時に話を本筋に戻すのはNGです!

実は逸れた先にこそ全ての答えがあると僕は思っています。

 

人は話したいことを話します。

つまりこの場合は施設栄養士である僕に知っておいて欲しいこと、伝えたいことがにじみ出ます。

栄養士と話をするとなれば「何を話そうか」と少し考えてくると思いますが、そういった準備されたものではない言葉にこそ真意が込められています。

 

キーワードを探す

今回僕の発した言葉でお母さんが大きな反応を示したのが

「本人食べることは大好きな印象ですよね、好き嫌いなくきれいに食べてくれるので、厨房スタッフ一同いつも喜んでいるんです」

というものでした。

 

「そうなんです、それに気が付いてもらえると嬉しです」と

僕がきちんと本人の事を普段から見て、理解しているという事が伝わったのだと思います。

それ以降は話し合いは和気あいあいとスムーズに運びました。

食事量についても「本人にとって最大の楽しみは食べることだし、体重も横ばいは維持できているので、実は食事量を減らして欲しいと言ったのも、欲を出して痩せるんじゃないか・・・と思ったので、そこまで緊急性があるんじゃないんです」と今のままで良いという判断をご自身でされていきました。

 

この自分(関係者自身)で決めるというのも大事です。

栄養士がアドバイスだと思ってあーでもない、こーでもないと言ってしまうと、どうしても誘導された感が出てしまいます。

栄養士は余計なことを言わないくらいがちょうど良いと思います。

 

ちなみに、このキーワード、やみくもに探したわけではなくて、世間話の中に隠れていたんですよね

本人について理解して欲しいという思いがチラホラと。

この方は昨年うちの施設に移ってきたばかりだったので、もしかすると食事の件はついでで、本人をきちんと見てくれているのか理解してもらえているのかを知りたかったのかもしれません。

 

話を聞くためには心に余裕を

相手の話をきちんと聞く際に重要なのは心と時間に余裕を持つことです。

心に余裕がないと相手の心の声をキャッチできませんし、時間に余裕がないと早く終わらようと世間話を避けてしまいます。

 

すでに書いた通り世間話や雑談こそが重要です。

今回僕がこちらの施設に異動してから初めての栄養相談だったので、多分同席した職員は関係ない話の多さとお母さんがすっきりして帰った様子に驚いたことでしょう。

こういった余計な話を充実させるには時間が必要です。

あと、できれば経験もあると良いです、こういう方も良くいますよなどの例えを出しやすくなるので。

 

余裕と言えば、僕が栄養相談の時に絶対に使わない言葉がいくつかあるので最後にそれを紹介して終わります。

これらは否定の言葉あるいはそれ以降につながる言葉が否定になるものです。

こういった言葉を使う人に自分の本当の気持ちを伝える気になるのか、と思うと僕は使わないようにしようと思っています。

  • ダメ
  • 違う
  • でも
  • だけど

相手の話を聞くという前提に反する言葉とも言えますね。