日本人の平均身長が落ちてきている理由
日本人の平均身長は高度経済成長期や食の欧米化などの影響を受けて高くなっていく一方でした。
その伸びは100年で15㎝というので、すごいものです。
ところが1980年以降に生まれた人達から平均身長が低くなってきているという結果が出ました。
この理由にはいくつか原因が考えられますが、どれも絶対と言い切れるわけではなく、様々な憶測などにもつながっています。
今回は絶対ではないものの、影響の一つと考えられているものを紹介していきます。
低身長化の原因 ①栄養不足
日本人は多くの栄養について充足していますが、たんぱく質とカルシウムという体の成長に重要な栄養素については不足しがちです。
このため、体を成長させる材料が不足してしまい、身長が伸びにくくなっています。
更に問題なのは、低栄養の問題に低所得であることが関連している点です。
収入が少ないので栄養を十分に摂取できない。
特に若い世代でこの傾向が見られるとやはり成長に十分な栄養はとりづらいということになります。
低身長化の原因 ②低体重児の増加
先進国内で最も低体重児(未熟児)と言われる低体重状態で生まれる子供が多くなってます。
これは医療的には先進国であることの裏返しでもあります。
他の国では生存できなかったかもしれない命をつなぐことができる反面、こういった低体重児として生まれるケースになることもあるためです。
このように低体重で生まれた子供の身長が高くなりにくいというのは国内外の研究でも見られるものなので低身長化の原因のひとつと考えることができます。
その他には妊娠時の母体の栄養不足があります。
これは上記内容にも近いものであり、妊娠時に食べる余裕がない場合も含まれます。
また、最近は「妊婦だからたくさん食べるように」という指導をするところはあまりなく、妊婦でも体重管理をするケースがあり、これは母体の健康のためだったはずなのに、神経質になり過ぎてしまう方が出ているという面もあります。
低身長化の原因 ③遺伝
これはそもそも日本人の遺伝子的に高身長化が頭打になったというものです。
ここまで平均身長が伸びたのは最初に挙げた高度経済成長期や食の欧米化など、外的な環境の変化によるもので、そういった外的因子の影響がひと段落した結果と考えられています。
低身長化と言っても急激に進んでいるわけではなく、ほんの少しずつ平均値が落ちている様子からこういった推測が成り立っています。
低身長化の原因 ④過度の運動
運動は適度であれば良い刺激になるので身長を伸ばす方に貢献します。
一方で、特に成長期に過度な運動をすることで体の成長に回すだけのエネルギーと栄養が残らないということが起こります。
更に身長が伸びる時期に無理なウエイトトレーニングなどを行った場合にも身長が伸びる分の栄養が筋肉合成に使われてしまった背が伸びにくくなります。
実際に新体操の女子部門では幼い頃から毎日のように長時間のトレーニングを行っていたことから長らく第一人者というレベルの方が身長が低い状態でした。
最近は科学的にトレーニングを行うところも増えたのでこの状態は改善されつつありますが、このように成長期の栄養と運動はパフォーマンス以外の部分でも重要だという事が分かります。
低身長化の原因 ⑤睡眠時間の減少
栄養と運動の話題が出たなら次は睡眠です。
人の体は寝ている間に作られていきます。
このため睡眠や休養は非常に重要なのですが、近年では若い世代も夜更かしになって来ていて睡眠時間の平均も下がっています。
子供の成長についての専門家は
小学生までは毎日8時間睡眠を推奨しています。
これは成長ホルモンの分泌量と関係しています。
ですが、この睡眠時間を確保できている子は少なくなっています。
これは現代の子どもが忙しくなっていることも影響しています。
- 習い事や勉強時間の増加
- 生活自体が夜型化する
- ゲームや趣味に充てる時間が夜しかない
学校が終わればすぐに習い事、それが終わったら宿題・・・
うちの子供も僕が子供のころに比べると非常に忙しそうにしています。
受験はじめが早まっていたりと時代の流れもあるでしょうが、子供が子供らしさを失わないようにはしたいものです
最後に
ここまで書いた内容はある程度根拠があったり、僕個人が聞いていて納得できるものを挙げていきました。
実際真偽が確かでない、ちょっと怪しい理屈などを付け加えるとキリがないくらい出て来ます。
個人的にはそういった理由が語られるくらい身長の平均が下がってきているという事なのだろうと思いつつも、今回はその手のものはバッサリカットしてみました。
この内容を書いた現在(2022年3月)では男性の平均身長はまだ170㎝あります。
これがどのように変化していくかについては興味深く見守っていこうと思います。