知的障害者が草の芽時に調子を崩す理由
僕は知的障害者福祉施設で栄養士をしていますが、入職時からちょくちょく耳にする言葉に「気の芽時(春、特に3から4月くらい)にみんな調子を崩す」というものがあります。
この調子とは体調も含まれますが、精神的な部分で落ち着かないという方が大きなウエイトを占めています。
単純に気圧の関係や、花粉などの影響もあるとは思いますが、個人的に最も影響が大きいと思うことに
変化の時期だからというものがあります。
学生であればこの時期は学年が変わる、教室やクラスメイトも変わる、更に先生が変わるかもしれない
彼らは毎年こういった大きな変化にこの時期晒されてきています。
その影響でこの時期は大きな変化のタイミングであることを知っているし、知的障害野ある方は僕たち以上にこういった変化に敏感ですし、苦手とする人もすくなくありません。
更に言ってしまえば僕だって、大きな変化は苦手です。
新しい学校や職場に向かう初日は誰だって不安も抱えているでしょう。
つまるところ変化を強要される時期というのは人間誰しも不安が少なからずあって、そういったものに折り合いをつけることが得意なのか苦手なのかという話なのだろうと思っています。
変化させるのは誰?
僕の勤めている法人では異動は3月末に行われ、4月から新体制となります。(例外あり)
これは年度で仕事をすることもありますし、公務員などと足並みをそろえているという面もあります。
つまるところ、木の芽時と言われる時期に彼らに大きな変化を押し付けているのって、僕たちなんですよね・・・
時期のせいにしているけど本当は回りが大きな変化をこの時期に起こしているだけで実際には異動の時期をずらせば、これも変わるのではないかと思います。
そして、これらを時期のせいにして避けている福祉施設を運営する僕ら側にも大きな問題があると思います。
本来であれば変化を小分けにするために異動も分けるなどもできると思います。
ただ、「どちらにしても混乱は起こるのでそれなら年度に一回まとめて行ってしまった方が良いのではないか?」という考えに終始しているのが現状です。
問題解決には?
変化についてどの程度影響を受けるのかは僕たちがそうであるように千差万別です。
だからこそ変化の方法、具合などは施設ごとに違う方法があるはずです。
問題はそのためのトライ&エラーをするだけの勇気と準備ができないことです。
そのため「今までの方法で良いのではないか?」という消極的な選択肢がいつまでも取られています(うちの法人だけかもしれませんが)
違う方法を行えばもちろん新たな問題も出て来ます。
でも、今の方法だって十分問題があるのにそれを季節のせいにしているだけです。
もちろん人事に関することなので一施設だけで判断できないという部分もありますし、異動する側の僕たちの負担増もあるといえばあります。
でも、これまでもこういった「できない理由」を並べてやらずに来たので、なんとかならないものかともがく事はやってみようかと思っています。
福祉業界では
- 他の施設などと比較される機会がほとんどない
- 成果などを数字で見える化しにくい
こういった点から事なかれというか、今やっていることを変える必要性が見つけにくいという事があり、こういった問題についてもなかなか取り組みが進まない傾向があります。
一般的な企業であれば健全な競争もありますが、そういったものも現状あまりありません。
施設が十分にないという点も背景にありますが、こういった点は利用する人の選択肢が狭い、あるいは選ぶことすらできない(空いているところがあれば入るしかない)という不都合さにもつながるので、国レベルでの問題とも言えます。
まとめ
途中からいつも通りに話が脱線してしまいましたが・・・
業界全体として合理的な仕事をする理由があまりなく、なにか不都合があっても
「やり方を変えて今より大変になるよりは良いよね」としてしまっている現状に課題を抱えていて、それが利用する方に不利益になっていても、季節などの影響だと言って見て見ぬフリをしてしまっている現状についての不満を書いた感じになっています。
さらに少し愚痴を言うと、栄養士や厨房には様々な注文をつけてくるんでよね
「あれ出来ないか」「これ出来ないか」
こちらはそれで業務圧迫されることもあるので、本当に必要だと思われるもの以外はまず突っぱねるようにしていますが、若い栄養士の方だと泣く泣くやったり、色んなことをやること自体が良いことだと感じて無理をしてしまうこともあります。
全体の仕事量などのボリュームについてはこういった専門職との兼ね合いも含めて改善の必要があると思います。