サッカーのスプリントにはどんな意味があるのか
今回は運動というよりはスポーツの知識的な部分の話題になります。
サッカーの放送などを見ていると「スプリント」という言葉を良く耳にするようになりました。
なぜ、このスプリントをここまで耳にするようになったのか
どうして世界中でスプリントについて重要視するようになったのか
今回は特にこの辺りに注目しながら話を進めていきます。
スプリントとは?
まず、スプリントとは何かという話から
一般的にスプリントは短距離のことを表します。
しかし、サッカー(日本)では時速24㎞以上で走った回数をスプリント回数として重要視していて、Jリーグのオフィシャルサイトでもランキング形式で表示したりしています。(国や競技でこの基準は異なります)
スプリント回数は身体能力の指標の一つ
現代サッカーでは長い距離をトップスピードで走る機会はほとんどありません。
このため、距離よりも回数を重要視しています。
短い距離を頻繁に一定以上の速度で走るというのは筋肉に疲労も溜まるので、かなり大変なことです。
このため、身体能力的な指標として使いやすいというのが定着した理由の一つになります。
このスプリント、競技を観戦する僕らにとって有用というだけでなく、プロの世界でも重要視されています。
あるヨーロッパのトップクラブは選手獲得の指標としてこのスプリント回数と試合中にスプリントした距離を使用しています。
昔野球(アメリカなのでベースボールの方が良いかも)でマネーゲームという本が出ました(のちに映画化も)
これは様々なデータが数字化される野球において、お金のないチームが今まで他のチームが注目してこなかった数字に着目して、他では声のかからないような選手を集めながら、最終的には優勝を果たすというドキュメンタリーの話です。
サッカー版マネーボールを目指したチームも多くありましたが、野球よりもチームとしての連携が求められ、これは数字化が困難であることから、数字だけでの評価が難しいので、こういった指標に捕らわれ過ぎるのも良くないと考えられていて、なかなか難しい部分でもあります。
そんな中でスプリントの距離や数字は以下の点では少なくても証明になったり、チームへの貢献につながるので、選手獲得の指標として利用しているチームがあります。
- その選手の試合での身体能力の指標になる
- 回数をこなせれば走力としてはチームに貢献できる裏付けになる
- スプリントを繰り返す姿は観客に受け入れられる
テクニックやチーム内での連携は数字化できないし、テクニックがあってもそのチームでは生かせなかったり、サッカーは一筋縄でいかないので、こういった少しでも信頼のある数字を求めるというところでしょう。
そして、がんばってスプリントを繰り返す姿は
戦っているという状況を端的に表現しているので、観客からも走れる選手は受けます。
イングランドプレミアリーグのレスターなどで活躍した岡崎選手もその泥臭さと最後まであきらめずに走り切る姿がファンから好評でした。
このようにスプリントは走力というだけでなく、ひたむきに試合に取り組む姿を表現するという両面において重要になります。
スプリントは回数だけでは語れない
さて、スプリントの回数自体は重要であるものの
その内容についても検討する必要があります。
例えば、試合終盤の誰もが足を止めてしまう時間でもスプリントを繰り返すことができる選手はチームの苦しい時に非常に頼もしい存在です。
このように、回数だけでなくいつまでそれを行うことができるのかなど、チームに求めるスプリントの質を持っているかどうかも大切であり、試合の頭にスプリントを繰り返すものの早々にガス欠になってしまうようであれば、質が伴っていないという事になります。
ただ数字を見るだけでなく、こういった部分にまで注意して試合を見るとさらに楽しめると思います。