ビタミンAは意識しないと意外と摂取しにくい
僕は栄養士という職業柄、献立を作成する機会があるのですが、頭を抱えるのはカルシウムとビタミンAです。
カルシウムは昔から日本人に不足しやすい栄養として知られています。
このため学校給食では毎回牛乳がしっかりと出るわけですが、そのくらい食べ物だけでなんとかするのは難しいという裏返しでもあります。
そんなカルシウムは理解しやすいですが、献立を軽く仮作成していつも悩むのはビタミンAが足りないこともあったりします・・・
野菜はそれなりに取り入れている、だから他のビタミンは十分な量を確保できている。
でも、ビタミンAは意識的に食品を選んでいかないと十分な量になりにくいというのが僕だけかもしれないですが通関している部分です。
今回は給食でも日常生活でも意識しないとビタミンAが不足するかもしれない理由について書いていきたいと思います。
注)ここでのビタミンAはレチノールやカロテン類などすべて含めた感じにざっくり考えていただければと思います。
ビタミンAを多く含む食材は意外と少ない
どうしてビタミンAが不足しがちになるのかというと、たくさん含んでいる食材が意外と少ないからです。
レバーに多いことは知られていますが、レバーだと苦手な人が多いこと、あまり積極的に食べるとビタミンAが多すぎる事での過剰摂取の恐れもあることから、たまに頼るくらいにしたい食材です。
特に給食現場ではレバーは残す人が顕著に多くなる食材でもあるので、それを使って数字上はビタミンAが足りたから安心・・・というわけにはいかないというのが個人的な考えです。(本来は数字上満たせれば良いのでしょうが)
レバー以外にはうなぎにもビタミンAは多く含まれていますが、こちらは価格が高く、家庭でも頻繁に出せるというものではなく、予算に苦しめられる給食ではより使いにくい食材となります。
魚介類の内臓にもビタミンAは多く含まれますが、こちらも頻繁に料理に使うのは難しい点、 価格的に高めであることから食卓に並ぶことは少ない食材だと思います。
他には緑黄色野菜などに多く含まれますが、レバーやうなぎほど多く摂取できるわけではないので、合わせ技でちょこちょこ摂取していく必要があり、毎日緑黄色野菜をそれなりの量摂取するというのは意識すると分かるのですが、非常に難しいです。
更に、緑黄色野菜と言ってもトマトやピーマンにはそこまで多く含まれていなかったりして、使いやすさで言うと人参やブロッコリーに頼るというのは旧給食(僕の)常套手段になります。
毎日人参にブロッコリーというわけにもいかないので、頭の悩ませどころです。
この他には牛乳やバターにも多く含まれるので、そういったもので足りないところを補っていくことも必要ですが、こちらも、グーンと摂取量を増やせるというわけではないので、やはり合わせ技の一環になります。
基本的にビタミンAが多いと言われる食材はここまでに紹介したものになります。
ビタミンB群やCなどは野菜や果物を意識して摂取すれば満たすことはそうそう難しくはないのですが、ビタミンAはそれらと比べるとやはり充足させるのは少し難しいと言えます。
ただ、幸いにも不足によるトラブルが起こるほど欠乏する方は少ないので、あまり神経質になり過ぎて
「ビタミンAをもっと摂取しなくては!」
という思いがストレスにならないくらいにしておきたいところです。