胃下垂に食事制限が必要?
異動してきた施設で
胃下垂なので食事量を減らして欲しい
という注文を受けました。
個人的に胃下垂でのこういった注文は初めてだったので、少し調べてみたので、その内容を簡単にメモしていきます。
胃下垂とは
まず、胃下垂とは何かというと
どこで調べても共通している内容に
胃が通常よりも垂れ下がっている状態というものがあります。
胃の位置が下がるというよりも胃の下の部分がどんどん伸びていく感じで、バリウムを飲めばすぐに分かるものとなっているそうです。
ただ、自覚症状がなければ特に病気扱いはしないという傾向が強く、必要があれば薬を処方するという形となっています。
どんな人がなりやすいのか
胃下垂は 胃を支えるための筋肉や脂肪の少なく、痩せ型で長身の人がなりやすいと言われています。
昔、胃下垂になると痩せるという話が合って、胃下垂の人に「羨ましい」なんていう時代がありましたが、これはまったく順番が逆で、痩せているから胃下垂になってしまった、というのが正しいものとなっています。
それと同じくトラックの運転手などが、車に揺られながら食事をすることで胃下垂になるという話もありましたが、こちらも迷信となっています。
体格以外では
- 暴飲暴食することがある
- 姿勢が悪い
- あまり噛まないで飲み込んでしまう
- 食事時間が不規則
- ストレス
こういったものも胃下垂の原因になるので、姿勢を正して規則正しい生活を心がけることが大切になります。
胃下垂の症状は?
自覚症状がなければ大丈夫とは言いますが、どんな自覚症状が出るかというと
- 膨満感
- 食べるとすぐにお腹いっぱいになる
- 食後に下腹部が膨らむ
- 食後に胃もたれや吐き気がする
- お腹が減りにくい(満腹感が続く)
- 下痢や便秘をしやすい
このように胃や消化に関するものが多くあります。
いくつか該当するものがあって、日常生活で不便があるようなら通院してみるのが良いでしょう。
予防や改善方法
自覚症状があれば通院する、というのは分かるけど、自覚症状はなかったり、疑わしいけど困っていないくらいの場合に何かできることはないでしょうか?
まず、規則正しい生活とストレスの少ない生活を送ることが上記の体格以外で胃下垂になる要因に挙げてある通り重要です。
そして、筋肉と脂肪がつくことで胃を支えることができるので改善すると言われています。
このため、腹筋を鍛える体幹トレーニングなどを取り入れることが推奨されています。
気が付いた点
ここまでのような内容を確認したところで気が付いたのは
食事制限なんて言葉は出てこないということ
もちろん本人が食べ過ぎて気持ち悪くなるなど不快な思いをするのであれば検討の余地はあるでしょうが、痩せが胃下垂の原因である以上は食事を減らすということが根本的な解決にならないことは明確です。
むしろ食事を控えることで筋肉と脂肪がさらに減るので、悪い方向へ行く可能性の方が高いでしょう。
とりあえず、今後行うことは、本人やご家族に胃下垂について説明を行う。
そして、こちらで提供する食事を本人の様子に合わせる
何が何でも減らすという現在の考え方は無くしていこうと思っています。
本人食べることは好きそうですし、恐らく自覚症状もないと思われるので。
まとめ
どうしても胃下垂のように特徴がいくつかあるもの、今回は病気と言って良いのか分かりませんが、そういったものは目についた特徴に引っ張られがちです。
今回であれば
食べた後に気持ち悪くなるなどを意識し過ぎたことが、本人に気持ち悪そうな様子などないのにこういった制限を行ってしまう、それも状態を悪くする可能性もあるやり方で・・・という方向に流れてしまった要因に感じられます。
特に僕は障害者施設で働いているので、ご家族の思いが先回りし過ぎてしまうという経験も少なくありません。
本人の状態・様子、そしてこういった状態への知識をきちんと整えてからこの手の取り組みは行うべきだと再確認する良い機会となりました。