夏場の子供のスポーツについて
夏休みに入ると学校が休みに入る影響で、習い事や部活動として行っているスポーツでは長時間の練習などが行われることがあります。
ただし、近年は夏場の気温は上がる一方で、熱中症などのリスクも高くなっています。
そんな中で、夏場の1~2か月をがっつりと休みにするというチームや団体も少しずつ増えてきています。
今回は夏場のスポーツを休むメリットを中心に書いていこうと思います。
そもそも夏場の活動が多い理由は?
なぜ夏休みはこういったスポーツに充てる時間が長くなるのでしょう?
これは学校が休みに入るからですが
そもそも暑さから学校で勉強するのに向かないから夏休みができたとされています。
そして、普段できない体験をして欲しいという部分もあります。
そんな中で夏場の子供のスポーツについては下記のような疑問点が出てきます。
- 室内の勉強にも向かない時期なのに、外で長時間スポーツ?
- 普段できないのは超長時間であるという点のみ
- 大会もなぜかこの時期に多い
室内で空調がしっかりしているなだまだしも、炎天下で行うスポーツも夏場にかなり長時間行われています。
結果として、熱中症になったり、体調に問題が出ないとしても、プレーのパフォーマンスは落ちたりします。
そんな中でただ長時間運動をさせるというのは非効率的だと感じますが、日本人特有の考え方に
「他の人が休んでいる時にこそ差をつける」というものがあり、そういった部分が今も残っているのだと思います。
受験生にも使われますしね、このワード
でも、他の人がなぜその時期に休むのか、それは休む理由があるからで、それが冒頭の夏休みができた理由になるわけです。
そして、時間があるからと練習がダラダラと続くのもあまりメリットが見当たりません。
根性論の時代ならともかく、現代ではどれだけ科学的な根拠があるのかなども重要視されています。
指導者や預ける親御さんの満足感のために、子供にとってプラスかどうかが二の次にされてしまっているように感じます。
そして夏場に大会が詰め込まれています・・・
夏休みであれば、時間が取れる、学校を休まなくて良いという部分は分かりますが。運動に向かない時期にこういったイベントが凝縮されているというのはアスリートファーストなどの精神にも逆行していますし、疑問でしかありません。
大人は空調の効いた部屋でくつろぎながら真夏の甲子園を見ている
高校球児は別に大人に娯楽を提供するために頑張っているわけではないので、違和感しかない、というのが個人的な感想です。(インターハイなどもそんな感じですね)
これらについてしっかりと考えた上でこの手の問題には取り組む必要があります。
夏にスポーツを休むメリット
スポーツ先進国の中には、夏場の時期にはスポーツクラブであってもしっかり1~2か月休むというところもあります。
そういった国やチームの考え方は
- スポーツに向かない時期には他のものに取り組むことで様々な経験をする
- 成長期にしっかりと休養を取るタイミングを作り体の成長を促す
- 休んでリフレッシュすることで休み明けのモチベーションが高まる
こういった共通点があります。
様々な経験は人生を豊かにしてくれます。
それを大事にする取り組みは日本でも増えてきています。
そして、思い切って夏場休みにしている指導者達が口をそろえて言うフレーズに
「久しぶりに会う子供たちは背が伸びていることが多い」があります。
成長期なら当然と思われるかもしれませんが、もちろんこういった指導を長くしている人たちの基準なので、例年の子供と比較して、というニュアンスがあります。
成長に使う分のエネルギーを運動で使い切ってしまう、消耗してしまうことが抑えられた結果として、それらが成長にきちんと使われ、身長が伸びる傾向があります。
そういった子供たちの成長の可能性を潰してまで夏場にがんばる必要があるのでしょうか?
様々な競技で選手の大型化が進んでいるということもあり、この辺りは最高の余地があるポイントだと思います。
運動をさぼることを恐れるのは大人
長期間そのスポーツから離れたら下手になるじゃないか!
そんなことを言うのは大体大人です。
なぜかというと、子供本人は自分で上達したいと思えば自主練習を始めるからです。
もちろん設備のないとできない種目もありますが、そういった場合には子供からなんらかのアクションが親や周囲にあるでしょう。
何もない場合は、見えないところで何かしているか、それまでの練習などの辟易していて、「ラッキー」とばかりに休んでいるか、状況によって様々に子供なりに対応しているでしょう。
この場合も休むことで得るメリットがあるので、何が良いとか悪いではないという点は注意が必要です。
休みの時期にもがんばっている余所の子を見ると、自分の子供がのんびりしていると周囲の大人が焦ってしまったり、イライラしてしまう傾向があります。
こういった部分にも注意しておきたいところです。
夏場に運動したい場合には
では、子供が夏場でもトレーニングしたいと言ったり、どうしても理由があって運動したいという場合にはどうすれば良いのか
解決策としては
- 夕方以降の時間に行う
- 技術的なトレーニングを行う
このあたりが重要です。
夏場でも、ある時間を過ぎると気温は落ち着いてきますし、直射日光を避けることができます。
走りこむものよりも感覚的なものや技術的な部分に重きを置いたトレーニングをすることで、消耗を抑えることもできます。
個人的な意見ですが、夏場に走りこむメリットは夏場のつらい時期でも走れるようになるという点にあると思っていて、それは夏場に大会があるから必要になってしまう要素です。
夏場の大会さえ無くなれば、もっと体に負担のない時期に走りこむことで、成長とのバランスもとることができます。
もちろんなんとか協会の偉い人たちの手の空く日程であることなども加味されての大会日程なので、簡単に変えられるものではないと思いますが、その辺から変えていかないと今後も夏場の気温上昇は続くでしょうから。最終的にはいつ舵を切るのかという問題になるだけだと思います。
まとめ
いつも通りに最後は愚痴っぽくなりましたが
夏場の激しいトレーニングは消耗が激しく。熱中症やけがのリスクも高まるので、行うにしても時間や内容を吟味して行うことを推奨しますというのが今回の内容でした。
また夏場休むことで、成長期の子供たちは体の成長が促される傾向もあるようなので、積極的に休むのも有効な選択肢として運動に関わる人たちに知ってもらえればと思います。
僕の住んでいる隣の市のサッカーチームで
強いのにHPに大会結果は全く載せていない
遠征に出かけたら、試合や大会以外の経験も積ませる
そんなチームがあります。
そこはすごい人気で、今は入るのにも順番待ちとなっています。
スポーツだけがむしゃらにやらせる、という時代は少しずつ終わりに近づいているのかもしれません。