管理栄養士推薦・監修・おすすめの信ぴょう性
最近はネットで見かける情報、あるいはネット通販の健康食品やサプリメントの広告に
- 管理栄養士推薦
- 管理栄養士監修
- 管理栄養士おすすめ
こういった文字を見かける機会が多くなりました。
で、僕も一応管理栄養士なので、こういった内容を興味本位でのぞくことがあるのですが、「僕はこれおすすめしないな」という物がそれなりの頻度で紛れ込んでいます。
では、どうしてそういったものにも管理栄養士がほにゃららした~という文言がついているのでしょうか?
今回はこのあたりを簡単に書いていきたいと思います。
管理栄養士おすすめの信頼度は?
まず最初にこういった管理栄養士が推薦などをすると書かれたものについての信頼度ですが、はっきり言って「あんまりない」が僕の結論です。
時には管理栄養士の個人名や所属、経歴まで書かれているのに信用しきれないのはどうしてでしょうか?
これはすごく簡単な理由で
管理栄養士にも様々な考え方の人がいるためです。
同じ専門職だからと、誰しも同じ結論に至るわでではありません。
僕の職場はどの業種よりも栄養士間での意見の相違が多く、会議でほぼケンカのようになったことも一度や二度ではありません。
管理栄養士で意見の分かれがちなところでは
- 糖質制限肯定派と否定派
- サプリメントを積極的に使うか、使いたがらないか
- 厚生労働省の基準通りの数字にこだわる人と個別な対応にこだわる人
一例でこんなところで、細かく挙げていけばキリがないです。
なので、ある管理栄養士から見たら良い内容でも、他の管理栄養士から見れば良くないということが起こるのは当然とも言えます。
また、こういった商品を紹介する企業からしても、自分たちの製品に肯定的、あるいは否定的な意見は言わないであろう管理栄養士を探して、仕事の依頼をするわけで、他から見ると「おや?」というものが散見されるのも仕方のないところです。
問題点は?
問題なのは、これ(管理栄養士うんぬん)を見る第三者からはあらゆる管理栄養士が同じ意見を持っているかのように感じられてしまうところです。
実際、あるトクホのお茶系飲料で「管理栄養士の90%(90%以上だったことしか覚えていない・・・)が推奨しています。」とラベルに書いてある商品がありました。
それを見て僕は「自分は少数派の数%か・・・」と思った記憶があります。
でも、そもそも僕はそんなアンケート受けたこともありません。
知人の管理栄養士も誰も受けていませんでした。
つまり、この手の宣伝も
- どんな管理栄養士を対象に
- どんな聞き方をしたのか
- 何人の管理栄養士に聞いたのか
- 何と比較して推奨しているのか
これらの見えない統計には何の意味もないで、数字や管理栄養士という文字に踊らされないのが良いと思います。
実際僕はこの手の高濃度茶カテキンを含むトクホについて、カテキンは普通の緑茶飲料にも含まれているので、高いお金を払うよりも普通の緑茶でそれなりのカテキンを摂取すれば良いと考える方です。
カテキンは鉄の吸収を阻害するので、量や濃度が高いからすべての面で優れているというわけでもありません。
おまけに
ここまで、まともな意見を書いてみました。
最後に、身も蓋もない話を少しして終わりにしたいと思います。
現代は飽食の時代と言われ、食べ物は不足よりも過剰について気を使わなければいけない状態になっています。
そのため、「何を食べるか」と同じくらい「何を食べないか」が重要です。
こうやって専門家の肩書を利用して何とか売ろうとするものは大体、不要であることが多いです。
そして、添加物など気にする方が多い一方で、体に良さそうなカタカナ成分が並ぶと、それがなんとなく自分に良い影響を与えてくれる気がしますが。
本当に体に入れて大丈夫なのかを考えてみても良いと思います。
そして最後に
栄養が不足することで問題の起こる栄養について
不足すると何らかの欠乏症が起こる栄養は、現代人はほぼきちんと摂取出来ています。(鉄の貧血など一部はありますが)
それ以外のものを積極的に摂取するのは、欠乏症により不利益を被ることはないので必須というわけではありません。
色んな情報が溢れていて、ついつい流されてしまいがちですが売る側の言っていることを良く吟味してから、その情報の信ぴょう性について考えてみることを僕はおすすめします。(これも管理栄養士のおすすめになるのかな)