以前にも完全栄養食については書いたことがありますが。
つい先日のニュースで日清食品が今後の事業の柱として「完全栄養食」を考えているというものがありました。
今まで完全栄養食というと、
「これ一つ食べればすべての栄養が摂取できる」という未来食のイメージでしたが、今回日清食品さんが行おうとしているのは、既存の一般的な食事メニューで、まんべんなく栄養を摂取できるようにするという形のもののようでした。
実際報道番組内でも、社員食堂で提供するメニューとしてカレーなどを紹介していて、食べた方も「普通においしいカレーといった感じ」と答えていました。
栄養食というよりは栄養がきちんと摂取できる食事作りという印象です。
恐らく、未来食のような手軽な完全食というコンセプトでないのは、以前日清食品さんが作ったAll-in NOODLESやAll-in PASTAという手軽な完全栄養食品が定着に至らなかったためだと思います。
手軽過ぎて空腹感があるなどの意見も食べた人たちから挙がっていたので、それらを克服するために、通常の食事と完全栄養をマッチングさせたというところではないでしょうか。
栄養価については不明な点も
まだ最初の報道段階なので
完全栄養としているが、どの程度栄養価があるのか、ニーズに答えて内容を変更できるのかなどはどこにも出ていません。
高齢の方や一人暮らしの方には需要がありそうですが、個人的には少しカロリ。ーを調整したダイエット向けのものや、肉体労働の方向けに少し栄養価高めのものなどがあっても面白そうだと思っています。
特にダイエットをする時の栄養計算などを省けるような内容のものができたなら、女性受けもしそうです。
ただ手軽な完全栄養食は、多忙な人や食に興味のない人向けでしたが、そういった食への興味が薄い層向けに作っても、それを購入してくれるかというと、興味がないので手に取ってもらうこと自体が難しいでしょう。
食べることに興味のなる人たちをいかに捕まえるのかがカギになりそうです。
栄養欠乏しにくい世の中
昔、栄養士の仕事は栄養失調を防ぐことでした。
飽食の時代と言われる現在では、ダイエットや生活習慣病の予防など、何かを控えたりする方が主な業務になってきています。
そんな中で完全栄養食は誰をターゲットにし、食べることでどんなメリットを享受できるのかを上手に伝えることが成功のカギになりそうです。
これが栄養不足に困っている人が多い状況であれば、飛ぶように売れる可能性もありますが、そうではない以上、普通の食事を続けることとの差別化が以外に難しいところです。
個人的にはこういう商品は大好きなので、試してみたいし、楽しみにしていますが、日本全体としてニーズはどの程度あるのかは分かりにくく、苦戦も予想されますが、がんばって欲しいです。