献立作成はあまり先の分までやってしまわないのが吉
栄養士の仕事の代表的なものに献立作成があります。
ある程度テンプレートになっている場合もあるので、どんどん先の分まで進めてしまいたくなりますが、思わぬ出来事で後々修正を迫られることもあり、そうなった場合には、パズルの組み立て直しを迫られるので、先取りした仕事がすべてやり直しという悲しい出来事を迎えることもあります・・・・
今回はどんな時に修正が必要になるのか、先取りする際の注意点はあるのかについて書いていきます。
献立の修正を迫られる場合
では早速どんな場合にせっかく作成した献立の修正が必要になるのかを書いていきます。
基本的には何らかのイレギュラーが発生した時となります。
①季節勘のズレ
冷夏、暖冬などの影響で、本来ならその時期に出せば喜ばれる季節感ある料理が合わなくなってしまった場合があります。
梅雨が長引き、気温は低いまま・・・・そんなタイミングで冷やし中華など、暑い夏をイメージした献立を出しても、そんなに喜ばれません。
仕方なく出すという手もありますが、どうせなら後にずらして、喜んでもらえる方が良いでしょう。
こいった気温や季節の変化などを反映させるためにはあまりにも早く先の献立を作成すると不利になります。
ローテーションで献立を回しているという場合でも、月に何回かは季節を反映せた献立を載せるケースが多くなってますので、その部分だけは後で埋めるなどの工夫をしても良いと思います。
②食材の価格変動など
ある食材が天候や世界情勢の影響で高くなり給食には使えない、あるいは一時的なブームで食材自体が手に入らない。
今までにもこういったことは数年に一度くらいの割合で起こってきました。
災害によってある地域の特産品が手に入らなくなったり、テレビでダイエット食材として取り上げられた高野豆腐が市場から消えたり・・・・
冷凍への変更で何とかなう場合もありますが、こういった直近のできごとへの対応もあまりにも早く献立を作成している場合困難になります。
③その他
- 厨房設備の故障などによって新しいものに入れ替えた結果
- 取引する業者が店じまいした
他にもたくさん理由となりそうなものはありますが、今までと同じものが仕入れられなくなったり、同じ調理ができなくなることがあります。
突然の出来事であれば数日は献立変更ということで認めてもらえるでしょうが、一ヶ月も経っておきながら、それを踏まえない献立を提供するというのは問題です。
基本的に予想のできる範囲を超えての献立作成にはリスクが付きまとうということを覚えてきましょう。
先の献立を立てる際に気を付ける事
そうは言っても、ある程度先の見通しを立てて仕事をしたいというのは共通の認識だと思います。
先の見通しのズレがなるべく少なくなうように情報収集をしておくことで、少し予想しやすくすることならできます。
気象庁が春の段階で今年の夏が冷夏か猛暑かを予想したものを公表します。
猛暑なら6月下旬くらいから冷たいものを出しても良いかもしれないですし、冷夏であれば7月下旬まで我慢する方が良いかもしれません。
ただし!
最近は明日の天気など、短期的な予報も難しくなっているようで、案外外れがちです。
過信は禁物。あくまで目安として参考にさせてもらいましょう。
このように生活の中にアンテナを張りながら情報を集めることは大事です。
幸いなことにダイエット食品と紹介された食品がスーパーや市場から消えることはほとんどなくなりました。
これは、あらかじめの準備が良くなったことや、そういった情報に踊らされる消費者が少なくなったということが関係しています。
季節を問わない献立を柱にしつつ、季節感を前面に押し出した献立は様子を見ながら組み入れるというのがちょうど良いと思います。
まとめ
未来のことは誰にも分かりません。
このため、余りにも緻密に献立を作成して、予定が狂うと一から作り直しという悲しい目に会うこともあります。
少し栄養価や食材費、全体のバランスにおいて余裕のあるものを作成しておいて、最後に微調整をするというくらいが先取りする場合の効果的な方法だと言えます。