整形外科と整体(カイロ)・ほねつぎはどう違うのか?
最近はスポーツなどでケガをした場合にも整形外科でなく、整体や接骨院に行く人も多くなっています。
こういった場合にどこに行くかという選択肢は非常に広く
- 整形外科
- 整体
- 接骨院
- ほねつぎ
- カイロプラクティック
これ以外にも鍼やお灸などもあったりと、その選択肢は多岐に渡ります。
基本的には、上記の中では
整形外科でしか法的な根拠となる「診断」はできない、レントゲンが撮影できませんから(スポーツクリニックという名称で行えるところもある)、基本的には整形外科にまずは行くというのが間違いない順序だと思います。
ただ、ある程度ケガすることに慣れてくると
これは骨は折れていない、脱臼でもないなど、整形外科でのみ診察できる症状とは異なるものだと自分で判断する(これが良いことというわけではない)ことが増えるので「このくらいなら整形外科に行かなくても良いか」と自己診断を行ってどこへ行くか選択する事が増えるようです。
資格について
次に知っておきたい特徴として、接骨院(整骨院)、ほねつぎは柔道整復師という資格を持っていなければ名乗る事ができません。
整体とカイロプラクティックについては日本では明確な資格がなく、学ぶ内容についても体系化されていないことから、法的にややグレーである部分があります。
整形外科はもちろん医師免許を持っていないといけないので、この辺りは事前に知っておくと良いと思います。
接骨院・整骨院・ほねつぎでできること
接骨院・整骨院・ほねつぎ(以下接骨院に統一)で保険対象となるのは次の内容です。
「外傷性の骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷(肉離れなど)のうち、急性または亜急性の疾病」
これは整形外科に比べるとかなり狭くなっている上に骨折と脱臼については事前に医師(整形外科)の診断が必要であり、そこで医師より施術の同意があることが前提で施術を行うことができます。
整体との違いは資格と保険のあれこれ、そして接骨院では整体で行う行為を行うことは可能でも整体では接骨院の行う事でできないことがあるという点が大きいと思います。
整体でできること
実は整体は法的な整備が非常に曖昧なまま行われています。
そのため、やれることの方が少ないというのが特徴と言えます。
下記のWikipedia「整体」のページを見てもらうと分かるのですが
「あれはできない」「これはできない」など、やってはいけない項目がずらりと並んでいます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%B4%E4%BD%93
もはや素人の僕から見ると「何ができるのか分からない」レベルです・・・
ちなみにアメリカではカイロプラクティックが体系化されていて、資格取得も容易ではなく、日本のカイロプラクティック(=整体)とは天と地の差となっています。
それでも日本で整体が流行する理由
そんな中でも、日本では整体が流行しています。
中には口コミで効果の広がった「神の手」のような人もいますが、そういった人は一握りで、ほとんどは
- 大して状態が悪くないかもしれないけど行きやすい
- リハビリに通い続けやすい
- 整形外科に行くハードルが高い
こういった手軽に行けるという点になっていると思います。
例えば、僕は膝が痛いので、近々整形外科に行く予定ですが、これはレントゲンを撮る必要があるんだろうな、など、整形外科である必要があるためです。
もし、捻挫がなかなか良くならないな、くらいならもしかしたら他で済ませてしまうかもしれません。
あと、僕の友人で「整形外科に行くと、もっとケガしてすぐに来いと怒られる、他だと怒られない」という内容の話をしている人もいました。
これは整形外科だからというよりは単純にどんな人に診てもらうかというくじ引きのようなものだと思いますが・・こういった内容ももしかしたらあるのかもしれません。
整形外科から他に変える理由
住んでいる場所や事情から整形外科に通いにくいという問題。
例えば、病院が家から遠いので、最初の通院では我慢して整形外科に行ったけれど、次からは家の近くの接骨院にしたい時などは、その旨を整形外科の先生に相談してみるのも良いと思います。
接骨院の項目に書きましたが、医師の診断や施術の同意があると接骨院でもある程度のことは行うことができます。
また、整形外科は西洋医学であり、通い続けても効果が感じられない場合などは藁にも縋るという感じに東洋医学を根拠にしているところを探して行ってみるのも良いかもしれません。
まとめ
僕の勝手な印象ですが、接骨院や整体に行く人の心理には「整形外科に行くほどでもない」など、医療的なランク付けを無意識に行っている部分もあると思っています。
でも、実際には整形外科の診断を聞いて、次からどうするかという感じにするのが恐らく最も安全な選択なのだろうと思います。
レントゲンを撮ると通院費がかかるというのは確かにお財布事情的に考えがちですが、最初にしておいた方が間違いなく良いのは確かです。
でも、人間はどうしてもこういった問題を避けたり先送りにしたくなるんですよね・・・
良く考えて自分の行くところを決めていきましょう。
最後の補足
大学病院などの大きな病院に紹介状なしで直接初診にかかると「保険外併用療養費」というものを取られます(5500円くらい!)
基本的に近所の整形外科から紹介状を書いてもらえば、初診料だけで済むのでこの保健外併用医療費は支払わなくて済むのですが、接骨院などからの紹介状(整体はそもそも紹介状出せない)の場合だと、普通に保険外併用医療費を取られる場合もあります。
こういった出費についても予め調べることで、これなら最初から整形外科に行っておけば・・・ということを防止できるので(そういう意味でも整形外科が最も安全な選択肢でもあります)、何事も調べてから実行することも大事ですね。