料理は愛情とセンス、時々科学

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料理をする人

料理は科学の要素が強く、センスに左右されるものでもある

料理をしているとたまに頭に急に考えが浮かぶことがあります。

それは他愛のない内容がほとんどですが、ごく稀に料理に関する事を思ったりもします。

今回はその中でそこそこ頭に良く浮かぶ3つのことについて書いていきます。

料理は科学

これはあちこちでそれなりに言われているのだろうと思います。

 

煮物や、照り焼きなどで食材に味をしみこませている時には

「浸透圧だな~塩分濃度だな~」などと深く考えずに見守ったり

 

ゼリーを作っている時に表面に泡ができてしまった時にはバーナー等で遠くから泡の部分を温めるだけで泡が割れてきれいになくなるのですが、こういう時には「空気の膨張だったな~」とかすごく浅い考えで深いことを悟った気分になっています。

 

こんな感じで料理は科学で溢れています。

 

味の相乗効果なんかは学校でも習った方が多いのではないでしょうか?

スイカに塩をかけると甘く感じるというアレです。

 

料理を突き詰めていく中で迷子になりそうな時はこういった普段とちょっと違う視点がブレイクスルーのきっかけになったりするので、スランプ気味の時などはこういう世界にどっぷり浸かることがあります。

 

料理は愛情

料理は愛情だ!

これは意外と昔からあるフレーズです。

 

何となく精神論的で「本当?」と思う方も多いと思いますが、これは僕が現場で働く中で重要だと感じる要素の一つです。

 

自分達が作ったものを食べる人が分からない状態で調理をするのと、顔なじみに作るのとではモチベーションなどに違いが出ます。

 

顔なじみだと相手をイメージして好みなどを考慮して作る事になります。

このため、食べる人からするとサービスが向上していることになることもあります。

 

個人的にこういった部分の影響は小さくないと感じているので、僕が厨房に指示を出す際には、「どういう人が食べるのか」などの情報は流せる範囲で流してイメージを作ってもらうようにしています。

 

対面のカウンターであれば、相手の顔も覚えてもらうこともあります。

これは職場によって個人情報の扱い方なども変わるのでやり方については様々になるとは思いますが、何もしないよりは断然良いと思います。

 

僕自身も病院で患者さんの顔を全く見ずにひたすら調理だけを行うという時期を過ごしたことがありますが、なんともやりがいに欠けると感じた経験があります。

 

これは愛情なのか?と言われると思い入れとか、他の言葉の方が近いのかもしれませんが・・・僕の中では愛情という事で

 

料理はセンス

「ここまで愛情って言ってたじゃないか!」という声が聞こえてきそうですが、なんだかんだ言って料理はセンスに左右されるという点については認めざるを得ないと思っています。

 

昔の会社で10年以上調理をしていたにも関わらず、あまり上達しないという先輩がいました。

 

同じ現場のベテランに「君はああなるなよ」と言われたのがかなりのインパクトで、どんな状況で言われたかまで昨日のことのように思い出せます。

 

料理は誰でもそれなりに上達します。

 

ただ、この上達には効率的に調理できるようになるという部分と、味付けの部分が上手くなるという部分があり、それぞれに個人差があるものです。

 

凄い人になると味見を少しするだけで「どの調味料をどれだけ入れれば良いのか」が具体的にイメージできて、再調整をしている様子を見たことがない(しかもおいしい!)という感じです。

 

僕は再調整することがそれなりにあります・・・

これも一つの技術です。

 

味を足した後のイメージがどれだけ具体的にできるのか、そのイメージの完成度の高さがこの部分の能力差なのだと思います。

 

味付けそのものについては、人それぞれの好みがあるものなので、評価の難しい部分ではあります。

 

ただ、味覚がそれぞれなので、いわゆる味音痴の人もいるわけです。

こういった人に他の人の喜ぶ味付けにするように伝えても、自分の思う「おいしい」とかけ離れているので、かなり難しいのだと思います。

 

僕も優れた味覚を持っているわけはありませんが、自分の思う「おいしい」と、それぞれの現場で評価される(好みの)「おいしい」の誤差を埋めていくという感じで調整してそれなりにやっています。

 

例えば

ここではある程度塩を効果的に使用した方が好まれる

ここでは胡椒の味は辛いと感じるようだ

こういった感じです。

 

ただ、本当にセンスのある人はこういった無理矢理合わせるということすら不要なのだろうと思います。

 

自分のおいしいで多くの人を納得させられる、あるいは相手の好みを本能的・感覚的に察することができるので僕のようにごちゃごちゃ考える必要がない

 

センスのある、才能のある人はそういう立ち位置の人であり、これを埋めるというのは簡単な作業ではないことを痛感させられつつ、なんとか這いつくばって頑張っています。

 

まとめ

料理をしている時にふと考える(考えてしまう)ことを書いてみました。

 

料理は切ものを延々と行っている時や、煮物の様子を見ている時など、意外と単純作業になる時間があるので、こういう考えが頭をよぎってしまうんだと思います。(僕だけか)

 

でも、こういう時の一瞬のイメージって実は大事なことだと思えることも多いので大事にしておこうとも思っています。