子どもの頃に清潔にしすぎると花粉症を始めとしたアレルギーになりやすくなる
このところ花粉症は国民病として定着し、子どもでは様々なアレルギーを持つ子が増え、食事なども制限のかかる場面を良く見かけるようになりました。
最近手洗いや消毒が各家庭などでも行われて、公園でも砂場などでは衛生的ではないからと遊ばせない親も増えてきました。
こういった「きれい過ぎる環境」がアレルギーを増やす要因になっているという研究報告が出てきています。
寄生虫を持っている方がアレルギーになりづらい?
きれい過ぎる環境でアレルギーになりやすいと言われる理由として
寄生虫の保虫率と花粉症の発症率が反比例の関係にあると分かった
というものがあります。
これは寄生虫なその他病原菌などに小さい頃から触れることで免疫力が強化される、そしてきれい過ぎる環境では、そういった菌や寄生虫に関わることなく成長するため、免疫機能にトラブルが起こるのではないかと言われています。
花粉症も花粉に対して免疫機能が過剰に反応するため、体外に出そうとくしゃみや鼻水が多く出ます。
こういった免疫システムの強化が必要な時期に行われていたかどうかというのが、きれいな環境で過ごし過ぎたのではないかという現在の考えに至る理由となっています。
今の日本はそもそもきれい
家でも消毒まで行う、不特定多数の人が扱うものには触れない
ここまでやる理由は一体なんでしょう?
例えば
僕の小さい頃は公園もこんなにきれいではなかったし、野良犬野良猫もたくさんいたので、公園の砂場なんて今から思えば菌のオンパレードだったでしょう。
消毒なんてことはなく、手洗いも石鹸すら使わずに怒られるなんて男の子なら当然のような時代でした。
そんな時代では花粉症はそんなになかったし、食物アレルギーを持つ同級生は学年に数名という少なさでした。
それが今ではクラスに食物アレルギーの無い人がいない方がレアケースになりつつあります。
日本は世界的に見ても非常に衛生的な国です。
その中でさらに衛生に気を使う理由はなんでしょう?
恐らくという予想になりますが、
風邪など病気の理由として菌やウイルスの存在が一般的になるほど、それらから身を守ろうとして過剰な防御につながってしまったのではないかと思います。
でも、病気は一度かかると免疫を手に入れることもできます。
菌や免疫機能と上手く付き合っていくという方法を少し見失ってしまったのかな、と思います。
アレルギーは実際に増えた?
これについて、花粉症は実際に増えたと思います。
ただ、食品アレルギーについては本当の意味で増えたのかどうかはまだ分からないというのが個人的な考えです。
実は小さい頃の食物アレルギーには、一定の年齢になった時に消失するものが結構あります。
ですが、今は一般的にもアレルギーの知識が広まったことから、小さい頃にアレルギーのような反応が出ると、それを二度と食べさせないというケースも増えています。
僕はこういった過去にアレルギー反応を示したことがある人には、ある程度成長して(10歳くらい)からアレルギーを専門に診ている病院に行って、検査を受けることを薦めています。
かなりの頻度でアレルギー反応を起こさなくなっていたり、そもそも当時のアレルギー反応と思っていた発疹が別の理由であったことなどから、普通に食べても良いというケースもそれなりにあるためです。
食べられるものに制限が付くかどうかは食生活の幅にも関わってくる問題なので、色んなものが食べられることに越したことは無いと思っています。
やはり最終的には専門家の意見を確認するということは重要です。
このようにアレルギーについて知られるようになった一方で、過剰に心配するようになったので、
「アレルギーかもしれない」
という診断のない思い込みの件数もかなり増えている、そのため、恐らく食物アレルギーも増えていると思いますが、それをきちんと証明する数字は出せないというのが僕の考えです。