【ダイエットの基本】筋肉と脂肪は共に増えて減るもの
ダイエットを始める人の多くは脂肪を減らすことで体重を軽くしたいと考えています。
筋肉は体の輪郭を引き締めて見えるようにしてくれますが、脂肪が多いとたるんで見えてしまうためです。
一方運動をしている人は、筋肉はもっとつけたいけれど、脂肪は不要だと思いながらトレーニングしている方も多くいます。
ここで問題なのは、実は筋肉が増える時には脂肪も増え、脂肪が減る時には筋肉も減るということです。
そうそう都合よくはいかないものです・・・・という内容を少し書いていきます。
筋肉と脂肪は共に減る
ダイエットの方法としては
- 食べる量を減らす
- 運動量を増やす
この片方、あるいは両方を行います。
そして、体がエネルギー不足になる状態を作ることで、体脂肪をエネルギーに変えて生活し、体脂肪の減少と共に体重も減っていくというのが理想です。
ただ、実際には足りないエネルギーを補うために利用されるのは脂肪だけでなく、筋肉を分解して取り出されたたんぱく質(アミノ酸)も利用されます。
こういったたんぱく質と脂質が糖質に変換され(糖新生)エネルギーを生み出します。
この時に都合よく脂肪だけ、あるいは筋肉だけ、と選ぶことはできません。
さらに言うと、ダイエットをする際に真っ先に削られるのはたんぱく質と脂質の多い肉類になるので、これらの補給も十分でなく、不健康なダイエットになってしまう事が多いです。
脂肪は筋肉と共に増える
筋肉をつけるためには
- 負荷の大きい運動を行い
- たんぱく質をはじめとした栄養を十分に摂取する
この両方を行う必要があります。
どれだけ負荷の大きい運動をしても、筋肉の原料となるたんぱく質が十分でなければ筋肉はつきません。
しかもトレーニングで消費カロリーも増えているので、十分なエネルギーの補給には脂肪もある程度摂取しないとエネルギー量を確保できないという問題もあります。
こういった事情もあり、実際に筋肉をつける際には筋肉だけでなく、脂肪も増えていきます。
実際に食べたものが筋肉になったか、脂肪になったかは自覚できる人はいないでしょう。
では、効果的なダイエットの方法は?
ここまでの内容を見て
体脂肪だけ落とせないとなると、健康的に痩せるのは難しいように思えます。
では、実際にどういった方法が取られるかというと
ある程度の負荷をかけた運動を取り入れるというものです。
人間の体は生きていくために必要な機能は優先的に維持します。
このため、ウエイトトレーニングなどを定期的に取り入れることによって「この負荷に耐えられるだけの筋肉は必要だ、残しておかないといけない」と体に思わせることをします。
こうすることで筋肉の量はできる限り減らさずに、体脂肪をメインに消費することができます。
筋肉をつける時は体脂肪も我慢する覚悟を
一方、ウエイトトレーニングなどで筋肉量を増やしたい場合には、体脂肪の増加を恐れて食事を減らしてしまうと、筋肉そのものがつかないという事になるため、トレーニング効果を得られないということになってしまいます。
このため、基本的には筋肉をつける時には体脂肪がある程度増えることを覚悟の上で食べる必要があります。(常識的な範囲で行うことは必要)
そして、ある程度まで体重が増えたところで、ダイエットの方法を参考に、一定以上のウエイトでのトレーニングを継続しながら、なるべく筋肉は減らさずに体脂肪を燃やすようにして削っていきます。
ボディービルダーの方々は増量期・減量期というようにこれらをコントロールして、大会までにコンディションを整えます(基本的に最後は減量して大会を迎える)
筋肉の重要性
ダイエット目的の方で少なくないのは
筋肉でも脂肪でも体重が減れば良いのでは?という考え方です。
体脂肪は体の輪郭がたるんでしまうことはすでに書きましたが、それ以外にも筋肉は重要です。
若いうちはそれほど気にならないものですが
- 階段(段差)を昇る・降りる
- 重い荷物を持つ
- 少し早歩きをする
こういった日常的な動作でも筋肉が動員されています。
筋肉が著しく落ちてしまうと、ある年齢から
- 階段が辛い
- 重いものが持てない
- 早歩きできない
こういった生活上の不都合が出てきます。
さらに、加齢やケガなどで運動量が落ちていくと、こういった筋肉の減少が加速するので寝たきりの原因として筋肉量の減少は今注目されています。
このため、食べる量を減らすだけのダイエットは基本的に筋肉も削ぎ落している行為なので、あまり栄養士はお勧めしません。
運動によって消費するカロリーが少なくても、こういった理由からダイエット時に運動を行うということは非常に重要です。