様々な業種で在宅ワークやテレワークの導入が検討されています。
そういった中で、どういうわけか栄養士業務でテレワークを導入した、あるいは検討したという話はほとんど耳にしません。
でも、実際にはあれば感染症対策として安全に仕事できる環境を維持する事になりますし
家を空けられないという理由での離職も防ぐことができます。
こういったメリットを良く考えずに、新しいことを導入する手間にばかり注目してしまうケースが多いのではないかと思います。
そこで、今回は実際に栄養士の業務はどのあたりまでテレワークで実践できそうかを考えていきます。
テレワーク化の可能な業務
まずは実際にテレワーク化が可能だと思われるところから挙げていきましょう。
テレワーク化の可能な業務 ①献立作成
献立作成は家でも外でもできますね。
実際に僕は出張先で時間が余る(待ち時間が想定される)ことが見込まれる場合には献立を考える作業を持ち出しています。
個人情報なども取り扱わないのでそういった面で安全性も高いです。
献立作成ソフトを使用しているという場合には、そのソフト自体がクラウドであれば家のパソコンなどからアクセスして作成できるので問題ありませんが、職場のパソコンにのみインストールされていて、ネットワークからは遮断されているとソフトを導入している場合にはこの方法が取れません。
ただ、外部からのアクセスが完全にシャットアウトされているものを使用している場合には、それが社内でのネットワークでつながっていた李、他職種と情報のやり取りができる場合には有用ですが、完全に献立作成、帳票類を揃えるだけの機能であれば、この機会に違うものを検討するというのも方法だと思います。
献立を入力するだけ、帳票類を作成するだけであれば、エクセルで自分達でも作れるレベルです。
なぜそのソフトを使用しているのかを一度見直す機会としても丁度良いのかもしれません。
テレワーク化の可能な業務 ②発注
発注業務はメールやファックスも職場以外で送ることが可能ですし、献立作成ソフトの中には機能としてあらかじめ指定した業者にメールなりなんなりで転送する機能が付いている物も増えてきています。
献立を立てたら発注書が勝手にできて、ワンクリックで発注までできる世の中になってきたというのは心強い限りです。
テレワーク化の可能な業務 ③栄養相談
これはすでに対面以外で行う方法も開拓されてきています。
Lineを使用したり、Facebookでのやり取りで行うこともありますし、zoomなどオンライン会議のツールを使用してマンツーマンでの栄養指導も可能です。
メールでも写真などを使用して行うことが可能ですが、最近はもっぱら会議ツールを使用することが増えています。
メールなどの文字では読み取れない感情も実際に喋っている時の表情を見ることで読み取りながら話をすることができます。
今後もこういったお互いに家や外出先でも手軽に栄養相談できるという状況は重宝されていきそうです。
テレワーク化の可能な業務 ④帳簿の管理
これもオンライン上で行う事ができます。
栄養士の雑務の多くは書類作成なので、これらをいかに現場でないところで行えるようにするのかは大切です。
テレワーク化の困難な業務
これは厨房業務全般が該当します。
ただし、僕の今の職場のように、厨房業務を外部委託している場合には、栄養士は完全なテレワークも可能です。
厨房で厨房の気温など、記載してもらう必要はありますが、その他についてはほぼ、栄養士が直接行わなければいけないようなことはありません。
その日の献立について何か伝えておきたいことがあるのであれば、電話でもメールでもそれこそzoomでも伝えることができます。
向こうからの質問も同様に受け付けることができます。
僕は感染症対策の関係で、子どもの保育園が閉まってしまったため、しばらく自宅で仕事をしましたが。特に問題もなくこなせてしまい、職場に毎日出向くことの意義に疑問を感じるくらいになってしまいました(笑)
厨房業務については難しく
「そもそも調理業務は栄養士の領分なのか」という点が栄養士によっても、職場によっても異なります。
厨房はあっても緊急時には外注の食事(お弁当の注文など)で良いのではないかなどもそれぞれの判断に委ねられるところでもあるため、テレワークが日常的にならない場合でも、緊急時のテレワーク対応時のルールを決めておくと、こういった職場でもトラブル防止になると思います。
テレワーク導入の足かせ
では、栄養士業務はある程度テレワークに向いていそうなのに、ほとんど導入されないのはどういう理由からでしょうか?
これは単純に以下の2点が理由になると思います。
- ルールなど作成が手間
- 初期投資がある程度かかる
こういった最初の一歩の困難さにあると思います。
実際に動かしてしまえば色々と楽になるのだろうけれど、軌道に乗るまでは日ごろの業務にプラスアルファで取り組む内容が増えてしまう・・・
初期投資にしても、導入を見送ればかからない費用になるので、将来的な雇用のどうこうや、今後来るかどうか不明瞭なテレワーク必須の環境到来に備えるにはある程度まとまったお金を投資することに二の足を踏むというところでしょう。
そして何よりも、案外変化を嫌う人は多い・・・
今までのやり方で良いじゃないか! という人がある程度の地位にいる会社ではこういった話は進まないでしょう。
この取り組みの速さがその企業の頭の柔らかさの一つの基準と言えそうです。