栄養士で行う会議の注意点
栄養士が会議に出る機会というのはどのような職種であってもそれなりにあるものです。
その中には多くの課題が主催する側にも出席する側にもあるものです。
今回はどんな課題がありそうか、それに対してどんな手法を試してみるかなど実践したもの、今後実践しようと思っているものを含めて書いていきます。
栄養士が会議に出る際に意識するべきこと
- 参加する側としてひとつの議題につき1回は意見を出す。
- 仕切る側は全員の意見が場に出揃うようにする
まずはそれぞれ話し合う内容について、全員が意見を出します。
これを行う理由として
- 会議に参加してもだんまりな栄養士が多い事
- それぞれ他の人の考えつかない意見を持っている可能性があること
- すべての意見について議論してこそ、本当に意味のある結論が出ること
これが表立っての理由となります。
実際に会議で一言も発さない人はいますが、これだと「誰が参加しても一緒」という状態であって、自分で自分の価値を下げているということになります。
参加している人が発言することによって、その人が参加した意義が本人にも会議自体にも生まれます。
特に最近は多様化が進んでおり、どんなお題目においても「間違いない正解」は無い状態になっています。
それぞれがそれぞれの視点から思ったことを発言することで、結論を良いものにする可能性が大きくなります。
ちなみに個人の発言を促す裏側の理由としては
・後々自分はその議論に参加していないと責任逃れをさせないため
実のところ、僕は最初これに悩まされました。
会議ではだんまりで発言をしないのに、あとで「実は不満な結論だった」と施設に持ち帰っての報告の場で平気で話し)ているなど、あまりに無責任な行動が多く見られ・・・(こういうのは案外誰かの耳に入るものです)
それからは議論の結果について、「他に意見が無いようであれば全員の同意が得られたという認識で良いですね?」と念を押して確認するようになってしまいました。
本当に自分の意見が無さそうな人がいる場合にも
誰かの意見に同意であることや、今回の議論の結論を尊重する旨の発言を引き出すように今では気を付けています。
本当に何も意見がないなんてことは稀ですし、参加する人も意見がないでは困ります。
発言することこそがチームワーク
少し前までは余計な意見を言って波風を立てないことがチームワークだとして、美談のように考えられる時代もありました。
それが今では、上記のように、多様化する社会に合わせて、様々な意見を出し合った上でそれぞれについて議論を尽くすことが重要な時代になりました。
意見を出すことこそがチームワークであり、黙っている人は会議や会社に貢献していないというようにすっかりと変わってきました。
ますはこの点について理解してもらえるように気を付けて現在は少しずつ意見を出してもらえるようにしています。
意見を出せない理由
では、どうして黙ったまま会議をやり過ごそうという人が出てしまうのでしょうか?
これは古い時代の遺産であり
- 余計なことを言うと口うるさいと思われるのではないかという思い込み
- 何を言っても結局声の大きい人の意見が取るので言うだけ無駄というあきらめ
- 議論についていけていない
こういった辺りの問題になっていきます。
うちもこういった流れを見事に持っていて、今でも雰囲気に引きずられている面は否定できません。
ここから先は会議に出る人の共通理解を高めたり。議論を取り仕切る人の技量も必要になってきます。
発言しやすい環境づくり
会議参加時は発言が大事だと言っても、今まで静かにしていた人に急に喋るように促しても、それは無理な話です。
特に大勢の前で話すことが苦手という人もいますから(栄養士の仕事上いつか克服してもらいたいですが)、急にみんなの前で一人ずつ指名して発言させる方法を行っても何となくしっくりこないものです。
そこで、僕が現在取り組んでいるのは2つの方法です。
- 意見を求める項目を紙やデータで配り、それを返してもらう方法
- 少人数のグループに分けて話し合いをしてもらう方法
まずは、個人単位や小さなグループ内で意見交換の下地をつくるというやり方になります。
1のメリットとしては、会議より前(理想は会議前ですが、場合によっては会議時もあり)各自で意見を僕に出してもらい、それを集約し、「このお題についてはこのような意見が出ています」と特に誰からの意見とは言わずに、その意見を羅列して会議時に検討していきます。
個人的には残念に感じるところもありますが、匿名だと意見を引き出すのが楽です。
ちなみに提出時には名前を書いてもうことで、僕は誰がどのような意見を持っているか、その議論についての理解度はどれくらいかを把握した上で行います。
本当の無記名だとインターネットの書き込みのように無責任になってしまいますし。
メリットとしては意見を出しやすいし、周りに影響されずに自分の意見を出せる点があります。
デメリットとしては、これを繰り返すだけでは自分の意見を出せるようにはならない点があります。
あくまで自分の意見を出すことの重要性、意見の多様性をみんなで理解するための最初の一歩という感じで使うのが効果的だと思います。は小グループで話し合って、それを後でグループごとに発表してもらうというものです。
2の方法はセミナーなどに参加した経験がある方はこの手法を体験したことがあるのではないでしょうか?
ああいったものは意見を出してもらうことで場が温まるし、雰囲気も変わるので、意見を出しやすい形式をとるのは当然ですが、そのくらい昔から使われている方法でもあるという感じです。
メリットは大勢に前では意見が言えない人も意見が出しやすいことがあります。
デメリットはそれぞれのグループを仕切る人が、全体の意見をきちんと拾える人でない場合には外部からのサポートが必要になること
小グループとは言っても、声の大きい人に右に習えになる可能性があるので。話し合いは完全に任せずに、全体を見渡すフォロー役を置く必要はあります。
以前僕の職場でグループを2つに分けて、同じ内容の議論を別の日に行ったことがありますが、サポート環境などが整っていなくて、どちらの意見も中途半端になって終わってしまったことがあります。
この時はフォローの甘さもさることながら、別の日に行うという分け方があまりにグループ間を断絶し過ぎていて
「このグループ分けに実は何か意味があるのではないか?」
「別の日にやるくらい意見に隔たりがあるのでは?」
と、疑心暗鬼になることもありました。
意図的にグループを区切るよりも自然に「この部屋のこっち側に座っている人とあっち側に座っている人」など、偶然(実は意図的であったとしても)そのグループができたという形が良いです。
話し合う時のルール
これは次から導入予定で個人的に考えている事なのですが、一個だけ「NGワード」を設けるという進め方を検討しています。
その「NGワード」はずばり!「ダメ」です。
相手の意見を否定するワードの代表ですね。
相手の意見についての否定自体をNGにしてしまうと、反論がまったくできなくなってしまうので、意見を出しやすくするためのルールで意見がでなくなる可能性の方が高いです。
このため、「ダメ」というフレーズのみをNGにしようと思っています。
「ダメ」の一言で切り捨てるのではなく、なぜダメなのかを議論して欲しいので。
そして、うちの会議で一番声の大きい人の口癖が「ダメ」だからというものもあったりします(笑)
声の大きい人には少し意見を控えてもらえるのではないでしょうか?
本人の議論のレベルアップの為にもなりますし、これはきっと愛のムチです(濁った目)
まとめ
会議では各自が意見を出すことが今後のオーソドックスになります。
ただ、ある程度の年齢以上では、「会議をかき回してしまうのではないか」と控えてしまうので、そういった人からも意見を出す、あるいは出してもらうことが大切です。
そのための雰囲気づくりも大事ですが、組織として、会議というものをそもそもどのように捉えているのか、これを上から出してもらうことも大切かもしれません。
その後ろ盾があれば、会議を進行する側も楽ですし。
使えるものはなんでも使って意義のある会議を行いましょう。