栄養士は診断を行わない それぞれの専門性を考える

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栄養士の専門性

栄養士は病気の診断を行わない

栄養士は病院で勤務することはありますが、病気の診断は業務範囲外です。

病気について診断するのは医師の仕事であるためです。

 

ところが、変に病気の知識が資格取得のカリキュラムに入ってきているため、勝手に診断してしまいがちです。

 

こういった住み分けをしっかり行っておかないと業種間の連携などで思わぬトラブルの原因となります。

 

今回はありがちな例と、僕の知っている実際起こった件などについて書いていきます。

 

栄養士の専門性とは

まず最初に栄養士の専門性について考えていきます。

 

栄養士の専門性は食べ物と栄養についての分野になります。

ここに健康との兼ね合いがでてきます。

 

職場としては、給食、社員食堂、病院、福祉、商品開発などなどあります。

このため、実は栄養士の専門性の発揮のされ方や業務胃の範囲は業界よって大きく異なる部分もあります。

 

ただし、そんな中でも、「それはやらない方が良い」というものがいくつかあります。

 

栄養士が診断をしない理由

上記にも書いてある通り、栄養士は病気の診断を行いません。

 

ですが、栄養士の資格を取るまでのカリキュラムの中に病理学などが入っているので、変に診断をしてしまいそうになります。

例えば、健診結果で血糖値が高めの人がいると

「糖尿病だ、エネルギーへ減らした方が良い」と言いそうになったりもします。

 

ですが、この診断については完全に医師の分野です。

 

栄養士は医師が診断した結果を踏まえて、それに沿った指導などを行うことができます。

 

簡単に言ってしまうと栄養士が診断をつけることは越権行為であり、他職種の専門性を奪ってしまう行為です。

 

先の糖尿病と思われるケースで、医師の診断なしに栄養士の判断で食事制限を行った際、何かトラブルがあればその責任は誰が取るでしょう?

ここをしっかりと理解しておくことが大切です。

きちんと医師の診断を受けてそれに沿うということは必要な行為であると共に、不要なトラブルを防止するために必須であると言えます。

 

このため、健診結果で血糖値が高い人はいたのであれば、「糖尿病などの疑いがあるので通院を促す」が正解というか、本来の流れになります。

 

でも、これを疎かにしている栄養士が意外と多いように感じます。

 

栄養士は病名をつけたりはしない、ということはしっかりと守ることが重要です。

 

衛生面での責任を負う栄養士

栄養士は食品衛生責任者を講習無しで行うことができます。

 

自覚はないかもしれませんが、多くの栄養士はその施設などの食品衛生責任者になっている可能性が高いので確認しておくと良いと思います。 

 

提供する食事、扱う食材についての衛生は非常に気を使いますが、それ以外のところでも、注意が必要です。

 

実際あった話として

栄養士が施設の介護職員が足りないからと自主的にトイレ介助の仕事を手伝っていた」というものがあります。

 

衛生を仕事にしている人がそこに手を付けてはいけないと言えますが、本人は善意で行っていたようです。

 

その後異動になって、そういった介助の必要のない施設の勤務にされていました。

 

この件は栄養士が介助職員の仕事であるものに手を出したことが原因となっています。

自分の専門性を理解していれば防げていたのかな、と思う一件です。

 

食事介助も基本的に範疇外

食事介助についても、栄養士は基本的に行うことになっていない病院や施設がほとんどです。

 

介助を行う職員には必要な手当てなどが支給されていることを多いです。

ですが、手当のつかない栄養士がこの介助を行ってしまった結果として、施設として様々なトラブルと抱えてしまったということがあります。

起ったトラブルとしては

栄養士が手当てなしで行うことで、この手当が不要なのではないかという議論

食べる方本人の日中の様子を把握していない栄養士が介助することでのリスク

この2点が主になっています。

栄養士が他の職種の人が手当てをもらって行っている業務を、ノーギャラでやってしまう・・・、そんな気軽にできることなら手当要らないのではないかと上層部に邪推されてしまう・・・これが一点目、手当をもらって業務をしていた署員からすれば余計なお世話以外の何物でもないでしょう。

 

また、本人の食事場面以外に関わることが(他の職種より)少ない栄養士が、その日の体調や様子を踏まえた配慮事項などをすべて理解することは困難です。

支援する側の都合を知らないままに食事介助をすることが安全面で不要なリスクを背負うことになったり、支援として狙いのある点(本人にできることは行ってもらう)などを無視する行動にもつながりやすいので、他職種からのヘイトを非常に貯めやすくなってしまいます。

 

専門職とはオールラウンダーでもゼネラリストでもありませんから、自分の立場を踏まえるということは非常に大切だと言えます。

 

まとめ

実際にこれらの問題は、真面目な人ほど起こしやすい面があります。

それは、本来業務の範囲外のことにまで手を出すという行為からも推測できます。

 

このため、あらかじめ業務内容については職場全体でイメージの共有を行うなどをして、業務範囲の確認、そこに手を出してほしくないかそれぞれの立場から意見交換などをしておくと良いと思います。