どれだけ食べても痩せているのは消化吸収能力の差によるもの
最近はスポーツと栄養の関連について理解が深まってきています。
・運動後の回復を促す
・筋肉をつける
・これらによってパフォーマンスを向上させる
こういった目的のために運動後なるべく早いタイミングでの栄養摂取や、1日の食事量を増やすことなどを試みるようになっています。
ただ、こういった部分には個人差が出てきます。
今回は食事を変えても体に変化が現れないという状況について書いていきます。
食べても大きくならない理由
では、同じように食事を摂取しても、体が大きくなる人とならない人では、どんなところに違いがあると考えられるでしょうか?
いくつか簡単に説明していきます。
消化吸収能力の個人差は大きい
食べても太らない
これは女性からすれば羨ましいセリフですが、運動を行う人、その中でもパワーアップを課題としている人にとっては深刻な問題になることもあります。
食べたものがどれだけ栄養として利用されるのかは消化吸収機能の差によって大きく異なります。
スポーツで有名な学校で同じ寮で生活し、食事もほぼ同じ内容のものを摂取しているというケースでも体格には大きな差ができるので、この辺りは分かりやすい部分です。
消化吸収機能は個人差もありますが、体調とも関連があります。
疲労がたまっている時には消化器官を含む体内の器官も疲労していることが多くあります。
こういった場合には胃もたれしやすくなったり、胸焼けしたりと、いつもと同じような食事をしていても違和感を持つことがあります。
これを防止するためにはオーバートレーニングにならないように気を付けること、睡眠を長めにとってしっかりと疲労を抜くことが大切になります。
体の成長具合の影響
特に成長期前後の学生年代において、この成長具合は大きな差になります。
例えば、小学生のうちから180㎝になった人と140㎝くらいの同級生で180㎝の人の方が体は大きくなりやすいです。
実際成長の早い人は慎重を伸ばす方向へ使う栄養が減るので、筋肉などを大きくしやすい状況になりますし、体の成長が早い分、消化吸収能力も高くなる傾向があります。
一方、成長期を迎えるのが遅い場合には、身長を伸ばす方向に栄養を必要とするため、筋肉などへ影響は出にくく、また、消化吸収能力も未熟なため、十分とは言えない傾向があります。
こういった条件から、重たいウエイトを使用しても筋トレを始めるのは、身長が止まってからにするべきだということになっています。
効率的でないという面と、骨や関節なども十分に成長してからでないと安全ではない、成長へ悪影響が出るという側面もあります。
このため、身長が伸びる前の子どもであれば、無理に食事量を増やすことが消化器官に負担をかけているだけになってしまうこともあります。
プロ野球選手の清宮選手がどんぶりごはんを食べて体を大きくしたという話が出回ってからは、高校の野球部で同じような食事を奨励する流れができました。
でも、清宮選手は小学生のころから180㎝と規格外の体格をしていたので、多く食べること、トレーニングを十分に積むことが早い段階から良い方向に出ていました。
これを他の子どもに当てはめても同じようにはならないでしょう。
大人がこういった個人個人の成長具合について理解した上でバランスを取ってあげる必要があります。
痩せてしまうのであれば捕食を検討
成長とのバランスは分かったけれど、成長期前だからと言って痩せていって 良いというわけではありません。
日本の子どもに多いのは練習量・時間が多いのに食事は十分に食べることができないことで痩せていってしまうケースです。
これは体重を絞る目的がない限りは良い事ではありません。
こういった場合には捕食で栄養とエネルギーを十分に摂取するようにしていきます。
食事だけでは食べきれない分を間食などで摂取していきます。
食べることが好きではないという場合にはゼリー飲料なども子ども向け商品が増えてきたので、こういったものを使用することも良いと思います。
僕も成長期が遅く、ヒョロヒョロでした。
これは食べることに特に興味がないことが理由としてありました。
食べることで、スポーツをする上でのメリットがあるということを理解してもらうことが大切だと思います。
せっかく練習した分の効果を得られるかどうかという部分でもありますから、若いころからしっかりと意識してもらえると良いでしょう。