給食施設の人材不足とコストカットの弊害について考える

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厨房

給食施設の人材難は続く

給食施設に限った話ではありませんが、飲食店全般が人材難で苦しんでいます。

これはもちろん働く若い世代の人口自体が少なくなっている面もありますが、それ以外にもいくつかの理由が絡み合った結果と言えます。

今回は特に給食施設に絞って人材難の理由やそれにともなうリスクなどを書いていきます。

 

給食施設が人材難の理由

給食施設がどうして人材難になるのかと言うと以下のような理由が挙げられます。

人材難の理由1:肉体労働である事

現代の流行的に肉体労働よりも頭脳労働の方が好まれる風潮があります。

これ以下の人材なの理由についてもいくつかは肉体労働と頭脳労働の違いに言い換えることができるものが出てきます。

疲れる上に、ルーティンやルールに縛られる肉体労働よりもクリエイティブな頭脳労働をしたいというのは仕事の魅力という部分につながるかと思います。

 

人材難の理由2:薄給であること

基本的に給食業務のお給料はそんなに良くありません。

肉体労働であるにも関わらずお給料が期待できないのであればやはり他の業界に人材は流れてしまいます。

薄給であるという現状は、売り手市場と言われる現在の就職活動状況から見ても非常に不利です

もちろん仕事は給料の高い方が魅力的ですから、ここに書いてある様々なデメリットを抱えつつ薄給な現場に来てくれる人が少ないのは当然のことと言えます。

さらに、東京首都圏に行くと、隣の神奈川よりも時給が100円高くなる傾向があります。

これが人材の首都圏流出の大きな原因となっています。

同じ仕事で給料が良ければ、そちらに人が行ってしまうのは仕方のないことです。

 

人材難の理由3:給食を作る仕事のイメージが悪い

「給食のおばちゃん」というように、なんとなくそれなりの人がそれなりに仕事をしているという印象が染みついてしまっています。

これについてはなかなか解消することは難しい部分でもあります。

最近はおしゃれな献立を取り入れることで、このイメージ破壊に個人的には取り組んでいます。

仕事着などもこじゃれたものにしても良いかもしれません。

 

人材難の理由4:食事はコストカットされやすい

ここは少しシリアスな話です。

施設などの運営を改善しようと思った際に一番手を付けやすいのは光熱費と食材費です。

他の消耗品は必要だから買っているという現場の声が強いですが、「食材費については何とかなるだろう」と考える偉い人が多い様子で、まず食材費から手を付けてしまうため、食事の質が下がりやすいです。

更に、厨房の人件費も安くしたいという考えから様々な取り組みがされます。

人件費を抑える事で負のスパイラルに陥る原因も下記に書いておきます。

 

厨房人件費のカットによる弊害

会社や施設の運営上、コストカットは必要になることもあります。

それによって給食の現場は更に苦しくなっています。

一例として

厨房の人材費を抑えるために、委託給食会社を入れたとします。

この時にはいくつかの委託給食の現場を比較して、価格の安い業者を入れます。

この時委託給食会社が削れる費用としては

・消耗品費

・食材費

・人件費

実はこの3つくらいしかありません。

では、これらを削る事で起こるデメリットについて書いていきます。

 

コストカットの弊害1:消耗品

厨房の消耗品にはラップや使い捨て手袋も含まれます。

これらは食事の衛生状況を保つ上で不可欠な道具です。

ここを無理やり削るということは食品の衛生状況を悪くし、安全性を下げ、食中毒のリスクを高めることになります。

 

コストカットの弊害2:食材費

食材費はある程度までは冷凍品の頻度を下げるなどで対応は可能です。

最近はある程度の値段の冷凍食品であれば美味しいものも増えています。

ですが、これが、価格の安さだけで選ぶようになると、お粗末な食事になってしまいます。

単純な安さだけでなく、どの食材についてどのレベルまで許すことができのかという部分を考慮せず、安さに走ることは味やサービスの低下に直結し、厨房の評判そのものを下げる事になります。

こうなると、外に食べに行った方が良いということにもなりかねません。

 

コストカットの弊害3:人件費

人件費については、厨房を2人で回すか3人で回すかで、金額が変わるという非常に分かりやすいものになっています。

このため、やたら安い金額で請け負うという計画を立ててくる業者は、凄く少ない人数で厨房業務を回そうとしていることが多いです。

ですが、余裕のない厨房は良いサービスの提供は難しく、職員の疲弊なども出てくるので、基本的には、安かろう悪かろうという給食になりがちです。

まれにスペシャルな職員に当たって、上手く厨房が回ることがありますが、委託である際にはその人がずっといてくれるということがないので、期間限定での安定という事になります。

僕の職場の他の現場では、契約した金額での業務が難しいということで、委託給食会社側から契約の破棄をお願いされたことがあります・・・今は直営で回していますが、安く委託すれば安心と言うわけではないという一つの例となります。

 

委託給食会社でも人が足りない

一方の委託の給食会社でも人が足りません。

他社よりも安く仕事を請け負うとすると、高い給料を出すこともできませんから、その条件で働いてくれる人を見つけることが困難です。

業界柄、辞める人はそれなりにいるのは仕方のないところですが、それをカバーするだけの人を確保できなくなってきています。

 

厨房の人材難対策

人材難対策としてどんな方法が考えられているでしょうか?

 

人材難対策 ①お弁当

単純にお弁当を配達してもらうという方法も有効で、有料老人ホームなど、最初から厨房を作らない施設などでも利用されています。

最近はそういった施設用のお弁当内容も充実いるので、今後も自前の厨房を持たない施設というのは増えて行くと思います。

 

人材難対策 ②調理済商品の購入

すでに調理されたものを急速冷蔵、あるいは冷凍した商品の購入

施設側では加熱して盛り付けるだけという手軽な物、厨房の人数を減らすことができることが大きなメリットです。

自前で調理等を行うセントラルキッチン方式も少し増えるのではないかと予想してます。

セントラルキッチン方式はファミレスに多い、調理は工場で一括して、各所に配達。

人材難に対応するためには、厨房の人を減らしてサービスは維持する仕組みが必要になるという感じです。

 

厨房の人材難 まとめ

世間ではAIの普及で仕事がなくなる!

なんて騒がれたりしていますが、結局のところ、お金のあるところから導入されていくので、給食現場の人材難はまだまだ長く続きそうです、

若い世代はどんどんこういった肉体労働から離れて行くので。

本文中でも触れていますが、個人的には対策として、凄くオシャレなキッチンにして、白衣もカッコいい(かわいい)ものにして、スタバのようにしたら若い人を引き込めるとは思いますが、そこまでお金出してくれるところないですかね・・・

お金出せないから今の状況になっているのですが。

結局お金出せない部分は廃れて行くという印象です。

給食の今後は分かりませんが、個人的には調理も好きなのでしぶとく生きて行こうとは思っています。