栄養士は料理ができなくても良いか?
最初に僕の考える結論から伝えますが。
はっきりと料理ができた方が良いです。
これは料理が苦手であったとしてもです。
理由としては、直接料理の技術は必要ない仕事をしたとしても、栄養士の関わる部分の多くは食事に関係したものだからです。
その食事についての知識を高めるためにも料理に関する知識と実践経験はたくさんあるに越したことはありません。
栄養士が料理をするメリット
では、より具体的に栄養士が料理のできることで、どのようなメリットを得ることができるのかを抜粋していきます。
料理をするメリット1:料理のイメージがしやすい
栄養相談にしても料理についての話題が避けられません。
相手が伝えたいことを簡単にイメージすることで、共感が高まり、相手との信頼関係を深めやすくなります。
給食現場であれば献立名や材料から完成のイメージを作る事ができるようになります。
発注をしている時に、「あれ?この食材の発注量おかしいな」など、イメージできるからこそ事前に気が付いて、当日のトラブルを避けることも可能です。
このように料理についての知識そのものが役に立ちます。
料理をするメリット2:調理の苦労が分かる
知識だけの栄養士になると、現実感のないアドバイスをしてしまうことがあります。
料理の手間など、細かい所も自分が行えることで相手の身になって考えることができます。
現代の栄養士は「正しい食事」を読み上げるだけでなく、相手に合わせて食生活のアレンジを手伝う事も求められます。
この時に家族、特に調理を行う人の手間を増やし過ぎないような現実的なプランを提示、アドバイスする際に自分の料理経験はプラスになります。
後片付けの手間なども、知っていると知らないでは相手に伝える際のデリカシーにもつながってきます。
料理をするメリット3:料理の知識の高さは相手への説得力になる
料理の話になった際に一般的な料理の作り方も知らない栄養士がボロを出してしまうと、相手との信頼関係が揺らぎかねません。
反対に料理に対する造詣の深さが相手に伝われば、それは信頼関係を強化してくれるものになるので、やはり料理は基本的な部分くらいは押さえておきたいところです。
料理のできない栄養士とは
最近は栄養士養成課程で少なくとも調理実習くらいはあるものです。
そんな中で、料理ができない栄養士がいるものかというと・・・
最初から人を使う側の立場になってしまったり、料理が直接的に関係ない職場に若い頃に勤めた場合には案外ありがちな話になります。
主に僕の先輩世代の話ですが、「自分は料理を作る立場だから必要ない!」と強く言い切ったりする方もいます。
個人的にはそういうアピールをしていること自体が、自分が料理できないことへのコンプレックスの表れだと思っているので、生暖かい目で見守っていますが。
料理は下手でも構わない
料理の味付けなどは、味覚に代表されるように、最終的には感覚の部分に頼るものであるため、センスが必要になります。
もちろん努力である程度補えますが、なかなか上達しないことも少なくありません。
栄養士の場合は、料理でお店を開いて人を呼ぼうというわけではないので、実はそこまで美味しい料理ができなくても大丈夫です。
もっとも大事なのは料理に対する知識と、どういった点に苦労があるのかを理解することです。
料理をする人の立場になれるということになります。
「あの料理はこういう所が大変ですよね」
「揚げ物は油跳ねの片付けが面倒ですよね」
「だから私はこうしてますよ」
こんな何気ないけれど相手の傍に寄り添う言葉、そしてその言葉の重みのために料理をしていると考えても良いと思います。
料理を健康的にアレンジするためには、自分で料理して、自分でアレンジしてみる経験は強み以外のなにものでもありません。
それでも料理に抵抗がある場合には
どうしても料理に取り組めないという場合には、それを凌駕するだけの知識を身につけるという方法もあります。
料理の本を読んで、料理番組や動画を見て、自分がやらなくても、知識としてそれを知っているという状態を作り出すことも方法の一つではあります。
ただし、料理番組などは手間のかかるシーンを飛ばしてしまうので、苦労をそのまま体感できないという点を差し引いて考えなくてはいけませんが
平野レミさんの料理を見ることはその点でもおススメです。
大変なことは大変、面倒なことは面倒だとはっきりと表現してくれる人です。
こういった生の声こそが共感を生んで彼女の人気を支えるひとつの形になっているのだと思います。
それを見て「こういう所が実は大変なんだな」ということを学ぶのも方法ではあると思います。
個人的には自分で包丁握って欲しい思いもありますが、事情があってそれができない場合もありますから、これは必ずと言い切れないところです。
栄養士は料理ができなくても良いか まとめ
料理ができないと、実は栄養相談一つをとってもハンデを持って戦うものだということを伝えたかったのですが、少しは伝えることができたでしょうか?
栄養士は活躍するフィールドが広い反面、便利屋としていいように使われてしまいがちなところがあります。
様々な知識と経験を得ることで、単純な便利屋からオンリーワンの立場になれるように努力をしていきましょう。