花粉症やガン・認知症は自分には関係がないという考えは自然な事
日本人はスギによる花粉症の方が多いですが、そういう方の多くが、最初は風邪だと思い込もうとしたり、自分は花粉症ではないと頑なに認めない様子は春の風物詩とも言えるようになってきました。
そんな僕も、花粉症になったと思わしき時期には
「これは風邪だ!花粉症じゃない!」と言い張ってしました。
今から思えば、花粉症の人って
①花粉症の症状で鼻が詰まる
②呼吸が口呼吸になる
③寝ている間に喉が乾燥する
④乾燥した喉からは菌が入りやすい
というごく自然な流れで風邪もひきやすいんですよね・・・
4月から5月にかけて毎年風邪を引く方は、おとなしく耳鼻咽喉科に行ってアレルギー検査を受けましょう。
自分に合った薬を飲むだけで楽になれます。
僕も鼻が詰まらないことがこんなに楽だったなら、もっと早く行動しておくんだったと、意地を張っていたことを後悔したくらいです。
花粉症は日本人では非常に多くの方がアレルギーを持っています。
このため、花粉症である事はなんら特別ではないのですが、どういうわけか現在花粉症でない方は心のどこかで「自分はならないはずだ」という想いを持っています。
この心の部分が今回の話の内容になります。
正常性バイアスが自分には関係ない、を作り上げる
正常性バイアスというのは、自分にとって都合の悪いことを無視したり、大したことないと判断してしまう事を言います。
このため、災害がどこかで起こった時にも、対岸の火事という気持ちの部分があったり、災害予防について話をしている時でも、話にリアリティがなかったりという事が起こります。
そして、誰かが花粉症などで苦しんでいても、それが自分事として認識されないため、頑なに認めない、自分の身に降りかかることがないと思い込んでしまいます。
喫煙者ですら自分はガンにならないと思っている
なぜ、タバコは肺がんや咽頭がんのリスクを高めるのに喫煙するのだろう?
と、タバコを吸わない方は思っているのではないでしょうか?(僕も思っています)
その答えは非常にシンプルで、当人は自分はタバコを吸っているけれどもガンにはならないと思っているからです。
同じ条件であっても他人事という感じです。
この結果、喫煙者がガンになった時に思う事として
・なぜ自分が?
・他の喫煙者は大丈夫なのに・・・
というものが代表的になるそうです。
他人には適用されるルールが自分には適用されないという思い込みは非常に興味深いものです。
特に喫煙者とガンのリスクについては学校教育でも何回も触れる部分なので、自己責任とも言えるのですが、自分は大丈夫という考え方はそのくらい人間の中に強烈にあるのだということになります。
認知の部分でも自分では衰えを認めにくい
最近は認知症やアルツハイマーも早い段階で発見できれば、進行を遅くすることができるのですが、認知の衰えについても人は認めたくない傾向があります。
実際に認知の衰えは日常で数字化されて表れるものではないので、物忘れが多くなっても、「年齢を重ねれば誰でも同じだろう」という、自分は大多数の側であるという考えを捨てることは難しいようです。
認知症とまではいかなくても、高齢で認知の能力や判断力が衰えたことを認めることの難しさが昨今の高齢者の自動車事故の原因でもあります。
若い頃同様の運転ができているというバイアスがかかり、自分の運転の危険性に目が向かないまま、気が付くのは事故を起こしてから・・・というのが多くの場合に見られます。
他の疾病でも「自分は関係ない」は存在する
肥満の方が周りに「糖尿病になるよ」と言われても、実はそこまで言葉が響きません。
それは心のどこかに、「太っている人はたくさんいるけど糖尿病になっていない人もいるじゃないか」という部分があり、自分もそちら側であるはず、という思い込みがあるためです。
花粉症・ガン・認知症、自分はならないという思い込み まとめ
このように、人は自分にとって不都合な情報や、不都合な未来には基本的に耳をふさぐ傾向はあることを認識しながら、比較的早めに何事も対応することが健康な未来につながっていきます。
病気になった時に大変な思いをするのは、多くの場合本人だけではありません。
周囲の人に心配や負担をかけないためにも、「もし」という言葉を頭の中において、自分がどのような状態になった時にどんな対応をするのかを検討しておくことも大切です。