山菜は苦味が特徴
山菜は主に春を旬とする食材です。
そして、味はその苦味を特徴とします。
この苦味から子どもは苦手で大人は好んで食べるという図式が昔からあります。
・山菜はなぜ苦味が強いのか?
・なぜ苦味のある山菜が好まれるのか?
今回はこの2点について書いていきます。
山菜はなぜ苦味があるのか
山菜の苦味はポリフェノールやカロテノイドという抗酸化作用を持つものの影響となっています。
他にも抗酸化作用を持つ食品は多くありますが、山菜は特に甘味など持たないので、それらと比較した際に苦味を強く感じます。
昔は冬場それほど外に出ない(特に山の方)傾向があり、食事のバランスなども崩れがちだったので、春にはこういった抗酸化作用を持つ山菜を食べて体の調子を整えることができていたと考えられています。
実際に冬眠から覚めた熊は最初にふきのとうを食べて、体の調子を整えます。
手軽に手に入るので、熊にも習慣化されているというメカニズムです。
なぜ苦味のある山菜が好まれるのか
大人になると、油っこいものよりも、風味のあるものを好むようになります。
これは消化器官の衰えから、あまりにも油が多いものなどを食べてしまうと、体が重く感じるなどのデメリットが発生するためです。
山菜はまさしく、この風味を味わうという部分に合致します。
独特の苦みを楽しむという感覚です。
このため、苦味に敏感な子どもは苦手にすることも仕方のないところです。
そして、先に書いたポリフェノールやカロテノイドを含み体に良いという事が認知されていることも影響しています。
健康に気を使う年代に好評なのは、この風味と健康の両面の影響が少なくありません。
山菜が広まったわけ
独特の苦みを持つ山菜がこれほどまでに全国的に知られている理由は
乾物・塩漬け・レトルトパウチにより長期保管、輸送が簡単であったことがあります。
昔は長期の保存のできる食材が限られていたので、山菜の手軽さは瞬く間に広がって全国的に普及することになりました。
大体どこのお蕎麦屋さんに入っても山菜そばはありますよね。
その頃の名残りはこういったところでも垣間見ることができます。
山菜人気は下火になりつつある
ここまで、山菜の隆盛を書いてきましたが、実は最近、人気が落ちてきています。
その理由としてしては、様々な食材が長期保存・輸送できるようになってきたことがあります。
選択肢が広がったので、敢えて苦味の強い山菜を選ばない人も増えています。
選択肢が広がると万人受けする味付けのものが好まれてしまうのは仕方のないところです。
旬である春先には、生で販売されているものをスーパーなどでも見かけるので、四季を楽しむという目的で取り入れて行くのが現代的な山菜との付き合い方になって着たとも言え、これは最初の頃の山菜の楽しみ方に戻ったと考えると少しノスタルジーを感じます。
山菜と苦味のまとめ
山菜の苦みは抗酸化物質です。
体の老化や疲労に関連する活性酸素に効果を表すので、健康や長寿を意識する方は、定期的に食事に取り入れることをお勧めすることができます。
一方その苦味が、万人受けといかず、飽食の時代と言われる現代では人気が落ちてしまうのは仕方のないところでもあります。
山菜を好む人は「食通」という感じに今後は変わっていくのかもしれません。