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栄養士によって献立・レシピのこだわりは異なる
栄養士は栄養について学んでいるので、数字合わせをメインに行うイメージがあります。
実際にそういった面を最優先にして仕事をする人もいますが、実は多くの栄養士が自分独自のこだわりや方法論を持っています。
今回は主に献立作成の面から、栄養士がどのような視点を持っているのか、複数のものを書いてきます。
栄養士の献立・レシピ作成時のこだわり
では、ここからは少し具体的に栄養士が献立を作成する際にどんな点を意識して作っているのかを書いていきます。
これらにそれぞれの栄養士なりの優先順位がついて作成されていくので、同じ対象の方へ向けての献立を作っても同じものにならないという感じになります。
献立・レシピのこだわり1:栄養価優先
最近は随分少なくなりましたが、何が何でも理想の数字にすることが優先されて、美味しさや見た目は二の次という方もいます。
科学的な面での実証はあるので間違いはありませんが、食事の楽しみの部分は重要視されないため、少し味気なく感じることもあります。
プロアスリートなどで、「食事もトレーニングのうち」と割り切ることができる場合には一つの有効な献立になります。
献立・レシピのこだわり2:見た目重視
単純に見た目を大事にすると言っても色々な方法があります。
・お皿選び
・盛り付け方
・使用食材の色合い
・料理全体の見た
見た目にこだわる際には、実際に自分達がどんな食器を持っていて、完成した時にはどのように盛り付けるのかという部分までイメージすることが必要になります。
人は五感をフルに使って食事を楽しみます。
良い匂い、キレイな見た目はそれだけで食欲をそそります。
見た目にこだわる栄養士の方は増えていますが、個人的な好みもさることながら、食事を楽しんでもらいたい、全部食べてもらいたいという気持ちの表れでもあります。
献立・レシピのこだわり3:おいしさ重視
料理はおいしく作って当たり前だろう!
という声も聞こえてきそうですが、あまりにもこだわり1の数字だけを重視すると、脂質を控えすぎたりしておいしさが二の次にされてしまう事もあります。
本来はおいしくて、栄養も計算され尽くしたものが理想となるわけですが、中には栄養はそこそこ大きく外れていなければ良くて、おいしさこそが最優先!という栄養士の方もいます。
大体栄養価最優先の人と相性が悪くてケンカします(笑)
「バター入れ過ぎ!」などは良く聞くフレーズです。
ただ、もちろんおいしさは大切です。
どんなに栄養計算しても、おいしくないという理由で残されてしまったら計算した意味自体が失われてしまいます。
こういった視点と、調理をしている人であれば、もちろん「おいしい」と言われたい部分もあるので、ここをあまり否定する気にはならないですね。
献立・レシピのこだわり4:季節感やイベント重視
日本は四季があり、その時期を表現する旬が存在しています。
こういった季節を感じる食材を時期に合わせてどんどん献立に取り入れる場合もあります。
ただ、この方法を何よりも優先する栄養士は減っていると思います。
理由としては、ハウス栽培の普及などで様々な食材が季節を問わず手に入るようになったこと、旬の食材がいわゆるブランド化してしまいつつあることがあります。
昔は旬の食材は安くて栄養満点というものでしたが、
最近は旬なるとむしろその食材が高くなってしまうことなども出てきています。
栄養士は食材の予算という見えない敵とも戦っているので、旬以上に価格に見合う食材を選択する機会が増えるようになってしまうのも仕方のない所です。
献立・レシピのこだわり5:冷凍食品を積極的に使うか否か
冷凍食品を好むかどうかも栄養士によって大きく異なります。
冷凍食品のメリットは
・価格が安定している
・作業工程を省くことができる
・味のブレが少ない
こういったものがあります。
更に最近は味も美味しくなっていることから、昔よりは積極的に冷凍食品を使う傾向は強くなっています。
反面、根強く手作りである事に対するこだわりを持っている栄養士もいます。
冷凍食品のデメリットに
・食品添加物の使用
・指定されているロット数での発注
こういった面があるためです。
保存料を始めとした添加物は家庭用の冷凍食品でも同様で、パッケージの原材料を見てみると、様々なカタカナが並んでいます。
1パックの入数は固定なので、発注に関してこちらの思い通りにいかない場合もあります。
こういった面をから、やはり手作りというのも頷けます。
栄養士によってこだわりの優先順位は異なる
僕は、栄養は無視しないけれども、ある程度美味しさを優先します。
ごはんがまずいと栄養士としての評判にも響きますしね(苦笑)
冷凍食品についてはそんなに、避けたりせず、そこそこ使用しています。
自分たちで作るよりもおいしいものについてはむしろ積極的に使用するところもあります。
このように、人によって「どこ」を「どの程度強くこだわるか」は異なります。
昔、うちの法人内の栄養士が集まって、統一した献立を作成しようという試みをしたことがあるのですが、最後には必ず喧嘩別れで終わりました・・・・
結局、誰かの満足は誰かの妥協になってしまうので、全てを満たす献立というのは無いという事が分かった瞬間でもありました。
なので、各栄養士は自分が何処を重視するタイプかを自覚しておくとじ事がしやすいと思います。
栄養士の献立・レシピ作成のこだわり まとめ
今回は献立作成に絞って話をしていきましたが、これが栄養相談などでも、どもに重点を置くかは人それぞれになってきます。
このため、栄養士は正しい知識を持ちながら、それが自分のスタイルにどのように反映されるかを考えて仕事をするとスムーズに行きます。
栄養士に相談をする方は、あまりにも自分と栄養士の価値観が異なる際には、他の栄養士に相談してみるということも有効です。
似た感性の人同士の方が何事も成功しやすいものです。