給食で使用するお皿の選び方
料理は見た目も大事です。
見た目が美味しそうでなければ、それは食欲の減退にもつながってしまいます。
この見た目には料理そのもの以外にも、どんな器に盛り付けるのかという点も大事になってきます。
今回は僕がいつも食事提供でお皿をどんな感じに選んでいるのかを簡単にいくつか説明していきます。
お皿の大きさは最重要
まず、もっとも気にするのはお皿の大きさです。
これはそのお皿にどの程度の量が盛り付けられるのかを重視しています。
太り気味や食べ過ぎが気になる施設では気持ち小さいお皿にこんもりと盛り付けるとたくさんあるように見えるので無理なく満足感を得られます。
食欲のあまりない人が多い(高齢者施設に多い)場合には、余裕のあるお皿を使用し、その中心に料理をのせて、周りに少しスペースを空けてあげると、高級な和食や洋食のコース料理のように見た目も上品で、量について気にならなくすることもできます。
ただ、器自体が大きすぎると逆効果なので、ちょうど良いバランスのものを選択して購入する必要があります。
このように、まずは器の大きさを重要視します。
給食という限られた予算の環境では、作った料理がまずはきちんと乗せられるというスタート地点はしっかりとしておきたいところです。
器の柄
では、続いてお皿の模様、デザインです。
僕は柄物とシンプルな白のお皿を用意することが多いです。
どういった時に柄のあるお皿を使用するかというと、出来上がった料理が比較的単色である場合です。
料理だけでは色合いが寂しいという時に、お皿の色合いも含めてカバーしようというイメージです。
シンプルに柄のない白いお皿を使用するのは、料理自体がカラフルな場合ですね。
赤・緑・黄色と単品の料理で色合い豊かな場合にはお皿をシンプルにした方が料理自体の色合いが強調されます。
料理を生かすか、カバー(フォロー)するかで用途を分けるというイメージです。
大きさと色合いで優先するのは?
給食では、作った料理が盛り付けられることが大事なので、基本的にはお皿の大きさが優先されると考えています。
栄養計算した量がお皿の上に乗る必要があるためです。
ただ、難しいのは、見た目を損なってしまうと、お皿の上に盛り付けても食欲が沸かずに食べ切ってもらえない→これもまた計算通りの栄養が摂取できていないことになるという点です。
本来であれば様々なお皿を用意して、その料理に最高に合うものを使用したいのですが、予算などの縛りも多く難しいところです。
レストランでは、「この料理に合うお皿はこれ」という事もできますが、給食は比較的献立バリエーションが幅広く、和・洋・中というところも網羅していくので、それぞれに合う物を買うとお金だけでなく、保管のスペースなども確保することが難しいなどジレンマだらけです。
その他の食器事情
ごはん茶碗は最近、内側(お米が入る方)に色を付けたデザインのものが増えています。
これは茶碗の内側が白いと、ごはんと茶碗が同系色でごはん粒が認識しづらく、食べ残しが増えるということを防止する目的で作られています。
茶碗の内側に色が付いていれば白いごはん粒は目立つので、ごはん粒まできれいに食べてもらえるという簡単ですが意外と思いつかないところをカバーしてきたという印象です。
水分補給の道具は更に慎重に
湯呑やコップはそれぞれ使う人の特徴に合わせて、倒れにくさ・口の大きさなど検討することが望ましいです。
水分摂取は食事よりも頻回に行うものなので、ちょっとした不便さが毎日のストレスになり兼ねません。
どの程度傾けると水分は口にどの程度流れ込んでくるのか、片づける際に重ねる事でコンパクトにすることが可能かなど、目を向ける点はたくさんあります。
最近は給食用の食器メーカーさんも様々なサンプルを取り揃えているので、購入前に必ず実際の使用感を試すことをお勧めします。
数が数なので安い買い物にはなりませんから。
大事なのは使う人の目線で考えるということに尽きると思います。