三大栄養素の摂取バランスを知れば食品選びが広がる
三大栄養素のバランスは様々な基準がありますが
炭水化物(糖質)50~65%
たんぱく質13~20%
脂質 20~30%
という範囲が一般的です。
この基準が僕の学生時代から変わっていないので、少し違和感がありますし、おそらく同じことを考えている栄養士の方もいると思う部分もありますが、とりあえず今回はエネルギーと言う面から3大栄養素から食事バランスを考えるという点について書いていきます。
摂取量も考慮してこそバランスであるということ
この三大栄養素の摂取バランスはエネルギーあたりの量になります。
1日2000㎏カロリーを摂取しているのであれば、糖質はそのうち(ここでは)60%に当たる1200㎉を摂取目標として考えます。
糖質は1gあたり4㎉なので、1200÷4で300gの糖質を摂取するTバランスが取れるという感じです。
ちなみにたんぱく質1gあたりは4㎉で糖質と同じ、脂質は1gあたり9㎉と、重量当たりのカロリーが高くなっています。
ちょっと前はPFCバランスとも言われました。
これは
P=たんぱく質⇒プロテインのP
F=脂質⇒ファットのF
C=炭水化物⇒カーボハイドレートのC
読み方は敢えてカタカナにしたので微妙なところもありそうですが、こんなところです。
まぁ、三大栄養素のバランスと言い換えても大丈夫でしょう。
三大栄養素とエネルギーの関係
炭水化物・たんぱく質・脂質
実はエネルギーに変換されるのはこの3つだけになります。
このため、スーパーなどで商品の栄養成分表示を見た際に
炭水化物・たんぱく質・脂質のうち2つの項目の記載があれば、合計のカロリーからそれぞれを引くことで、三大栄養素がどの割合で含まれるかが分かります。
例 脂質のみ記載されていない場合
(その商品のカロリー)-(表示されている糖質g÷4)-(表示されているたんぱく質
÷4)=(含まれる脂質のカロリー)
そしてこの脂質のカロリーを9で割れば、含まれる脂質の量(g)が分かります。
この関係性を知っておくことで、様々な場面で3大栄養素を考慮した食品選択を行うことができます。
食品選びに使用できる
最近は食品を販売する際に、エネルギーだけでなく、糖質などの内容も記載しなければいけなくなりました。
(このあたりのルールはちょこちょこ変わるので細かく書きませんが)
この際に、もし、3大栄養素の全てが記載されていなかったとしても
2つくらいは書いてあるものがほとんどなので、上記の計算で含まれる量が分かります。
この他にも、レストランなどのメニューに最近はエネルギーが記載されるようになりました。
ここでも3大栄養素の知識があると、少しメニュー選択が変わってきます。
・揚げ物であれば脂質の占めるカロリーが高いことは分かっている。
・肉、魚料理であればたんぱく質の占めるエネルギーが多いことが分かっている。
・糖質については主に主食(またはデザート)での摂取になると考えられる。
こういった消去法の考え方で、バランスを考えることができます。
肉料理で、肉が大きいのにエネルギーが少ないのであれば脂質は少な目と考えることができます。
こういった面からも、エネルギーと、その料理の特徴をつかんでおくことで、バランスを考慮した食事をすることができます。
注意すること
特に運動習慣のある子どもで、成長期にガリガリに痩せてしまっている場合には、バランスよりも、摂取するカロリー自体を増やすことを優先した方が運動の効果は出やすい。
無理に運動したから肉などを食べさせようとすると、元々量を食べることを困難にしない子とは異なり、精神的にも消化器官的にも負担が大きくなってしまいます。
まずは運動量などに見合ったカロリーを、本人の摂取しやすいものなどで取る方が大事です。
バランスは小さな原因で崩れてしまう。
特に高齢になると消化器官や食べる能力の弱まり、運動量の減少などから、知らないうちに肉や魚といったたんぱく質を遠ざけてしまう傾向が見られます。
ロコモティブシンドロームの原因となるたんぱく質摂取量の減少を食い止めるにしても、本人はそんなに肉や魚を食べるコンディションにはないと考えている場合も多く、意図せずに健康的では無い食事内容になってしまうこともあります。
三大栄養素のまとめ
若いうちから習慣として肉など固いものを食べる、消化できる能力を残しておくことの大事さを理解して、将来的に残す努力をすることは重要です。
若いうちに肉を避けていて、ある年齢から急に食べることは、胃腸もその食事習慣に慣れていないし、固めの肉を避けてしまえば、噛む能力も衰えます。
脂質は重たい料理が多いので、食べない生活から急に切り替えれば、胸やけや消化不良を起こす原因にもなりかねません。
何事もそこそこのバランスで継続する、という点が非常に重要です。