風邪をひいたときにお粥を食べる理由とお粥が安全ではない場合について

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お粥

風邪をひいたらお粥にする理由

お粥は昔から風邪をひいた時などに提供されます。

これは一般的に、米粒が含む水分量が増え、さらさらと食べやすいことに由来しています。

以前は普通のごはんよりも多くの水分を入れて、長めに加熱するお粥は消化もしやすいことから、風邪をひいて消化器官の働きも弱っているので向いていると言われていましたが、最近ではこれには反論的な意見も出てきています。

実際にちょっとした風邪である場合には1日絶食するということが必ずしも悪いというわけではないので、どの程度がんばって食事をするのかという事については本人の状態や食欲と相談する必要があります。

 

お粥で消化が悪くなる?

では、具体的にどうしてお粥の方が消化しにくいという話になるのかを書いていきます。

 

ごはんはでんぷんです。

ごはんを口でしっかり噛むことで、唾液中のアミラーゼがでんぷんを分解し、消化しやすくします。

 

ところがお粥は喉越しが良いので、ほとんど噛まずに飲み込むことができてしまいます。

 

このため、ほぼ丸のみにされたお粥はしっかり噛まれたご飯よりも消化するための分解が進んでおらず、消化が悪いという話がでてくるようになりました、

 

では、お粥を効果的に食べるにはどうすれば良いのかというと

これは非常に簡単で、ほとんど噛む必要を感じないお粥でも、しっかりと噛んで食べるということで口の中で唾液と混ぜ合わせてあげれば良いわけです。

 

実際には「噛む」というよりは「軽くつぶす」感覚になりますが、体調の悪い時にはそのくらい簡単な方が良いでしょうし、ゆっくりしっかりと食べるという意味でも、しっかりと噛んで食べることを意識することは大切です。

 

お粥が向かないこともある

特に高齢の方に見られるのが、「飲み込みづらくなったから」「最近食が細くなったから」っという理由で食べやすいだろうとお粥を提案するケース。

 

この時注意しないといけないのは、食べる、特に飲み込む能力が衰えている場合には、、お粥が不向きである場合が少なくないという事です。

 

お粥は水分を多く含みます。

 

このため、口に入れ→噛んで→飲み込むという流れの他に意図せず水分だけが喉に落ちてきてしまう事があります。

 

こういった準備のできていない状態での水分の摂取が誤嚥(ごえん)を起こします。

 

喉には弁があり、その弁の働きで同じ口から入るものでも空気は肺に、食べ物は胃に落ちていくわけですが、飲み込む機能が落ちている場合にはこの切り替えが素早くできなくなっていることが多く、食べ物や水分が肺や気管に入り込みムセ、酷くなると肺炎の原因となります。

 

このため、機能低下(食事や水分補給時のムセ)がみられる際には、水分を多く含む食品は要注意となり、その中にはお粥も含まれます。

 

こういった場合にはとろみをつけたり、ミキサーにかけるなどの工夫が必要になりますが、どの程度必要かなどは個人ごとに差が大きいので、医師に診てもらうなどの対応が望ましいです。

 

まとめ

お粥=安全で体に優しいという印象ですが、しっかり噛んだり、本人の状態に合わせないとこのイメージ通りにならないという事が分かってきました。

 

また、お粥は冷めにくい、粘土がごはんよりもあるので喉に張り付くリスクもあるなど、実は気を付けないといけない点も多くあります。

 

食べる人は弱っていることが多いので、周りの人が注意して見守っていくように心がけましょう。