栄養指導・栄養相談は嫌われる? 嫌がられる理由は避けるべき
僕も仕事柄、栄養相談をしますが、行う内容はすごく軽い感じです。
世間話をしながら、少しずつ進めていきます。
これは、僕が雇われなので、栄養相談の度にお金を取ったりせずに、無料で行えるために
結果を急がない
あるいは結果に執着しないということすらできる余裕からできているのかな、と思っています。
独立していたら、毎回お金をもらうし、顧客に対して結果を出さないといけない、実績を上げないといけないというところではこれほど余裕は持てていないかもしれません。
そんな栄養指導・相談の話の入り口としての世間話の中で
使用指導・相談は嫌いなものだったという話を良く耳にします。
どうして健康につながる機会となるべき使用指導・相談は世間ではこんなに嫌われるのでしょうか?
栄養指導・相談は対象となる人が病気であるという印象
最近は病気でなくても血液検査の数値が悪かったりすれば、栄養指導の対象になることがあります。
特定保健指導なんかもそうですね。
でも、この肝いりで始まった特定保健指導ですが、望まない人が多くて、当初のもくろみ通りには進んでいないのが実情です、
正直この事業が広がれば栄養士の受け入れ先も広がるので、個人的には期待していたんですけどね・・・
やはり「病気じゃないし、どこも痛くないのにどうして指導されなければいけないのか」
という拒否感はあります。
虫歯と一緒で、痛くならなければ分からない感じ。
「あなた病気ですよ」あるいは「このままだと病気になりますよ」と余計なお節介を焼かれていると感じる部分があるそうです。
栄養指導や相談は怒られる印象がある
これは個人的に最大の問題点だと思います。
今だに相手の食生活について文句を言ったり怒ったりする栄養士もいます。
これは完全に時代遅れ・・・
相手の行動を変容することが目的であって、現在の食生活の悪い点を晒し上げるために行う訳ではないハズだし、そもそも生活習慣に何の問題も無かったら指導を受けに来ない訳です。
なのに相手の痛いところを追い討ちをかけるような栄養指導が昔病院で行われていたことから、栄養指導に対して良い印象を持たない方が多くいるのは残念です。
ついつい相手のアラを探して指摘してしまう栄養士は注意しましょう。
栄養士同時に無理難題を突き付けられる
あれを辞めて下さい
お菓子は言語道断です
お酒も飲めません
などなど
特に糖尿病の患者さんに対しては、正直拷問のような人生を要求する時代がありました。
昔、今とは違う職場で、僕が相手の「お菓子はどうしてもやめられない」という発言に「そうですよね~」と共感してたら同席していた栄養士の先輩に睨まれてしまうことがありました。
なぜ一歩ずつ進んではいけないのか・・
いきなり理想形の食事生活を要求する栄養士は、段階を踏むという指導のスキルを持っていないので、いきなり学校や専門書に載っている理想の食事を突き付けるしか方法が無いのかな、と今では思っています。
そのため、正しい知識の押し売りをしてしまう。
確かになんでもかんでも我慢できたら血糖値のコントロールなんて簡単でしょう。
でも、簡単にそうならないから多くの人が困っている訳ですよね。
簡単にそうならない事を伝える側の僕達も充分に認識しないといけません。
大体昔の栄養指導では最初に無理難題を吹っかけてしまい。
患者さんが次の予約にはもう来ないという流れが一般化していました。
これを「相手の意識が低いから」で済ませていたんですよね。
今考えると恐ろしい。
相手に寄り添う、共感する重要性は、もはや栄養士にも必要なスキルになっていると思います。
最近は独立して栄養指導をしている方がいますが、そういった方は独自に勉強をして、新しい方法論で顧客のニーズに応えています。
その専門性の中には当然栄養学以外にカウンセリングの技法も入ってきます。
栄養士を目指す方の多くは厨房で調理よりも栄養指導したいという方が多いと思います。(僕は厨房好きですが)
そうであるならば、学校で学ぶ栄養学だけではまったく勝負にならない事を知って、様々な分野の勉強をして、栄養士の評判を上げるのに一役買っていただければと思います。
学校で得た知識程度では、下手すると健康番組を見まくっている主婦の知識に負けてしまいます。
栄養士のレベルアップこそが、栄養指導・栄養相談についてのイメージアップに必要だと思います。